試作テーマパーク 1
以前、更夜に言ったテーマパークを空間に創ってみた。私が識っているテーマパークを創造魔法で簡単に再現が出来た。簡単に出来た要因は膨大すぎる魔力量だ。
宮殿の敷地面積と同じ規模の夢の国テーマパークがあっという間に出来たのだった。
早速、いつものメンバーと村の子供達、リョウタ、サトル、メアリーを呼んで、見て貰った。
「マジかよ!?コレを聖が1人で創ったのかよ」
「夢の国を再現しているわ」
「なんかすごいです」
リョウタ、ユカ、リクが周りを見ながらそう言った。
「………改めて聖達が暮らしていた国が羨ましく思う」
「そうね。こんな物を造る余裕があって、コレを見るだけでも本当に平和だったと分かるわ」
エルフ、エリサコンビが羨ましそうに言う。こういう娯楽施設の建設は、戦争を頻繁に起きている世界では思い付いても造る意味が無い。戦争で良い的になるし、そういう物を造る暇があれば兵器などを造った方が余程国防になるからだ。
「綺羅びやかで楽しそう。お姉ちゃんはすごいのを創ったね」
マリアはニコニコしながら私と腕を組んでそう言った。
「あっ!あそこに大きな宮殿があるよ」
「イスレイくんのおウチみたいね」
「皆で行ってみよ」
『うん』
村の子供達とイスレイくんが城に向かって走り出した。
「待ちなさい。慌てなくてもお城は逃げないわ。それに、移動する時は身体を少し斜めにすれば自動的に移動が出来る様になっているわ。止まる時は、垂直にすれば止まるからね」
私は子供達に注意をし、テーマパーク内の移動方法を教えた。広大なテーマパークだ。歩くだけで疲れてしまうので、地面に動く歩道の魔法を掛けている。
『はーい』
「お姉さん、行こうよ」
「ハイハイ」
それでも、子供達は、早くお城に行きたくて仕方ないようだった。
全員でお城に行くことにした。
お城の中に入ると。
「オイ!!聖!!外観は西洋の城なのに、内装は日本式なんだよ!!しかも徳川慶喜の大政奉還が人形で事細かに再現されているし、この城はシン=デ=レラ城じゃなかったのかよ?」
リョウタがツッコミを入れた。イヤ、シン=デ=レラ城を知っている全員が私を白い目で見ていた。
「確かに夢の国をモデルにして造ったよ。しかしね。丸々コピーなんて詰まらないでしょう。西洋風の城でも日本式の内装があってもいけなくはないでしょう?それに畳部屋はこの世界に来て見てはいなかったでしょう?」
「確かにな」
「言われてみれば久しぶりに畳の部屋を見たわね」
「前の家でもあったな」
「そうね。しかも、純和室が」
「昔の家には必ず1部屋はある」
5人が室内を見てそう言った。
「でしょう?この城は日本式や他の国の部屋を再現しているエリアなのよ。勿論、シン=デ=レラ城のアトラクションもあるわ。要するに、この部屋とアトラクションと別れているのよ」
説明をした。この畳部屋だけを見て、シン=デ=レラ城のアトラクションに行き、皆にアトラクションを体験をして貰った。
「アトラクションはシン=デ=レラ城とほぼ同じか」
「最初にあんなものを見せられたから姉貴のオリジナルがあるかもと思ったぜ」
「あたしもそう思ったわ」
「俺もだ」
「そんな事をする訳ないだろう。シン=デ=レラ城のアトラクションは完璧なアトラクションだよ。私がオリジナルを入れたら、シン=デ=レラのイメージが崩れるよ。というよりか、原作は酷い物語だからな。子供達がトラウマになるよ」
「そうだったな⋯⋯⋯」
原作を読んだ事があるサトルも青褪めていた。
「そんなにも酷い物語なの?」
ユカが質問した。
「酷いよ。血が飛び散る物語だから。もうコレはホラーだよ。絶対に子供が読む物語ではないわ」
「そ、そうなの?」
「ああ。読んで後悔した」
「そこまで酷い物語が、今や子供達に人気になっているの!?」
ユカが驚いていた。ユカだけではなく、リョウタ、舞、更夜も同じだった。
「酷いと言っても⋯⋯⋯イヤ、言うのを止めよう」
「それが一番だ。敢えて壊す必要は無いぞ」
「気を取り直して次のアトラクションへ行きましょう」
私は次のアトラクションへ案内をする。
子供達はワイワイとアトラクションを楽しんでくれていた。
休憩は、レストランで休憩し、昼の食事を摂った。
「ねぇ?どうして、私を誘ったの?」
メアリーが質問をした。
「ん?メアリーはアトラクションは楽しくなかった?」
「そんな事はないわよ。ヤジリと一緒で楽しいわ。でも、ここは子供が楽しむ所よね?貴女が私を誘った意図が知りたいのよ」
「意図はあるよ」
「やっぱりね?で?なんなの?」
「サトルは既に分かっていると思うが、テーマパークはただアトラクションに乗って楽しむ所でもないのよ。そのテーマパークのキャラクター達のパレードや大道芸人達の芸や演劇もテーマパークには無くては欠かせない物なのよ。テーマパークは、入場料、アトラクション料金がどうしても掛かるのよ。入場料しか払えない客が居た場合は、大道芸人達の芸やパレードが欠かせなくなるの。テーマパークに入った客が楽しまなきゃテーマパークとは言えないわ」
「だから、私を誘ったというの?」
「そう、メアリーが、将来、ずっと大道芸人をやって行きたいならね。はっきり言うわ。私の火の領で本格的に造るテーマパークで働いてみない?そうすれば、ちゃんとした棲家や安定した給料が貰えるわよ。引退しても、テーマパークのキャストや後任の大道芸人の育成も出来るわ」
私が行っているのはスカウトの青田刈りだ。
将来、サトルとメアリーは旅の大道芸人として行き詰まるのが目に見えている。ならば、単独でも出来るテーマパークで大道芸を何公演か披露して貰った方が良い。
「⋯⋯⋯突然そんな事を言われても⋯パパ達がなんて言うか⋯⋯」
メアリーは困惑気味だった。
「団長達は反対はしないだろうな。ちゃんとした住む家があり、団長達や子供達の世話ができて、収入も安定して入るしな。俺達が最後まで働ける環境を姉貴は、示してくれた。それに、将来は、ユカ、舞だって居るんだ。どうしても俺達の家は必要不可欠だ」
「そうね。自分達が住む家があるだけで生活環境も変わってくるわ。それに、安定した収入も大事だし、私もサトルと一緒になって何処で働くのか分からないわ。もしかすると、リリカさんのギルドで受付嬢をやっているかもしれないわね」
「あたしも、しばらくはリリカさんの所のギルド員としてやっているわ。けど、お兄ぃ達と住める家があった方が安心出来てギルド員をやっていけるわ」
「そうね」
ユカと舞はそういって笑っていた。
「王都と火の領じゃ、あまり帰って来られないのでは?」
メアリーはもし、そうなった場合のユカと舞を心配をしていた。
「大丈夫よ。あたしは転移魔法を覚えられるから、ユカ姉ぇと一緒に帰って来られるわ」
舞は自信満満で答えた。
空間を司る母さんがサポートをするから転移魔法の失敗はないし、覚えられない事も絶対にあり得ない。舞が転移魔法を覚えば王都と火の領の往復は容易いだろう。
メアリーは、私の申し出を受け入れた。ユカ達との話し合いで、自分達の将来の事を考えさせられたようだ。
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