二度ある事は⋯⋯⋯ 1
ラーメンを食べて終わり。
「いやー美味かったぞ。こんなにも美味い麺類を食べたのは初めてだ」
「本当ですわね。パスタ料理とはまた違った想像絶する食べ物でした。とても美味しかったですわ」
陛下と王妃様が褒め讃えた。
「ありがとうございます」
「でも、こんなにも早く出来たの?やはり、ガブリエル様が?」
「そうだよ。がぶり姉ぇが教えてくれたお陰でラーメンが早く出来たわ。これを応用して、焼きそばや餡掛け焼きそばも出来るようになったわ」
「ああそうね。麺が出来ればそれらの料理も出来るわね?」
ユカがそう言うと、舞達も頷いた。
「料理のメニューがまた増えたのね?」
ママが聞いた。
「となると、俺も新たに覚えないとな」
パパは嬉しそうに言う。
「そうだね。でも、これはまだ試作食だから、もう少し改良をしても良いかなと」
「えっ!?これ以上に美味しくなるの?」
クレアが驚いている。
「ええ、水を変えたり、麺を変えたりしても、食感や味もガラリと変わるからね。前も言ったようにスープも色んなバリエーションがあるからさ」
「そうね。スープだけでもこの醤油の他にも、塩、味噌、トンコツ、魚介などがあって、それらを組み合わせたスープもあるわね。色んなバリエーションのラーメンがあるからね」
「そうだな。しかも、ご当地ラーメンもあるしな」
「ご、ご当地ラーメン?」
「な、なにそれは!?」
聴き慣れない言葉に陛下達やパパ達、ミカ姉ぇ達が驚ていた。
「その地域にしか食べれなかったラーメンですよ、今は、流通・配達が発達しているので、注文すれば家でそのラーメンが食べられますよ」
私が説明をした。
「なるほど。この王国では難しいな?」
「そうですね。そんな事をすると、その物を盗む輩が絶対に出ますので、配達という業務は今のままでは商売にはならないですね」
「ウム」
配達事業を行うのに辺り法律を改正しないといけない。
「配達業が成立しないなんて⋯⋯⋯」
今度はユカ、舞、更夜が驚いていた。
「仕方ないでしょう?そういう物を輸送するのは、商売人達の仕事で、一般人達がそんな仕事をするのは初めから頭にはないのよ。それに送る物を他人に預ける風習はないのよ」
「その通りだ。今の王国にはそういう管理が無いからな。聖殿達が言う、配達というものがしっかりと整っていれば、王国も今よりも発展はしていたかもしれぬが⋯⋯⋯」
「そうですね。この王国は性善説という概念がありませんからね。配達業は、その性善説を基づいて成り立っている職業なのですよ」
「その性善説とは?」
陛下が質問をしたので説明をした。
「なるほどな。その性善説で従業員達が犯罪を起こす訳が無いという概念を基づいたから流通や配達が成り立ったという事だな?」
「そうです。勿論、犯罪を犯した者には即解雇とそれ相当な罰が与えられますがね」
「そうだろうな」
「ねえ?ママ?そういうのを、ギルドで出来ないかな?」
「えっ?ギルドで?」
「うん、ギルド員達もクエストで地方に行く場合もあるでしょう?物資は無理でも、手紙ならさギルド員達に『ギルドの依頼』として出来るんじゃないかな?」
そうマリアが提案してきた。
「なるほどね?ギルドの依頼として、ギルド員達に手紙を配達をさせるのね?王都内なら最低ランクのギルド員でも出来るし、良いかもね?地方は行く用事があるギルド員達に持たせるのも手ね?でも、この話しはまた今度よ」
「そうだね」
この話しは早々と纏まる話しではない。実現するまでに時間が掛かる提案だ。そして、イスレイくんが。
「お父様?ボク、お姉さんと遊びたい!」
と、言い出した。どうやら大人の会話が飽きたようだ。イスレイくんは、私にキラキラと期待の目線を送っている。
「陛下?御公務は?」
「ウム、イスレイはもうない」
陛下がそう言いと、イスレイくんははしゃいでいた。
「分かりました。じゃ、イスレイくん、遊びに行きましょうか」
「うん!」
大喜びのイスレイくん。
「何処へ行くの?」
クレアが聞いてきた。
「アトランティスの村だよ。今日は定期の訪問日だからね。イスレイくんも来れば、村の子供達も喜ぶでしょう」
「ああなるほどね?ちょうど良いのね?」
「そう言う事。着替えて来るからね」
そう言って、私は空間に入り、着物に着替え空間から出て来た。
「では、行きましょうか」
「うん!」
元気良く返事をし手を繋いだ。
「4時頃には帰りますので」
そう言って、アトランティスの村へと転移した。
「では、わたくし達は宮殿に戻って、皆でお菓子作りをしましょうか?勿論、あなた達も御一緒に」
と、王妃は、仕事がある大人達と、ガイ、リョウタを除いた全員を誘った。
「ム?妾達もか?」
誘われた、ヒルドとルエルが困惑顔だ。
「はい、たまにはやってみるもの良いですわよ?」
「フム⋯⋯⋯」
「ヒルド、やってみて下さい。お菓子作りも楽しいですから」
「ルエルさんもよ」
「分った」
「分かりました」
あるじ達に言われれば否定は出来なかった。国王達はマリア達を伴って宮殿へと帰って行った。
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