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武道大会 4 〜予選会〜

 本来は最初に決めた通り先鋒は更夜だったが。


「嫌だ!!絶対にアイツらとは闘いたくない!!」

「あたしもパスだわ。あんな光景を見せられたら、あたしのSAN値がただ削りで闘える状況ではないわ」

「私も無理」


 更夜だけではなく、舞とマリアも精神的に参って闘える状態ではない。


「では、私が先鋒として行きますよ」


 平然としていたリクがそう言って来たが、


「イヤ、今回は私が行く。アイツらは試合中なにをやって来るのか想像もつかない。私が瞬殺して来るよ」


 リクの要請を断り、私自ら行く事にした。いくらリクでも何をして来るのか判らない連中達と闘わせる訳には行かない。


 順番は。

 先鋒 私

 次鋒 リク

 中堅 マリア

 副将 舞

 大将 更夜

 と、なった。


 私はリングに上がる。

 相手は既に上がっていた。


「アラ?勇者が来ると思っていたのにぃ〜残念だわぁ~」


 身体をクネクネさせながら言う。


「貴様らがこういう態度だからこそ、勇者は闘いたくはないんだと。で、私で最初で最後だ。瞬殺してやるよ」


「生意気ねー。良いわ。全員倒して勇者を引っ張り出してあげるわよ!!」


「そりゃあ無理だな」


「では、武道大会のルールを説明をします!!相手がリングアウト、気絶、カウント10、レフリーストップで負けとなります。試合中に明らかに行為に相手を殺した場合は、即チーム失格となり、殺人罪に問われますので」


 審判が説明をする。

 もう少し説明をすると、武器の使用や魔法の使用もOKになっている。要は致命傷を与えなければ良いということだ。


「第一試合始め!!」


 観客席から『ウワーッ』と歓声が聴こえる。

 審判の合図共に相手が殴りかかるが、私は余裕綽々で攻撃を躱す。大した事は無い攻撃だ。


 私の試合を観ている更夜が。


「初戦からお姉ぇを出してしまったな」

「そうだね。けど、アレはあたし達の想定外よ」

「そうだけどな。お姉ぇを試合に出さないように頑張ろうは初戦から尽く崩れたからな」

「そうだね。お姉ちゃんを出さずに優勝しようという私達の目標が消えたわ」

「そうですね。私がこの試合に出ようとしましたが、お姉さまがかなり怒っていたので、譲ってしまいました」

「うん、私もお姉ちゃんの怒りを感じたわ。だから、リクを推せなかったわ」

「ヤツらがいけないのよ。もうお姉ぇが出るのはこの試合だけにさせて、後の残りの試合はあたし達で勝ち抜きましょう」

「そうですね」

「それが良いわ」

「ああ。俺と姉貴の頑張り次第だな」



「クッ!?な、何故当たらないのよ」

「そりゃ、お前の攻撃が温いからだよ」


 私が煽ると相手が益々怒り。


「この喰らいなさい!!」


 相手が肩タックルをして来たが、


「トン」


 私は相手の肩タックルを人差し指一本で停めた。


「なっ!?ば、バカな!?私のタックルを指一本で停めるなんて⋯⋯⋯」


 相手は驚愕の表情を見せる。観客席からも驚きの声が上がってざわついている。


「コレが実力の差だよ!!フンッ!!」


 その人差し指で相手をリング外まで吹き飛ばした。


「じょ、場外!!それまで!!」


 審判が判定を下した。

 観客席から歓声が上がる。


「続いて、相手チームの次鋒出て下さい」


 審判が促したが、


「面倒だ。相手チーム残り全員リングに上がれ!!私1人で相手をしてやるよ。私に勝ったら、お前達の勝ちで良い」

「えっ!?宜しいのですか?」


 審判が困惑しながら私に聴き返す。


「構わん!!」


 私がそう答えると相手チーム4人がリングに上がって来た。


「生意気な」

「後悔させるわ」


 4人が殺気立つ。


「弱い程吠えるな」


「ッ!?」


 4人は更に殺気立った。

 審判が、「始め!!」と号令を掛けた。

 私はクルリと後ろを向き自陣へ戻る。


「えっ!?ちょっと!?試合が始まっていますが!?」


 審判が慌てて私を呼び止める。


「ああ。もう試合は終わりだ。4人共、気絶だ」


 私はそう言って歩き始めた。

 私は、審判の号令と同時に闘気を当てて4人を気絶させた。


「えっ!?あっ!?勝負あり!!チーム勇者ファイブ気絶より、勇者チームの勝利です!!」


 観ている観客席からシーンとなった。あっけない幕切れだったからだ。


 ○●○


 聖の試合を観ていた帝達。


「聖拳帝。貴方は創帝がやったのが出来るか?」


 水帝が聖拳帝(ファルコン)に訊ねた。


「無理だな。相手のタックルに対して、たった指一本で動きを停めるなんて物理的に不可能に近い。それこそ時の魔法を使わないと無理だ。もし、俺がやったら、相手の肩に俺の人差し指が食い込むし、食い込まなくても俺の人差し指の骨が骨折をしてしまうな。俺が相手を停めるとするなら身体全体を使って受け止めるな」

「そうか。やはり創帝はとんでもない事を平然とやっているのか⋯⋯」

「ああ。それにあの体勢でそのまま相手を吹き飛ばしているからな。とんでもない事やり、次の試合でも4人を瞬時に気絶させたのもとんでもない事をやり遂げてみせた、果たして、この一連のとんでもない事を気付いた観客や出場選手達がどれだけ居るか⋯⋯⋯」

「そうね⋯⋯⋯創帝はもう少なくもと予選会の試合には出ないでしょうね。この武道大会に参加したのは、勇者に実践を少しでも積ませる為に参加しているから、もう出しゃばっては来ないでしょうね。本来、創帝のポジションは大将のポジションよ」


 炎帝がそう説明をした。


「まあ、今の試合の相手は、勇者が相手するには精神的に些かキツ過ぎるか。イヤ、俺でも相手をしたくはない」

「ああ。絶対に相手をしたくはない相手だ」

「私も相手をしたくはないわ。その前にああいうやりとりを目の前で見せられて精神的ダメージでまともに闘えるかも怪しいですわ」

「そうだな。アレは精神的に駄目だ」


 雷帝、水帝、光帝の3人は聖が闘ったチームを否定した。


「そうね。もし、私達が当たったらまともに闘えのは、私と」

「俺だけだろうな」

「そうね。あのチームは意図的に相手チームを戦闘不能もしくは戦力ダウンさせ勝ち上がる作戦だったのでしょうね。褒められた作戦ではないけど、反則行為はならないわ。ある意味、用意周到な作戦だったのでしょうね」

「そういう事だな。だが、運悪く、勇者チームに当たって、その結果が、創帝の瞬殺勝ちだ」

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