2人のマリアとクーデター4
「み、皆さん!少女の顔が老婆のように!!」
ジェーン先生の声で、捕らえている女を見ると。
「なっ!?」
あまりにの酷さに絶句をする。
「が、学園長?あれは………?」
「おそらく、闘気術の使い過ぎじゃ。闘気術は強力じゃが、その代償に己自身の命を削り燃やして使うと言われておったな?」
「そ、それでは?この少女は?」
「ウム、おそらくは、もう手遅れじゃ。ほっとおいても死ぬが、せめてもの情けじゃ、介錯をした方が良いじゃろう………」
「そ、そんな…………」
俺が近付いて。
「聖?まさか!?」
ママが言うが、俺がそんな事はしない。
「キミ?このまま死にたいかい?」
と聞くと、首を横に振った。
「生きたいなら、私達の言う事を聞くように」
そう言うと、縦に振った。
「分かった!約束だ!」
間合いを取り、俺の手に光りの玉を創り、女に投げつけると、【ドカーン】と、音を立てて煙りが上がる。
「ひ、聖!貴女助けるのじゃあなかったの!?」
「まさか、お前が無慈悲に攻撃をするなんてな!見損なったぞ!!」
ママとステラ先生が、俺に詰め寄り非難する。
ジェーン先生が、
「見て下さい!少女の顔が元に戻っていますよ!」
「えっ!?」
「なに!?」
「なんと!?」
「誰が、殺すと言ったんだ!それに最後まで結果を見ずに!!」
ママ達に抗議をする。
「す、すまない………」
「ごめんなさい………」
2人は、素直に謝る。
「しかしのう?聖や?あの者をどうやって助けたのじゃ?回復魔法を施しても、もう間に合わないまでの状態じゃったぞ?」
「ああ、あの光り玉は回復魔法と私の魂をホンの少しばかりを混ぜ合わせたモノだよ。死にかけなら、魂を少しばかりやった方が良いでしょう?」
「イヤ、普通は出来ぬよ」
「でしょうね?私のオリジナルですからね」
俺は胸を張って威張るが、やっている場合ではない。女に情報を聞き出さないと。
「さて、約束だ!素直に喋って貰う。ウソと判った場合は、直ぐに私の魂を抜く!そして、そのまま、死んでくれ!分かったな!」
俺は女を脅すと、女はコクコクと縦に振った。
女の轡だけを外す。拘束は外さない。
「ぷっはーっ!ありがとうございます。お姉さま。貴女は私の命の恩人です!!」
目をキラキラさせて言った。
オイオイ………侵入した時と口調が全く違っているぞ?しかも、お姉さまって?
「聖?ちょっと。貴女、何かやったの?私達と戦った時と口調が全く違うじゃないの?」
ママも口調の変わりように困惑している。
「私も分からないよ。でも、貴女が知っている情報を全て吐け!」
「は、はい。私達がこの学園を襲ったのはマリア様をお迎えに来たのですよ。そして、アトランティス王家を復活させる為に」
「えっ!?」
「は?」
「なっ!?」
「まさか?」
「違う!マリアは、けっして貴女達の王ではない!!マリアは私達の娘よ!!」
ママが激しく否定する。
「とりあえず、私が戻るよ。マリア達を連れてくるよ」
「無駄ですよ。おそらく、マリア様はいませんよ」
「黙れ!!聖!お願い」
「分かった」シュン
転移魔法でエリサの部屋に直行したが、そこにはエリサとバーストさんだけが倒れ込んでいただけで、マリアの姿が居なかった。
「エリサ!エリサ!起きて!!」
俺はエリサを起こす。
「あっ………ヒジリ………?はっ!?聖!マリアがマリアが!」
「落ち着いて、マリアがどうした?」
「ごめんなさい………マリアが…………」
エリサは泣いてしまった。
「マ、マリア様は『呼んでいる』と言って、どこかに行こうとするので、止めに入った我々を吹き飛ばしました。そして、マリア様は転移魔法を使用したかと思われます。私もそこで気を失いました………」
バーストさんがそう言った。
「くっ!?分かった!エリサ達も学園長室に」
「ええ」
2人と一緒に学園長室に戻った。
「聖!マリアは?」
「リリカさんごめんなさい」
「リリカ様、申し訳ごさいません」
「ママ、ごめんなさい。私もマリアの側にいたら、少なくともこんな事にならなかったよ。マリアの姉失格だ」
俺達、3人はママに謝った。
「いいえ、これらは結果論よ。あの時は皆がベストでやっていたのでしょう?聖、旦那とガイを呼んで来てくれる?もうこれは家族の問題だからね」
「分かった」シュン
俺はパパと兄さんを迎えに行く。しかし、マリアがマリア様か?
アトランティスとマリアはどういう関係があるんだ?
ブックマークや下にある★★★★★の評価やいいねの応援をお願いします。
していただければ作者は泣いて喜びます。




