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異世界に召喚されたあたし 4

体調不良で更新が思った以上に遅くなっています。m(_ _)m

 サクラはあたしの闘気で戦意喪失をしていた。


「ええい!!異世界人共よ!殺し合え!!殺し合ってこの帝国に繁栄をもたらすのだ!!」


 オッサンがほざいた。


「煩い!!オッサン。あたし達は元の世界に帰るわ!!」


「フッハハハ!!馬鹿め!!お前は元の世界には帰る事なぞ出来ぬわ!!お前が次の真の勇者だ!!お前は敗者のこいつを殺せば良いのだ!!」


「バカらしいわ。何が、真の勇者よ!!こんなのはただの殺し合いでしょうが!!5人殺しても真の勇者には成れないわよ!!」


 あたしは正論を言う。そもそも、勇者候補を5人を殺しても、意味が無い。


「フッハハハ!!所詮は異世界人よ!!この世界はな!!人間でも、魔物でも殺せばレベルアップが出来るのだ!!特に異世界人同士で殺し合いをすれば破格のレベルアップが出来るのだ!!判ったか!!判ったら、さっさとその敗者を殺せ!!」


「くっ!?私を、こ、殺せ!!私は貴女に負けた。私を殺せば貴女はまだこの世界で生き残れるのよ」


 サクラがそう叫んだ。

 それであたしは理解した。サクラをはじめ、この世界に召喚された人間は、このくだらない殺し合いでどちらかが生き残らなければならない状況を作りあげていたと思う。


「なるほどね。しかしね、サクラ、あんたは勘違いをしているわ。それに、今時、くっころは流行らないわよ」


「えっ?」


「あたし達は元の世界に帰れるから、こんな茶番劇に付き合う必要は無いわよ。今頃は、父さん達が、あたしの行方を捜している筈だわ」


 折角再会したのに、また家族が離れ離れになるのは父さん達も本意ではないからね。絶対にあたしの行方を捜している筈だわ。


「えっ!?そんなのは不可能ではないの?だって、この世界は地球でもないのよ?」


「言ったでしょう?あたしは本来はこの世界には存在していないと?いいえ、存在はしているけど、本来はあんた達の前には現さない存在なのよ」


「えっ?そ、それって?」


「ええい!何ワケが分からんことを言っている!!最早、コヤツらは使い物にはならない!!者共!であえ!!であえ!!」


 オッサンが言うと、兵士達がワラワラ出て来た。


「狼藉者共だ!!この女2人を斬り捨てて、貴様らのレベルアップの糧にしろ!!」


『はっ!!』


 兵士達は一斉に抜刀し、あたし達に斬り掛かってきた。


「サクラ。闘える?」


「くっ!!ごめんなさい。体力がもう………だから、舞!!貴女だけでも生き延びて!!私は………」


「なにバカな事を言っているの!!回復魔法よ!!と言っても、あたしはそんなに得意ではないから、全快とはいかないけどね」


 あたしの回復魔法は体力の約半分位だ。それでも、闘える位には回復する筈だ。そして、強化魔法も掛ける。


「なっ!?か、身体が!?」


 サクラが驚いている。


「驚いている暇はないわよ!!一緒に闘うわよ!!そして、帰るわよ」


 あたし達は兵士達を迎え撃った。


「あんた達は手加減無しでやってあげるわよ!!魔法剣!!」


 あたしは日本刀に氷の魔法を掛ける。斬れば傷口から凍る。


 あたし達は兵士達を斬り捨ててる。あたしに斬られた兵士達は悲鳴を上げながら身体が凍り付いた。


「舞?貴女!?こんな実力を!?」


 サクラは闘いながらも驚いていた。


「そうよ。あたしは魔力に目醒めて地球に居た時よりも数倍も強くなっているのよ」


「ッ!?どうあがいても私は勝てなかったのね!!」


 そう言いつつも、兵士を斬っていた。


「そうね。でもね、あたしよりも強い人達が居るのよ。その1人に言わせれば、あたしの剣術なんて、産まれたてのヒヨッコに過ぎないのよ。因みにお兄ぃは卵の殻が付いているヒヨッコと言っているわ」


「…………」


 あたしのコメを聞いてサクラが黙ってしまった。


「ま、その人も自分の剣術は三流剣士と言っているしね」


「…………もう黙って!!」


「あっはい!!」


 サクラは自分が惨めだと思っているようだ。

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