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2人のマリアとクーデター9

「アトランティスのマリアはその後どうなったの?」


 そう、まだ肝心なところをパパ達は話していない。マリア・アトランティスとマリア・マーカーの事だ。今、マリアは1人だけだ。何事もなければ、マリアは2人居ないと可笑しい。


「そうね。そこのところは私が話すわ」


 ママがそう言って話してくれた。


「しかし、アナタが、アトランティス王の赤ん坊を家に連れて来たのは驚いたわ」


「俺はアトランティス王に頼まれたからな」


「オレもマリアが2人居たのは僅かに憶えているがな?」


「ガイも小さかったからね?家に来たアトランティスのマリアは、私達のマリアと共に順調に育っていったわ。母乳の時間も同じ、夜泣きするのも同じだったわ。まるで双子のようにね?そして、おしめもね」


「そこまで、同じって?双子以上でしょう?」


 俺が言った。舞と更夜は時間帯はもうバラバラだったとがぶり姉ぇが言っていたな。


「そうね。そして、事件が起きたわ。私達のマリアが魔力を暴走をしたのよ」


「は?魔力を暴走だと!?リリカ!ありえないぞ。赤ん坊は魔力はまだ無い筈だ!それが常識だ!」


「そうね。ステラの言う通りよ。私達もそうだと思っていたわ。でも、マリアは突然魔力を暴走したのよ。そして、魔力の暴走によって、体の崩壊で死ぬ筈だったのよ。その時は、私達もどうする事も出来なかったのよ。ただ神様に祈って見守る事しかなかったの。しかし、アトランティスのマリアが、いきなり光りの玉となって、マリアの体の中に入ったのよ。そして、マリアの魔力の暴走が止まったわ。アトランティスのマリアが私達のマリアを助けたのよ」


「じゃあ?今のマリアは、アトランティスのマリアとマリアが一緒になって居る?」


「イヤ、マリアはマリアだ。当時、マリアの体を診たが、異常はなかった。魔力も低下、イヤ、完全に無くなっていた。しかし、アトランティスのマリアの気配もなかった………だから、俺達はアトランティスのマリアはマリアを助ける為に自らを犠牲にしたと」


「では、アトランティスのマリアはマリアの中で死んだ?」


「ああ」


 俺の疑問にパパが答えた。


「いいえ、私達のマリア様は生きていますよ。私達の特殊の道具でマリア様が反応し、ここを去って行ったのが証拠ですよ」


 リクが否定した。


「何!?では、2人の侵入者が急に引き上げて行ったのは?」


「はい、マリア様を確保出来たからですよ。私も個人的にマリア様を確保したかったのですが………」


 リクは俺達を見たが、そんな事よりも今はマリアの方が大事だ。


「なるほどね?リクの言うことを信じると仮定すると。親友であるエリサ達を吹き飛ばしたのはアトランティスのマリアになるな?そして、マリアの真の魔力を今まで抑えていたのもアトランティスのマリアとなる」


「えっ!?真の魔力?聖?マリアの魔力って?」


「ええ、マリアの真の魔力はおそらくは5億以上はあるでしょうね?そして、この私やステラ先生は、マリアが暴走をした時に抑え込む役になっていたんだよ。そうでしょう?パパ、ママ。そして、学園長?」


「やっぱり、知っていたのね?いつから分かったの?」


「ん?マリアを初めて見た時からだよ。とてもない魔力があるな。とね?そして、パパ達には好都合だった。あの時、魔力が高い私をマリアは本気で姉になって欲しいと思ってくれていたからね。そして、養子にして、学園に入れば、マリアを面倒を見てくれるし、あわよくば、ステラ先生と一緒になって、マリアの魔力の暴走を抑え込む事が出来ると。そして、パパ達の言うことが学園長は半信半疑だったから、あえて、特別室の部屋にし、私がマリアと一緒に住むように仕向け、テストと称して1億以上の魔力を放出させた。マリアの助けになるかどうかを」


「あっ!あの時のやりとりがそうだったのですね!」


 ジェーン先生が思い出し、納得していた。


「そうよ。私達はマリアを失いたくなかったのよ。だからこそ、学園長に事情を話し、ステラ、時間魔法という特殊な魔法が使える貴女のクラスにマリアを入れたのよ」


「なるほどな?今のマリアの魔力量ではA組ではなく、本来はD組だ!ま、リリカとは腐れ縁だと思って気にはしなかったがな?そういうカラクリだったのか?」


「聖、ごめんなさい。私達は貴女を騙した形で」


「良いよ。()もマリアの事は好きだからさ、それに感謝はしているよ。俺を養子にしてくれてね。さてと、これから、マリアを救出しないといけないよ」


「そうね。マリアを助けないといけないわ」


「いつ動くんだ?」


「勿論、明日の早朝だよ。早朝が一番油断していて、体の動きも鈍くなっている時間帯さ」


「なるほどな?確かにそうだな」


「では、今から出発しないとな?今のアトランティス領……イヤ、村だな。村までの距離は走って行っても半日以上の道のりだ!」


「パパ、そんな事しないよ。私の転移魔法で行くよ。そして、私達はしっかりと準備運動をして、万全の体勢でマリアを助けるよ!!」


「なるほどね?良いと思うわ」


「行くメンバーは」


 と俺が言うと。


 パパ、ママ、兄さんが、行く宣言をする。そして。


「私も行こうか。私はマリアのストッパーみたいだしな?」


 ステラ先生がそう言った。

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