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二度ある事は⋯⋯⋯ 6

「さて教皇!!」

「はい⋯⋯⋯」

「陛下もこの一件を把握済みだ!教皇以下教団幹部達に厳しいペナルティが科せられると思え!!」

「はい。どのような沙汰でも受け入れる覚悟が出来ております⋯⋯⋯」

「そして、今回の一件で王国での教団の地位はますます下がって行く。もし教皇お前が首謀者だった場合は私が潰しても良いと陛下から許可を得ていた」

『ッ!?』


 教皇以下全員が驚いた表情を見せていた。


「当然だろう?教団の不祥事は今回で3回目だ!!しかもこの短期間の内でだぞ!!組織としてあり得ない行為だ!!陛下がこの教団の解散を発動しても言い訳が出来ないくらいの失態を立て続けにし続けているのだからな!だが、今回と前回の件はまだ世の中には知られてはいないが、今回の一件は世の中に公表されるだろう」

「えっ!?前回は先代教皇が心不全で亡くなって、旧幹部達が全員突然クビになったとしか聴かされていませんが?」


 1人の部下がそう言うと他の部下達も頷いていた。


「黙りなさい!!先代教皇と旧幹部は教団にとっては禁忌です!!言ってはなりません!!」


 教皇が大声を上げる。


「えっ?き、禁忌!?」

「そんな扱いなのですか?」


 部下達に動揺が走る。教皇から禁忌という言葉が出てくるとは思ってはいなかっただろう。


「それはそうですね。先代の教皇は魔族の血が入っていた人物で、その部下達にも人体改造をして、この国の征服を目論んでいた為に私達が退治をしました。そして、旧幹部達は魔族の教皇を任命した責任で国王に謹慎命令を受けたにも拘らず、その命令を無視し、魔族教皇を調べに来た聖さん達調査員達を事もあろうか逆恨み、聖さん達を拉致監禁をして殺害をしようとしました。その時点で、国王の命令で教団が解散・解体をしても可笑しくはなかったのです!!今の教団が存在しているのは国王と聖さんの慈悲で辛うじて生き延びていたのです!!それを潰したのは今回の出来事です。この教団が今後どういう道を辿るか?あなた達も分かるでしょう?」


 ミカ姉ぇの説明で部下達の表情が絶望へと変わった。教皇が禁忌と言った意味が解ったからだ。


「そういう事です。ですから、わたくしはあなた達に厳重に言い聞かせました。が、国王陛下も今回の件でお怒りのご様子です。教団の解散の命が下るかもしれません」

「ううっ⋯⋯⋯⋯」

「⋯⋯⋯⋯」


 部下達は泣いていた。


「では、私達は帰る!!教皇!!残念だったな?努力が水の泡となってしまって、それは同情する」

「はい⋯⋯⋯危機管理意識が不十分でした⋯⋯⋯」


 私達は宮殿へ転移し陛下達の部屋に行く。

 陛下も部屋に戻っていたので、別室で冢宰を呼んで私達の話を聴いていた。


「どうであった」

「はい。首謀者は枢機卿でした。首謀者を含め下手人達をボックスに捕らえてありますよ」

「そうか。では、親衛隊に下手人達を引き渡してくれ」


 陛下がそう言うと、親衛隊が入って来た。親衛隊は何時も陛下に付いているから、直ぐ引き渡しが出来る。

 ボックスから元枢機卿と兵士達を出すと、あまりのカオスな状況に親衛隊達が引いていた。(モザイクが掛かっています)


「一体コレはどういう状況なのですか?」(モザイクが掛かっています)


 困惑気味に隊長がカオスな物体を見ながらそう訪ねた。(モザイクが掛かっています)


「元枢機卿が神聖王と語り合っていたという気持ち悪い大妄想を言い出しましてね?なので、元枢機卿は男性好きと思いまして、この狭いボックスの中で漢同士で十分に語り合うのが良いなと」(モザイクが掛かっています)

「で?それがこの結果だと?」(モザイクが掛かっています)

「そうですね?気持ち悪いくらいに十分に語り合っている様ですね?」(モザイクが掛かっています)

「あの?他者にはとてもお見せが出来るようなモノではなくなっておりますが?」(モザイクが掛かっています)


 困惑をしている親衛隊達は汚物を見る目で、カオスな事態の元枢機卿達を見ている。(モザイクが掛かっています)


「良いから、さっさと引っ立て!!これ以上、こんなモノを陛下にお見せさせるな!!」(モザイクが掛かっています)

『は、ははっ!!』(モザイクが掛かっています)


 隊長の命令で、元枢機卿達(モザイクが掛かっています)は連れて行かれた。


「酷い有様でしたよ」

「ウム、女性と子供にはけして見せられない光景だったな」


 冢宰と陛下の顔色が悪い。


「はい⋯⋯⋯では、本題に移りますが、首謀者は枢機卿ですね?で、教皇は?」

「何も知りませんでしたが、私は知りません。私は無罪です。で、逃れないでしょう。教団のトップですし、もう不祥事は、今回で3回目です。組織としてあり得ないでしょう」

「そうですね。不祥事が多過ぎますね。で?教皇は反省をしていましたか?」

「ええ。していましたよ。クビになる覚悟や教団が解散になる事も覚悟をしていますよ」

「そうですか⋯⋯⋯陛下は、この一件どう思われますか?」

「ウム、結論から言えば教団の解散が妥当だろう。立て続けに不祥事を起こす教団は迷惑千万。それに神聖王様もお許しにはならない」

「でしょうな?」


 チラッと陛下と冢宰が、私とミカ姉ぇを見た。


「そうですね。こんな腐った教団は解散・解体をした方が良いですよ。父に祈りを捧げるのは、なにが何でも教会で祈らなくても、この場所でも良いのですから」

「ええ、聖さんの言う通りですよ。私も教団は解散させた方がこの国の為です。全て替えても全く意味がありませんでしたので。しかし、信者達の為に教会の機能や神父、シスターは残した方が良いでしょう」


 私達はそう答えた。


「ウム、分かりました。教団解散後は、教会の統治は王家で行います」

「それが良いでしょう。始めは混乱をすると思いますが、仕方ないでしょう。全ての責任は教団にありますので」

「ウム」

「分かりました。来年以降に教団を解散をさせるように教団に命令を出します。急の解散ではいくらなんでも色々と拙いでしょう」

「ウム、そうだな。こちらにも準備があるしな。一応議会にも掛けて、教団の解散をさせる法案を通す」

「畏まりました」

「教団幹部達は、その間、粛々と教会運営を行うように通達をせよ。余計な事をすれば即刻解散させると伝えておけ」

「はっ!」


 その日の内に教団幹部達に教団解散をさせるという通達を行った。

 翌日には、元枢機卿が兵士達を使って強制に入信者達を集めていた事が事件として公になった。

 教団幹部達は、陛下の命令に従い解散の日まで粛々と教会運営を行うのだった。

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