表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
621/739

学園祭は片付けるまでが学園祭ですが何やら事件がまた勃発しています。 6

「先生〜?困りますよ。ここは犯罪者の監獄ではないのですよ?」

「そうですよ。犯罪者はギルドか番所で手渡して下さいよ」


 と、宮殿の門番兵達に言われたが、そんなのは百も承知しているよ。

 そして、門番兵が私の事を先生と呼ぶかというと、イスレイくんの家庭教師から来ている。


「そのくらいは言われなくても分かっているわよ。でもね。この女が、自分は暗部所属と主張をしているのよ。だからこそ、直接、確認を取りに来たのよ。私だってね忙しいのよ」


 私は、門番兵達に事情を話した。


「そうですね、我々もここに連れて来る案件ですね………先生を知らないというのはいかにも怪しいですね」

「しかしながら、暗部のメンバーは、我々王宮に勤めている兵達も知られて居ないのが当たり前ですが、しかし、やはり、いくら新人だとしても暗部所属の人間が先生の事を知らないというのはあり得ませんね?」


 門番兵達は疑惑の目で拘束されている少女を見た。


「でしょう?私って、暗部メンバーには目立たない存在なのかしらね?」


『イヤイヤ、そんな事はありませんよ』


 同時に言う。


「えっ?そんなにも有名な方なのですか?」


 少女が言うと、2人があ然としていた。


「ほらね~知らないでいるわよ?」


「あ、あり得ない………」

「ああ……コイツは暗部を騙る某国のスパイかもしれないですね?」


 2人は更に疑いの目で少女を見る。


「あなた達もそう思うわよね?暗部を騙る某国のスパイで、私の事を知らない事を良いことにこの宮殿に侵入して、陛下以下、要人を暗殺をするスパイだという疑ってしまうわね」


 私が言うと2人も頷いた。


「えっ?そんな………私は本当にここの暗部に所属していますよ。この宮殿の構造も知っていますし、国王陛下達御一家のお名前や顔も知っています!!」


「でも、先生の顔と名前は知らないのが怪しいんだよ。ここに勤める我々兵士全員は、この御方が貴族に成った時に顔と名前はすぐさま覚えさせられたぞ。この御方は王国の要人の御一人だからな」


「そ、その割には、全く敬語を使ってはいないような………」


「それはな、先生と我々との取り決めでそうなっているんだ。正装以外の服装でここに居れば、我々はこの御方を先生と呼び、普通に話しても構わない。一方で正装の服装でここに居れば、敬語で話して名前に様を付けてお呼びする。と、取り決めをしているんだ」


「そうなのですか…………」


 半信半疑の少女。


「容疑者であるお前が半信半疑の顔をするな!!」


 兵士に怒られた。


「ご、ごめんなさい………」


 そうこうと話していると、別の兵士がやって来た。


「先生ー!!陛下と暗部のおさが会うようです。謁見の間へご案内します」


「分かったわ。ホラ、行くわよ」


「あっはい………ロープを引っ張らないで下さい」


「煩い!!」


 案内の兵士が少女を黙らせた。


「すみません……」


 黙って、謁見の間へ。


「先生、こちらです」


「ありがとう」


 私達は謁見の間に入ると、直ぐに陛下と暗部の長、そして、親衛隊長がやって来た。


「ウム、フレイムよ。この度の件はなんだ?」


 陛下が言うと、少女はビックリした表情をしていた。マジでコイツは私の事を知らなかったようだ。そして、初めて知ったようだ。

 私はそれを無視して陛下達に話した。


「はい、実は……………」


 先程の事件を話した。


「なっ!?またか?また、召喚された異世界人がこの王国に来たのか?」


「はい、最近は異世界人がかなり多いですよ。どうなっているのか解りませんね」


「そうだな………その異世界人達はフレイムに預けるが、本題はその者か」


「はい。この者は、ここの暗部所属と言い張りましたので、私の顔を知っているか?と聞いたところ、自分は新人で情報を共有されていないから知らないと答えたので、スパイの疑いがある怪しい人物として、念の為拘束し、連れてきたのですよ」


 私の説明が終わると、陛下と親衛隊長が信じられないという表情をしていた。暗部の長は隠密らしく無表情だった。


「そうか………では、暗部の長よ?この者は暗部所属に間違いはないか?」


「はっ!陛下。この者は我が暗部所属の者でございますが、どうやら、この者のリーダーは、フレイム卿が言うようにこの者に情報を共有をされていなかったようです。ではなければ、この者もフレイム卿を知らぬとは言いますまい。情報共有を怠ったこの者のリーダーを処分しますので、そして、この者の存在を他の者達に知られてしまいました。暗部としては最早使い道はございません」


 ようするに、コイツは暗部をクビとなった。少女はクビと悟りガックリと項垂れていた。


「だからと言って、この者を野に放つ訳にも行きません。新人とはいえ、多少なりの機密情報を持っているので。そこでフレイム卿。この者を飼ってはくれぬか?地方の領ならば、面が割れてはいない。フレイム卿の狗として引き取ってはくれぬか?」


 長は、クビになった少女をその原因を作った私に擦り付けようとした。

作品が気に入ってくれたならブックマークや下にある★★★★★の評価やいいねの応援をお願いします。

作者の創作のモチベーションに繋がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ