2人のマリアとクーデター5
俺はパパと兄さんを事情を言って学園長室に連れてきた。店は勿論臨時休業にしてだ。
「何処の何奴だぁぁぁぁ!!俺の妹を攫った大バカヤローはよぉぉぉぉぉ!!」
着いた早々に叫んだ。
「マリアを攫ったのはアトランティスの連中じゃよ」
「が、学園長!?ご無沙汰しております」
兄さんは学園長に挨拶をした。
「ウム、もう、悪さはしておらぬようじゃな?」
「は、はい!あの頃はすみませんでした!!」
コメツキバッタみたいにぺこぺこと頭を下げていた。やはり、不良をしていたのか。それはともかく。
「さて、しっかりと話して貰おうか!この前、元マリアの部屋を荒らしたのは貴女達だな?」
「そうよ。私達よ。部屋を割り出したから、マリア様をお迎えにあがったのだけどね。居なかったから捜したのよ」
オイオイ、部屋を荒らしたのは証拠隠滅ではなく、ただのマリア捜しかよ?
「バカヤロー!!マリアがクローゼットの中に居るか!!何を考えて居るんだ!!」
兄さんが怒鳴った。
「うるさいな、おっさん!」
「お、おっさんだとう!このヤローが!」
「私はヤローではない!女だ!それに私の名前はリクだ!」
「へぇー?リクか?外見もそうだけど、男ぽい名前だ」
クスクスと笑う。
「私の名前は父上が付けてくれたんだよ!コンチクショー!!」
「アラアラ、気に入っていないのね?」
「そうだよ。私は女だよ。いくら男が欲しかったと言っても、女の私にリクの名前はないよ!!」
「まだマシね。とある人なんか、自分の娘の名前をリュウノスケと付けたよ」
そう言うと、全員が驚きの表情を見せた。
「リュ、リュウノスケ…………うん、ま、まだ、私の名前の方がマシかな?」
少し納得していた。
「凄い強烈な名前だな」
「どういう神経をしているの?自分の産まれた娘にリュウノスケなんて付けるなんて?」
「いくら私でも娘にそんな名前は付けないな」
「年寄りのワシでも、そんな名前は女の子に付ける名前ではないのう」
「良かったですね?まだリクで」
上から、兄さん、ママ、ステラ先生、学園長、ジェーン先生だ。ま、ジェーン先生は悪気はないと思うが。
「ううっ、敵からも同情されているよ……」
「話が逸れたが、リク!マリアを攫ってどうするつもり?」
「アトランティスの女王様になって貰うに決まっているわ。そして、16年前の続きをするんだ!コレは私達、アトランティス人の復讐だ!!」
「16年前の続き?復讐?」
「な、なんじゃとう!?アトランティス人はあの殺戮をまた引き起こすつもりか!?ならぬ!絶対に止めねばならぬぞ!!」
学園長は、相当動揺している。ママ達も緊張が走る。コレは余程の事が起きたんだな。
「何言っているの。殺戮したのは王国の方でしょう!私達、同胞達を無惨に沢山殺したクセに」
「それは違うぞ!逆じゃよ。何も罪もない人々を無惨に殺したのはアトランティス人達の方じゃよ。王国はそれに対抗したまでじゃ!」
「嘘だ!私は信じない!父上達が王国が私達を今の辺境の地に追いやったと言っていた!」
「当たり前だ。あんな事をやった部族だぞ!追いやられても当然だ!!」
パパも相当怒っている。しかし、リクは。
「私は騙されない!私達に正義があるんだ!!そして、王国が悪だ!!」
「なら聞くがリク?マリアは貴女達にお迎えに来て欲しいといつ頼んだ?マリアはついさっきまで、私達と一緒にお茶を飲みながら楽しく談笑をしていたのだぞ?それをお前達は自分都合でマリアを勝手に攫った。そして、この大騒ぎだ!一体これにどこが正義があるんだ?お前達がやったのは立派な犯罪だぞ!!」
俺は怒りを顕わにする。
「ぐっ………うるさい!私達はマリア様が必要なんだ!!」
「そのマリアをお前達はいつ知ったんだ!!今、お前達が住んでいる所からこの王都まではかなり遠いぞ!」
パパが言うならかなりの距離があるのだろう。
「マリア様を知ったのはつい最近さ、私がまたまた王都の近くの森の歩いていたら、叫び声が聞こえて行って見たら、既にマリア様は変な服を着た人に助けられた後だったわ。そして、家に帰ってから、飾られる絵の人とそっくりだったから、父上に聞いたら、コレはアトランティス王家の子のマリア様に違いないと」
「あっ!あの時に僅かに人の気配を感じたのは貴女だったのか?」
「えっ!?変な服を着ていたのは、お姉さまだったの?」
これは妙な巡り合わせだな?
「聖がお姉さまって?一体?」
エリサが初めて口を開いた。
「知らんよ!コイツが勝手にそう言っている事だ」
「だって、敵で死にかけた私の命を救ってくれましたから、感謝の意味を込めて」
「それで、聖の事をお姉さまとね?そして、変な服というのは?」
「ああ、コレだよ」
ボックスの中からジャージを取り出した。捨てずに取ってある。幼女神に投げつけるために。
「確かに変な服だわ」
「だろうね?この世界にない服だよ。でも、強制的に着ていたからな。当時はどうする事も出来なかったよ。これで、あっさりとマリアに正体がバレたよ」
「確かにそうだったわね?」
「さっさとバレたな?」
ママと兄さんが頷きながら言った。
「まあ、確かにこんな服を着ていたら、何も言い訳が出来ないわね?」
エリサも納得していた。
「でしょう?で、16年前の事とマリアの事、教えて?パパ達は知っているのでしょう?」
「ええ、そうね。もう知っておいた方が良いわね?そして、マリアがアトランティス王家の子供ではなく、正真正銘の私達の子供だとね」
「ああ、16年前、何が真実で、何があの時起きたのか語ろうか」
次回から過去の話になります。




