後始末 1
体調不良につきしばらくの間は不定期更新にさせていただきます。
「ならば、否定したまま滅べ!!とっておきだ!!【指弾術・破】!!」
私は全魔力が籠もった親指で弾いた。弾かれた真球玉は準光速となりパラスアテナの身体に直撃し、パラスアテナは悲鳴を上げる間もなく消滅した。
「ふぅー終わりだ!!」
「なっ!?あ、貴女!?」
初めて私の奥義を見たアルクェイドがあ然として言葉が出て来ていなかった。
「ん?どうしたの?」
「イヤ、どうしたの?じゃないわよ!!貴女はとんでもないコトをヤッているのよ。あんな技があるなんて冗談じゃないわよ。真祖である私だってあの技を喰らったら、絶対に消滅してしまうわよ!!何が私を倒せないよ!!」
アルクェイドが興奮口調で言っている。
「ああ、この技はまだ未完成の技だよ」
「み、未完成!?この恐ろしい技が!?」
驚きながらもそう言った。
「ああ、私の全魔力をもってしても、まだ準光速指弾しかならないし、全魔力を持っていかれるから、たったの一発しか撃てない」
「イヤ、そのたったの一発が恐ろしいわ。それによくパラスアテナだけ滅ぼしたわと感心するわよ。もし、私があのような技を放ったとしたら、パラスアテナ諸共この遺跡も破壊をしてしまうわ」
「そうならないようにしたのよ………うっ」
そう言いながら、身体がふらついた。魔力が枯渇したせいで、目眩を起こした。
「「聖さん!!」」
2人の姉がふらついた私を支えた。
「ありがとう………」
「聖さん、無理をしないで下さい。空間で休憩を」
「そうだね」
私達は空間で休憩を取ることに。
先に避難していた調査員が、
「ご無事で良かったです聖……様………ア、アルカード、さ、ま?そ、そのお姿は!?」
調査員はアルクェイドの姿を見て、指を差して震えていた。
「えっ?あっ!?」
アルクェイドはヴァンパイアの姿のままで空間に入って来てしまった。私達もアルクェイドの真の姿を気にしている余裕は無かった。
「ま、まさか?じ、人外!?」
調査員はパニック寸前の状態になっている。調査員にとってはアルクェイドの姿は異常な姿なのであろう。
「落ち着きなさい!!アルクェイドさんは確かに私達と同じ人外ですが、今まであなた達を襲いましたか?」
がぶり姉ぇが調査員に訊ねた。
「い、いいえ………しかし、そのお姿は、あ、あまりにも………?」
調査員の目には真の姿をしているアルクェイドの姿が恐ろしく見えているようだ。
「人間は、自分たち人間と違う姿だと必要以上に怖がりますね。ですから、私達も人間と同じような姿で暮らしているのですよ。このアルクェイドさんも同じ理由ですよ。人間との共存をしたいから今まで真の姿を隠して生活を送っていましたが、今回の敵はアルクェイドさんは真の姿にならないと倒せれない敵でした。そんな功労者に対してあなたはただ姿形が違うだけで怯えて存在を否定をするのですか?」
(……………)
「……………」
調査員は俯き黙ってしまった。イヤ、がぶり姉ぇの言う事を肯定も否定も出来ないのであろう。
「とりあえず、休憩を取りましょう。聖さんの疲労がピークになっています」
がぶり姉ぇの言葉に従う。
空間で約9時間の休憩を取り、遺跡の外へ転移した。
警備をしていた兵士達は、私達がいきなり転移をしてきたので、何事か?と驚いて騒いでいた。
「この遺跡は既にダンジョン化になっている!!よって遺跡の入り口を封じる!!以後、出入りは禁止にする!!」
と、私はそう宣言すると、兵士達がざわついた。そして、この遺跡の責任者が、
「ソレは、イザイヤ王が決める事ではないのでしょうか?いかに火の当主様であろうと、我が王の決定を待たずにこの遺跡を潰す訳にはいきません!!」
責任者が言うと、周りの兵士達も賛同し頷いていた。
「それに我々がここの警備を就いた以来、今まで魔物の出現を確認した事がございません!!」
そう言い切った。
「黙れ!!この遺跡は神が創った遺跡だが、遺跡内には魔素が大量にあったが、私達がその大元を倒した為に魔素が消えたが、この中にはまだスライム共が生息しているんだ。遺跡内に生き残ったスライム共が、どういう行動をするか判らないのだぞ。とてもじゃないが、この遺跡を観光資源やギルド員達に潜らせる事は自殺行為だぞ。ま、お前らの国の方針がそれでも良いというならば、私達はこれ以上を関知ないし、今後の事は私達には関係がないのだからな」
『…………』
私の言葉に兵士達は沈黙をした。
当たり前と言ったら当たり前だな。護っている兵士達は遺跡内の事を良く知らないから、私の話を聴いて、遺跡内の現状を聴いて絶句し沈黙をしている。
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