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アルクェイドからの依頼? 1

 舞が異世界から無事に帰還してから数週間が経ったある日の事。私はアルクェイドに呼び出された。


「はぁ?私に依頼?貴女が?貴女は強いし大概の事は自分で出来ると思ったけど?」


「私の依頼ではなくて、イザイヤ王からの依頼よ。なんでも、イザイヤに神聖王の遺跡が発見したというのよ」


「は?神聖王の遺跡?どうして、イザイヤにそんなものが?」


 アルクェイドの発言にビックリした。


「そうなのよ。専門家が調べた所、どうやら、人間、人類が建てた物ではなくて、神様が建てた物に違いないというのよ」


「ああ、だから、神聖王の遺跡と?」


 この世界に降り立った神は父さんしかいないからな。しかしね、イザイヤの国に父さんがわざわざ遺跡を造るかね?


「そうみたい。で、話はこれで終わりではなくて、当然、遺跡の内部調査を行おうとしたら、その遺跡にゴブリン達が棲み着いていたのよ。そして、スライムもね。私にとっては、下等な魔物達だけどね。けど、私1人でそれらを全て殺ってしまうと後々で色々とややこしい問題が出て来るのよ。そこで、天使を従えている貴女にも遺跡の内部調査を手伝って欲しいのよ」


 なるほどね、確かにアルクェイド1人でもゴブリン達やスライムなら、簡単に倒せるか。

 しかし、アルクェイド1人で殺れば、その異常な力に疑問視する人間が出て来るのも事実だわね。アルクェイド自身、ヴァンパイア特有の力を隠して生きているからこそ、カモフラージュの意味合いを込めて天使を従えている私に依頼が来たのか。というか、やはり、これはアルクェイドの依頼でしょう?


「状況は判ったけど、その遺跡は神聖王の遺跡では無いと思うよ」


「えっ?どうして、言い切れるの?」


「理由その1、イザイヤとこの王国の距離が離れているからよ。理由その2、そもそもこの世界に神聖王が遺跡を造る意味が無い。理由その3、もしも、神聖王が遺跡を造るとしたら、この王国内に造ると思うよ。神聖王とこの王国の王族との関わり合いは強いからね」


「なるほどね~?でも、人間が造った遺跡ではないのは確定らしいのよ。じゃあ、その遺跡は神聖王ではないのなら、何処の誰が造ったのかしら?ねぇ?興味、わかない?」


 アルクェイドはワクワク顔で言ってきた。


「まあね。神聖王ではなかったのなら、別の神がその遺跡を造った事になるかもね?これは、私も調査をしないといけない案件かもしれないわ」


 これは、父さん以外の神が降り立って、イザイヤの場所に遺跡の造ったとなると、娘の私が本格的に調べないといけないわね。


「じゃ、決まりでいいの?」


「私はね。しかしね、陛下にお伺いを立てないといけないのよね。私がイザイヤに行ってもいいかと」


 王国の貴族だから、他国に行くにはどうしても陛下の許可が必要となる。許可無く行けば、良くて厳重注意、下手をすれば軟禁の沙汰が下る。


「ああ、そうだわね。私もまたイザイヤの代表としてここの王様に挨拶をしないといけないわね」


「そういう事だわ。決まったら、また、貴女に連絡を入れないといけないわ。それに、姉達や神聖王にもイザイヤの遺跡を知っているのかの確認と取らないといけないわ」


 その日は解散をした。後日、また会うことになった。


 その日の夕食時に、ミカ姉ぇ達に遺跡の事を聞いてみる。


「えっ?神聖王様の遺跡がイザイヤにあるの!?」


 一番反応を示したのが、エリサだった。王族だからこそ、即反応を示したのだろう。


「とされているけど、私の考えは、イザイヤに父さんの遺跡は無いと思うよ。もし、遺跡を造るのなら、王国ここの何処かの地域に造るわ。わざわざ、イザイヤの地域に造る必要性は無いわ」


「ああ。言われてみればそうかもしれないわね。その遺跡は人間が造った遺跡とは違うのでしょう?」


「そうだね、別の神が、イザイヤに遺跡を造った可能性があると思っているのよ」


「なるほど。確かに、神聖王様がこの世界に遺跡を造ったという話は聴いたことがありませんね?ガブリエル、貴女は?」


「私も聴いたことがありませんよ。聖さんが言ったように、別の神様が造った可能性が高いと思いますよ。念の為に聴いてきましょう」


 と、がぶり姉ぇは神界に転移した。


「ウム、神の遺跡がこの世界にあるとはのう?我が主神、オーディン様ではないのは確かじゃ。そもそも、この世界は我らヴァルハラとは無関係じゃからのう」


「そうなんだ?」


「ウム。じゃが、しかし、妾も念の為に聞いてくるかのう。もしかすれば、ヴァルハラの他の神が造ったやかもしれんしのう」


「判ったわ」


 ヒルドさんもヴァルハラに転移した。


「お姉さま。その遺跡には、ゴブリン達やスライムが棲み着いているのですよね?やはり、調査しながら退治するのですよね?」


 リクがワクワクしながら言う。イヤ、リクだけではない。マリア達も行きたいという表情をしていた。


「そうだね。しかしね、リクは連れて行かないよ。というより、連れて行くのは、ミカ姉ぇ、がぶり姉ぇ、ルエルさんとヒルドさんの4人だよ。それに、リクは、ここの王族でしょう?将来の事を考えると拙いのよ。マリアとエルフは魔法オンリーだから遺跡を破壊する可能性があるからダメだよ。舞と更夜は中等部だから論外だよ。特に更夜は勇者だし、まだ他国に披露していないからな」


 と、皆に釘を刺す。


『そ、そんな…………』


 皆が一斉にブーイングをする。


「仕方ないでしょう。王国内ならばまだしも、他国にあなた達の存在を知らす訳にはいかないのよ」


「聖の言う通りだ。今回は大人しくしていろ。それに、ゴブリン達まだしもスライムが居るんだ。スライム自体は弱いが、スライムを倒せば、私達の身体をも溶かす酸をぶち撒けてくるんだ。広い外ならどうにかなるが、遺跡の中は厄介な魔物だぞ。私は遺跡の中にスライムが居ると聞いた時点で行くのを躊躇う程だよ」


 ステラ先生はそう言った。


「それ程厄介なの?スライムは弱いイメージにしかないわ」


「ああ、ゲームも序盤のヤラレ役だからな」


 未だに納得がいかない2人。


「そうなのか?だがな、何度も言うがな、倒した後の酸が厄介なんだよ。酸が1滴でも身体に付けば、服や装備品をも溶かしてしまう恐ろしいモノなんだよ。昔な、その酸を武器や兵器に使おうと研究をしていたらしいのだがな、そもそもその酸を入れておく器が造れなかったんだ。スライムの酸は何でも溶かしてしまうからな。ならば、なぜ、そのスライム自体がその酸に溶けないのか?いう疑問も生まれたのだが、答えは至って簡単だ。スライム自体がその酸の抵抗力を持っているからだ。じゃないと、この世界にスライムいう魔物は存在しない」


「ああ。そうよね?」


「確かに、酸にやられたら、スライムはこの世界に存在していないよな」


「そういう事だ」

誤字ご報告ありがとうございました。


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