怒る学園長 1
更夜の部屋を探せという下らないイベントが終わったある日のホームルームだった。
「はぁ?学園全員で無人島でサバイバルをするって!?」
先生の内容に私は素頓狂な声を上げた。
「ああ⋯⋯⋯今朝、突然、学園長が言い出してな。初等部から高等部の児童・生徒全員、二週間、学園が所有する無人島でサバイバル暮らしをしろとな。いきなりそう言うものだから、教師全員が困惑しているんだ。でもな、ホームルームの時間が近いから切り上げて来たのだが⋯⋯⋯」
と、先生の歯切れが悪かった。
「一体何を考えているんだ?貴族達も当然行くの?」
「ああ、貴族達S組も参加だとな。突然学園長がそう言うなんて今まで無かったが⋯⋯⋯」
「でも、決定では無いですよね?」
エリサが質問した。
「イヤ、来週には全員が無人島サバイバル暮らしをすると言っていた。コレは学園長命令だとな」
『ら、来週!?』
『そんな無茶苦茶な!?』
『来週から無人島サバイバルは私には無理よ!!』
『というより、無人島でサバイバル暮らしはここに居る全員がやった事が無い筈だ!!そもそも無人島って何?というか島って何?』
『そうよね?島って何なの?先生ー知っていますか?』
この広大の大陸で中央に位置する王国に住んでいる生徒全員(聖、ユカを除く)は島を知らない。
「島というのはな⋯⋯⋯」
先生が説明するが、海も生徒達は知らなかった。その結果、先生は海も説明をする羽目となった。
その説明を受けクラスメートは、
『そんな所で全員で二週間?』
『この学園の人数はどのくらいいるのよ。学園祭の時に第一校庭に集まったのが全学部の一般クラスでしょう?更にS組も加わるのだから、もうとんでもない人数になるわよ』
『そうだな。この学園にとんでもない人数の人間が居るよな?』
『その大人数で、無人島サバイバル暮らしは出来るの?大人数ならもう村と同じだし、それはサバイバルとは言えないわ』
『だよな?このクラスの人数ならまだしも大人数で無人島に行く意味が無くないか?』
と、クラスメートは話していた。
「そうでもないよ」
私はそう言って否定した。
『え?』
『委員長なんでなの?』
クラスメートは疑問に思っていた。
「うん、無人島には、おそらく建物が無いと思うわ。たとえ、大人数で無人島に行ったとしても建物が無ければどうするか?」
『あっ!?』
「それに建物が無いという事は寝る場所も無いし、その無人島に食料や飲み物となる物があるか分からない。更にトイレ問題もある」
『あっ!?』
『ゔっ!?』
『嫌だー!!』
クラスメートが悲鳴を上げた。
「だから、大人数だろうと、少人数だろうと、無人島に行ったら、身分関係なく誰もがサバイバル暮らしとなるのよ」
そう言った。私が言った事でクラスメートの表情が暗くなった。
「しかしね。今回の学園長の案は反対だよ」
『おおっ!!!!』
私が反対を表明するとクラスメートは歓喜に湧いた。
「聖も反対か。私も反対だ」
『おおっ!!!!!!!』
先生も反対を表明すると、更に歓喜が湧き上がった。
「そもそも、今回の企画は児童・生徒の安全を考慮をしてはいないだろうし、もし、二週間の間に誰かが死んだら、企画をした学園長の責任になる事を学園長自身が考えているのか?」
「そうだよな。はぁー」
先生も同じ考えで、ため息を吐いた。
「という事で私は学園長の所へ止める様に説得しに行きますよ」
「判った。行って来い」
コンコンコン。
「開いておるよ」
「失礼しますよ」
「なんじゃ?聖か?無人島の件か?」
「そうですよ。火の貴族の当主として学園長に聴きたい。何故急にそんな考えになった?今学園中パニック状態だぞ」
学園長室へ行く途中、何処の教室も無人島の件で紛糾していた。
初等部の一年の教室では泣いている子も居た。
「それはじゃな、最近、児童・生徒達が弛んでおるからじゃよ。弛みを直す為にも無人島でサバイバル体験をした方が良いと考えたのじゃよ」
「学園長!!嘘は良くない!!それは一部の生徒だろう。主に中等部S組の女生徒共だろう!!」
「そうじゃ」
あっさりと認めた。
「ソイツらの為に学園中を巻き込むなよ!!確かに更夜を巡って騒ぎを起こしたが、だからと言って、学園全体を巻き込むのは的外れだ。初等部の一年の児童達が泣いていたぞ!!無人島サバイバルをして誰かが死んだら学園長!貴方の責任だぞ!!判っているのか!!」
糾弾するが。
「分かっておる。じゃから、教師達全員も行かせるんじゃ」
学園長はあくまでも学園全員にサバイバルをやらせるつもりでいるようだ。
「教師全員で生徒・児童が守れると?そもそも、この突然の無人島サバイバルは学園中が猛反対する案だぞ。当然、私も反対だし、エリサも反対する。学園長、考えを改めてくれ!!」
そう訴えかける。
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