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後始末 3

体調不良につきしばらくの間は不定期更新にさせていただきます。

 話は空間内に戻る。


 私達の体力、魔力が回復し調査員に話す。


「えっ!?アルカード様が空想生物とされてきたヴァンパイアの真祖!?」


 調査員は、アルクェイドの正体に驚いていた。


「そうよ。吸血鬼よ。しかしね、真祖だけあってアルクェイド自身は人間の血を必要としないのよ」


「そう…………なの…………です………か…………?」


 調査員はおそるおそるアルクェイドに訊ねた。


「ええ、彼女が言っている事は真実よ。私は生まれてから一度も人間の血を飲んだ事はないわ。これからも、飲む必要がないわね。私は普通に食事で栄養が摂れるし、飲み食いしなくても最低でも数百年は生きていけるわ」


「す、数百年ですか…………?アルカード様は一体何歳なのですか?」


「さあ?私が生まれたのが何年前というのは解らないわよ。同族を滅ぼしてから、この世界にやって来たのだから」


「アルクェイドの寿命は永遠だよ。滅び以外の死はないわよ」


「で、では?ヒルド様や天使様達と同じ?」


「そういう事よ。で、それを踏まえて、貴女にはイザイヤ王達の前で演技をしてもらいたいのよ」


「え?演技でございますか?」


「そう、アルクェイドは貴女の前でその本性を顕してしまったわ。私達の話を聴いて貴女自身がアルクェイドの事をどう思っているかは解らないけどね。イザイヤ王以下、他の貴族達がアルクェイドの正体を知ったら、どういう反応や行動を仕出すのかを知りたいのよ。と言うことで貴女はイザイヤ王達の前でアルクェイドの正体を話してくれないかな?」


 と、私は調査員に依頼をした。


「しかし、アルカード様は、私達人間を襲わないのですよね?ならば、私が言っても…………」


「でも、貴女は、私達の説明を聞く前にアルクェイドの姿を見て怯えたわ。いいえ、怯えるなということ事態が難しいが、同じ人間と違った知的生命体を見れば本能的に怯えるようになってしまうわ。というと、次の行動は自身は命を守る為に、その知的生命体に攻撃を加えるか、ここから少しでも遠くにと逃げるわよね?」


「はい。その通りです。だから、私にアルカード様の事をイザイヤ王様達の御前で話せですか?」


「そうよ。アルクェイドも私達に関わった事でイザイヤ王以下貴族達に自分の正体を隠し通せるのが段々と難しくなって来ているでしょう?」


「そうね。邪神ような敵が私の目の前に現れたら、人間の姿では倒すのが難しいわね。私は魔力と妖気を持っているからね。先の闘いの前に邪神の邪気をあてられたせいで、私の意思とは関係なく、目が変化してしまったものね。人間は目は変化しないのでしょう?」


 それを聴いた調査員が『あっ』と声を上げた。


「そうね。しないわ」


「でしょう?ちょっとした変化でも疑う人間は疑うからさ、それに、貴族世界なんて、私を蹴落として没落させたい貴族共も居るしね。こういう貴族共は重箱の隅を穴が空くまでつつくわ」


「そうね」


「では、アルカード様は、イザイヤ王様達に貴女様の正体を明かして、イザイヤ王様達がアルカード様を追放したら今後はどうするおつもりなのですか?」


 調査員は心配な表情でアルクェイドに聴いた。調査員もアルクェイドを受け入れていた。


「もちろん、彼女を頼ってファーネリアに移住するわよ。彼女達を見ても判るように私が人外、ヴァンパイアと解っていても普通に接してくれているわ。もちろん、『彼女達が私と同等な力を持っているから、仮に私が襲ってもどうにか出来るから、平然と受け入れるのだろう?』と思う輩連中が居るかも知れないけどね。でも、もしも彼女達が私と同等の力が無くても受け入れてくれるわよ」


「そうだね。私の所はアルクェイドを受け入れるわよ」


「分かりました。では、私はその汚れ役を引き受けますが、アルカード様?その時に私を恨まないで下さいね?あくまで、芝居なのですから」


「分かっているわよ。私も正体を明かした時の王達の反応を見たいわよ。しかしね、彼女達が居なかったら、貴女に正体がばれた時点でこの世界から飛び出して違う世界に旅立っているわ。ややこしいのは嫌だし、人間達と無闇に殺し合いもしたくはないこそ、私が去った方が手っ取り早いでしょう」


 と、アルクェイドはそう言った。アルクェイドにとっては、この世界にたまたま来ただけで、他の世界に旅立っても問題は無いが、この世界に留まる理由は、私という人物に出会って、興味が湧いたのだろう。


「分かりました。聖様もフォローをお願いします」


「分かっているわよ。言い出した私が知らぬ存ぜぬでは、話が成立しないわよ」


 ○●○

 〜イザイヤ・謁見の間〜



「ええ、真実よ。アルクェイド・アルカードは、人外ですよ」


 と、私は、はっきりとイザイヤ王以下貴族達にそう言った。イザイヤ王達は私の言葉に衝撃を受けていた。


「人外?アルカードが?」

「まさか?このイザイヤの貴族階級に人外が居たなんて………」

「穢らわしい!!」

「そ、そうだ!!」

「穢らわしい!!」

「王よ!!この人外を我がイザイヤの貴族階級の地位から剥奪をしこのイザイヤから追放よ」

「イヤ、処刑をした方が世の中の為だ!!王よ!!この穢らわしき人外に死を!!」


 と、次々と貴族達から罵声が飛ぶ。


「やかましいわ!!!!」


 私がそんな貴族達を一喝した。

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