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後始末 2

体調不良につきしばらくの間は不定期更新にさせていただきます。

「さあ、どうする?モタモタしていると生き残ったスライム共がこの遺跡から這い出て来るかもしれないぞ?」


 私が遺跡の入り口を指さしてそう言うと、責任者は、


「うっ!?ううっ…………」


 と、言葉に詰まり唸るだけだった。責任者からしてみれば、この遺跡を観光資源にして、儲けが出れば、この国が潤って、自分達にもなにかしらの恩賞が得られると描いていたのだろう。しかし、遺跡に最弱だが厄介者で倒しても使い道がないスライムがウヨウヨと居る。そんな厄介者が居る遺跡に観光客やギルド員達が来る訳がないし、この遺跡は最早無用な長物化となっている。


「貴様では埒が明かないな。この国や周辺国の為にこの遺跡の入り口を完全封印する!!もう異論は許さない!!」


 そう言って、遺跡の入り口を含め1階部分を石を用いて隙間なく封じ結界をし地中に埋めた。そうしないと、スライム共が液体化をして隙間から入り口へと這い出て来る。


「封印完了!!もう全員がここに居ても仕方ないぞ」


 との私の指摘に兵士達が『はっ』と息を呑む。


「だから、あんたらもさっさと撤退しなさい。私達はこれから、王にそういう報告をしないといけないわ」


 と、アルクェイドが言った。その方が私が言うよりも効果的だ。


「はっ。分かりました」


 既に封印されてなくなった遺跡に居ても意味がない。兵士達は撤退の準備に取り掛かった。


 私達は転移魔法で、イザイヤの王宮へ行く。


 そして、イザイヤ王に謁見する。謁見の間には関係者一同勢揃いしていた。そして、私達の報告を期待している様子だった。


「して、遺跡はどうなりましたかな?」


「ああ。封印された邪神及び遺跡内に蔓延っていたゴブリンエンペラー一党を退治した」


 と言うと、全員が『おおっ!!』と歓声の声を上げる。


「だがな、まだスライム共が蔓延っているからな。私が遺跡を封印し地中に沈めた。あの遺跡は一生拝むことはないよ」


 私がそう言うと『なっ!?』と、一部の現状を知らない貴族達の驚きの声が上がる。


「当然の処置だろう?最弱とはいえ、人間を溶かす酸をぶち撒くスライム共が居るんだそんな遺跡に好き好んで行く莫迦共はいないぞ」


 と言うと、現状を知っているイザイヤのギルド員達も頷いていた。


「そうですか?フレイム様がそう判断したのですから遺跡は致しかありません。イヤ、ゴブリンエンペラーや邪神を退治したのです。イザイヤの王として御礼申し上げます。皆の者もフレイム様達に礼をするのだ!!立て続けにゴブリンエンペラーと邪神を退治して下さったのだ!!コレはとんでもない前代未聞の出来事だ!!」


 と、イザイヤ王がそう言うと、全員が『ハッ!!』とした。当たり前のように私が言ったが、普通は人間では絶対に無理な事をやってのけたからだ。


 全員が私達に礼を述べた。


「そして、アルカードもご苦労だった」


 と、イザイヤ王が労ったが、ずっと下を向いていた調査員が、


「お待ち下さい。イザイヤ王様」


「うん?なんだ?まあ、そなたもご苦労だったな」


 と、イザイヤ王は調査員も労った。


「あ、ありがとうございます。しかしながら、イザイヤ王様。アルカード様は、人間ではございません!!」


 調査員が言うと、謁見内がざわついた。


「静まれ!!どういうことじゃ?」


「はい!アルカード様は、実は人間ではなく、人外なのです!!アルカード様は邪神との闘いでその本性を顕わにして邪神と闘かったようです。私は、闘いに邪魔になるので、フレイム様が用意してくれた空間内に避難していましたが、フレイム様達がその空間に戻って来るとアルカード様の姿形は背中に蝙蝠のような翼があり口からはあり得ない程の牙がありました。その姿は、けして、ヒルド様達のような人外ではなかったです」


 と、報告をした。その報告を聴いた貴族達がざわつき、イザイヤ王は一筋の汗が流れていた。そして、


「フレイム様?その者が言った事は真実でしょうかな?」


 と、私に聴いてきた。


「ええ、真実よ。アルクェイド・アルカードは、人外ですよ」


 私ははっきりと謁見内に居る全員に言ったのだった。

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