表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
629/738

ゆっくりと休む筈が 6

 私達がお風呂から出て、イスレイくんの部屋に向かっていると…………。


「あれ?おかしいです。えーっと………(キョロキョロ)」


 と、元暗部の少女と教皇が王家エリアに居た。何故、この2人が居るんだ?来客用の部屋は全く別の方向だと言うのに、それに、この王家エリアは、境に兵士達が居てそうそうと入っては来られないのだがね?仕方ないので声をかける。


「貴女達?ここを何処だと思っているんだ?ここは王族のみが許されているプライベートエリアだ。さっさと出て行きなさい!!」


「えっ?あっ!?」


「ふ、フレイム卿!?」


 2人が驚いていた。


「というか、貴女はまだ新人でしょう?それに何故こんな所に教皇を案内をさせているの?」


「ご、ごめんなさい…………道を間違えてしまいました………」


「で?教皇は何故この者と一緒に居るの?他のメイドが付いていた筈だが?」


「ええ、そうでしたですけど、ちょっと部屋から抜け出して、歩いていたら迷子になってしまいこのメイドさんに案内を頼んだのですが…………」


「ハァー」


 私は大きくため息を吐いた。


「教皇?貴女は子供ではないのだからさ。普通部屋を1人で抜け出すか?」


「ご、ごめんなさい。私は平民の出て、こんな所にはそうそうと縁がなかったので…………つい…………」


 教皇は顔を赤めてモジモジとしていた。


「イヤ、それは分からんでもないがね。しかしね、今貴女の立場は教皇なんだから、個人の見学ツアーに来たのではないからね?田舎丸出し根性は止めておくように。で?貴女?この宮殿の構造は判っていると言っていたわよね?どうして、王族のプライベートエリアまで来たのよ?というか、良く来れたわね?」


「教皇様がおりましたからフリーパスで通れましたが、私も緊張しまして…………」


「半ばパニックになっていたと、言いたいの?」


「は、はい」


 2人の話を聴いて私は盛大にため息を吐いた。何?このポンコツコンビは?


「ところで、フレイム卿はイスレイ王子様とここに?」


「私はイスレイ王子の家庭教師を兼ねているのよ。で、今日がその日だったのよ。私もどっかの誰かさんのセイで帰りが遅いから泊まっていくように言われたのよ。私がイスレイ王子のお世話をしているのよ」


「うん!お姉さんはボクと一緒に寝るのー」


 イスレイくんがそう言うと、2人は驚いていた。


「お、お姉さん!?フレイム様はイスレイ王子様のお姉さんなのですか!?」


「うん、そうだよ。ボクのお姉さん。だから、一緒にお風呂にも入ってくれたり、寝てくれたりしてくれるのー」


「そうなのですか?まさかフレイム様が…………」


 言葉にして新人のメイドは勘違いをしているようだね。


「なんか勘違いをしているようだけど、私とイスレイ王子は血の繋がりは無いよ。私は陛下の隠し子でもクレア王女でもないからね。ただ、イスレイ王子は私の事を姉として慕ってくれているし、私もイスレイ王子をかわいい弟と思っているから、イスレイ王子にそう呼ばれているだけよ。貴女もメイドとしてここで働いているんだ。今後は覚えておいて」


「はい分かりました」


 そこに新たなメイドがやって来た。


「フレイム様?イスレイ王子様?どうされましたか?」


 メイドは私達に声をかけた。このメイドはイスレイくん担当のメイドで、静養中に私達と遊んだメイドだった。


「うん、丁度良いわ。この教皇を客室まで案内してくれる。

 この新人のメイドがポカをやらかしてね。こんな所まで来てしまったのよ」


「ああ、なるほど。承りましたわたくしがご案内致します。教皇様、こちらへ。では、フレイム様、イスレイ王子様失礼致します」


「悪いわねお願いね」


「いいえ、お仕事ですので」


 そう言って、メイドは教皇を客室に案内する。新人のメイドも付いていく。


 私達はイスレイくんの部屋へと戻り、ベッドで寝る事にしたが、イスレイくんは興奮状態でなかなか寝付けないようなので、絵本を読み聞かせて寝かし付けた。


 朝になり、目を覚ますと、イスレイくんが私の胸の上で気持ちよさそうに寝ていた。私の胸はクッション枕ではないけどね。しかし、これでは朝練には参加が出来ないので、仕方なくミカ姉ぇに念話で連絡を入れた。

 しばらくしてメイドが起こしに来た。


「おはようございます」


 小さな声で入って来た。


「おはよう」


「ああ、道理で起きてこないなと思いましたが、そういう事でしたか?」


「そういう事よ。あまりにも気持ちよく寝ているからね。起こすのがしのびなくてね」


「そうですね。ですが、お食事の時間に間に合いませんので」


「判っているわ。私も学園に行かないといけないからね」


 私とメイドでイスレイくんを起こすのが、イスレイくんは「もっと寝ていたい〜」と、寝ぼけながら言う。


「イスレイくん?起きないと、イスレイくん1人でお食事をしないといけなくなるけど良いの?」


 私がそう言うとイスレイくんは仕方なく起きた。


「お姉さん、おはよう」

「はい、おはよう。さあ、着替えますよ」


「うん…………」


 まだ、眠いようだ。まあ、昨日は興奮して寝付けなかったしね。

作品が気に入ってくれたならブックマークや下にある★★★★★の評価やいいねの応援をお願いします。

作者の創作のモチベーションに繋がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ