武道大会 6 〜予選会〜
〜ガイside〜
俺達のチームの順番が回って来た。俺達チームは、武舞台に上がり整列をする。
対戦相手チームも一応列んでいるが、全員ガラの悪いヒャッハーな男達で、俺達のチームの女性陣を見てニヤついてやがる。女性陣もその目線に気が付き誰一人目を合わせないでいた。
その様子でサトルも気付いた。一応挨拶をしてから武舞台から降りて、順番決めをする。
「俺が最初に行く!!」
俺が立候補した。あいつらをシメてやらねぇと気がすまねぇ。
「良いんじゃないの?相手側は私達に嫌らしい目線を送っていたしね?」
「はい。出来れば戦いたくない相手ですね」
「⋯⋯⋯私もそう思った。けど、戦わないといけない」
「だからこそ、俺が行く!!あいつらに焼きをいれる!!」
「それなら、先鋒はガイさんに任せる。次鋒は俺がやる!!」
サトルも先鋒をやりたかったようだが、俺に譲ってくれた。
「⋯⋯⋯皆?それでいい?」
チームリーダーのエルフが確認をすると、皆が頷いた。
順番が
先鋒 俺
次鋒 サトル
中堅 アルクェイド
副将 エルフ
大将 ユカ
となった。
「只今より、エルフチーム対マッドガンチームの先鋒戦を始めます」
審判がそう言うと。相手チームの先鋒が。
「ケッ!!男かよ!!お前らはよぉオレらに負けるのが確定してっかよぉ。まずは女から出すのがスジと言うもんだろうぉ!!アアーン!!ゴラァァァ!!」
そう言いながら、俺に対してメンチを切って来た。
上等だぁ!!俺にメンチ切りをするなんて百万年早えんだよ!!
「始め!!」と審判が言った瞬間に相手の前に移動し殴り飛ばした。相手は殴られた事すら分からなく武舞台の外まで吹っ飛び落ちた。
「場外!!エルフチームの勝利です。続けてマッドガンチームの次鋒。出て下さい」
審判に促されて、次鋒が出てきたが、既にキレていた。自分達の仲間がやられて頭に来ているようだ。現に、『ブッ殺す』とほざいていた。
そして、先鋒と同様に一発で相手を沈めた。
はっきり言うが、弱い、弱過ぎる。この程度で、粋がっているとはな。世の中を舐めているな。
相手チームの1人が俺に気付いた。
「お、おま、い、イヤ、貴方様は、伝説の赤毛の不良!!ガイ・マーカー様!?」
1人がそう言うと、他の2人も俺を見て震え上がっていた。不良時代は色々とやらかしたからなぁ。未だに悪名の逸話が不良の間で語り続けているのだろうな。
だが、今はそいつを利用をしよう
「ほう?俺は事を知っているんだなぁ?でもなぁ?気づくのがちぃーっと遅かったようだなぁ?テメェら、俺に対して全員、メンチ、切っただろう?いい度胸だからよぉ!!俺が直々に焼きを入れ直してやっからよさっさと次こいよ!!」
手でクイクイとやるが、3人は俺に完全にビビって後退りをしていたが。
「こ、降参です!!」
「オ、オレ達、棄権しますから」
「許してください。調子に乗って、スイマセンでした!!」
3人が俺に向けて土下座をして来た。
「審判。聞いての通りだ。コイツらは棄権をするってよ」
俺の言葉を聴いた審判は頷いてから。
「マッドガンチーム。棄権宣告の為、エルフチームの勝利です」
審判が宣言をする。
審判の宣言を聴いて俺は自陣へと戻ると。チームメンバーが初戦の勝利に喜んでいた。
「初勝利!!」
「大した事がない連中だしな。勝って当たり前だぜ」
「⋯⋯⋯当然」
「でも、怪我もなく無事で良かったです」
「ありがとうよ」
エルフが真面目な顔になって。
「⋯⋯⋯この調子で予選突破をする」
「そうね。皆で頑張りましょう」
「当たり前よ」
「当然だ」
「任せな」
俺達はこのまま予選突破をして本戦へ出場を決めた。
〜ガイout〜
○●○
〜聖side〜
私達のチームは順調に勝ち進んで行く、初戦のトラブルがあったが、2回戦以降は、予定通りに更夜と舞の2人で片が付いた。予選決勝戦だ。
予選決勝戦の相手はギルド所属のチームだった。
もちろん、この試合の先鋒は更夜。
しかし、相手方は更夜が出てきたのを不審な表情で見ていた。
どうやら、このチームは、私達の試合を観てはいない様だ。
私達は対戦する相手チームの試合を観ている。対戦相手の情報やデータは必要不可欠だから。
更夜は、2人をあっさりと倒して、次鋒の舞に交代をした。たとえ、相手方に負けてないくても戦略的交代が出来るが、一度、交代をするとこの試合は再出場は出来ない。
そして、舞も2人を倒して、中堅のマリアに交代した。
マリアは相手方の大将を難なく倒し、私達は本戦へ出場の切符を手にした。
明日は本戦だ。どんなチームと対戦するのか楽しみだわ。




