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試作テーマパーク 3

「聖殿!!この乗り物は素晴らしい。この乗り物を王国中に配置したいぞ」


 陛下は降りた早々に興奮して私にそう言って来た。これは予測はしていたけどね。エリサも同じ事を言っていたからだ。


「アナタ。興奮し過ぎですわ。聖殿が困っていますわよ」


 王妃様が陛下に注意すると、陛下は「ハッ」と我に返り、私に

 謝罪をしていた。


「いいえ。クレアも同じ様に言っていましたので」

「ム?そうか。クレアも私と同じ様にか?」

「はい」

「そうか。考えている事は一緒のようだな」


 流石王家の血筋だ。2人は王国民の移動手段の為にこの機関車に目を付けた。

 ま、私も確信犯的な事をやったからね。


「この話しは後にしましょうか。次のアトラクションへ行きましょう」

「ウム!!」



 陛下は期待を満ちた目で返事をした。次のアトラクションでも国益な事が得られる事が出来るかもと考えているようだった。


「次も乗り物です。こちらです」


 次に案内をしたのは、船に乗って観るアトラクションだ。


「おおっ!!これは船か!?」

「はい。そうです」

「アトラクションの船とはいえ初めて乗るぞ」


 まるで少年のようにはしゃいで乗り込んでいた。

 その光景を見た王妃様は微笑んでいた。王族という立場上、羽目を外してはしゃいだりする事も出来ないから。

 全員が乗り込んでから出航した。

 十分後に戻って来た。


「お疲れ様でした」


 船のアトラクションを終えて降りる。


「水の中には色んな生き物が居るのですね?わたくし初めて見ますわ」


 王妃様がそう言うと、皆が頷いた。船でのアトラクションは、動く水族館だ。王国の人達は海を知らない人が大勢居る。よって、地球のアトラクションを真似ても判らない可能性があるので、海の立体映像(3DCG)魔法を使ったアトラクションを思い付きやってみた結果。

 皆に好評な結果になった。


「ウム。壮大で綺麗だったぞ。今まで見たこともない世界だった」


 陛下も満足だった。


「なぁ聖?実際にあのような生き物達が水の中に生息しているのか?」

「そうね。水の中は見たこともないからね」


「居ますよ。但し、今見せたのは、地球で生息している多種多様な生き物達ですよ。この世界の水中で生きている物は私も見たことはないからね。この世界の水中に生息している生き物達がどの様な姿をしているのか」


 いくら私でも見たことも無い生き物を立体映像魔法で映し出せと言われても不可能だ。


「そうか。そうだよないくら聖でも見たことが無い生き物を再現は無理だよな」

「聖の故郷の生き物だったのね」

「そういう事。休憩場へ行きます」


 皆を休憩をさせる為に、食事が出来る場所に連れて行く。


「ムッ!?これまた変わった食べ物が沢山あるな」

「本当ですね。リリカ?分かりますか?」

「いいえ、私も初めて見ました」


 それもその筈だ。この世界では未公開の食べ物だからだ。

 そのことを食べている皆に説明をした。


「ほー?これらをB級グルメというのか?悪くない味だがな?」

「その名前を聞いた時は味が落ちているのかしら?と思いましたが、食べてみれば美味しく頂けましたわ」

「そうですね。えっ!?B級グルメってなに?と思いましたが、一般人が気軽に食べ物を指しているのね?」

「そうだよ。こういうテーマパークで食べられる物に対してその言葉を使っていこうと思ってね。もちろん、テーマパーク内に高級なレストランも用意する予定よ。お金があれば、一般人も入れるようなね。これも思い出作りの一環よ」

「なるほどな。家族の思い出作りは大事だな。たとえ、ここで食事しても家族の思い出作りには変わりはないな」


 パパが納得し頷く。


「そう言うコト。一度とならず、何度でも来たいと思わせるそんなテーマパークを造りたいのよ。それに、ここで働いてみたいと思わせるもの大切な事なのよ。従業員が居なければテーマパークは回っていかないわ」


 私の想いを伝えた。


「なるほど。テーマパークが成功すれば経済効果も期待が出来るか」

「その通りです。経済が良くなれば、王国も今まで以上に豊かな国になりますし、貧困層の解決にも繋がります」

「そうだな。だからと言って、王国民達全員が裕福に成れるか分からぬがな?」


 陛下は疑問を呈した。テーマパークだけで、王国民達が裕福に成れる事は難しいのはないかと。


「そうですね。しかしながら、農業、畜産業、商業、土木業などの基本的な産業をより発展をさせないと、やはり、王国経済は回っていきませんね。テーマパークは、それらの産業を補う役割りを果たしたいのですよ。まず、プラスの軌道に乗ったらテーマパークを国有化にします。その売り上げの何割かを王国の税金として、その税金を各産業の資本資金源としましょう。そうすれば、よりどの産業経済も回って行きますよ」

「なるほどな。ソレが実現が出来れば、どの産業もより質が良いものが出来るか。聖殿考えたな。ただ遊ぶ為だけではなく、この王国全体をも発展させる思想はおそれいった。そしてテーマパークの国有化も気にいった」


 私の話を聞き陛下は上機嫌になった。それが実現が出来たら王国は豊かになるからだ。


「時に聖殿?それはいつ実現可能なのだ?」

「そうですね。私が成人になり、火の領に適した土地を見つけ、この世の中が戦争が無い平和な時代が訪れた時ですね」

「ムッ!!戦争が無い平和な時代か⋯⋯⋯」

「そんな時代が実現したら良いですが⋯⋯⋯」


 陛下と王妃様が暗い表情を浮かべた。戦争が無い時代が本当に訪れるのか疑問に思っているようだ。無理もない。ついこの間、グランパニ公国と戦争をしたばかりだから。


「何言っているのですか。戦争が無い世界を実現しましょうよ。()()も居ますからね。戦争は何も生みませんよ。ただ全てを破壊するのみですから」

「ウム。聖殿がそう言ってくれるのは大変心強い。戦争が無い世界を実現しよう」


 陛下は力強く言った。私という神が力を貸すと約束をしたからだ。


「はい。私も戦争が無い世界に住みたいですから」


 私はそう答えた。戦争を無くすには、喧嘩を売ってくる国を叩き潰さないといけなくなる。これは、仕方ない事だ。相手はこちらを滅ぼす気で喧嘩を売って来ているのに、王国側が『話し合いで解決をしましょう』と天国めいた事を言った時点で、王国が滅ぶ。王国が滅べば、その住んでいる王国民達の暮らしは悲惨な暮らしを強いられるだろう。だからこそ、平和な世界をする為には今は戦うしかない。なんとまぁ皮肉な話だがね。それしか方法が無いのも現実だ。


 そして、この世界において最大軍事帝国国家、ナチ帝国がファーネリア王国に牙を向く。


 第二部:出会い・再会・絆の章 完。

次話から第三部の章を開始します。


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