表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
617/740

学園祭は片付けるまでが学園祭ですが何やら事件がまた勃発しています。 2

「テメェは一体何者(なにもん)だぁ?()()()()()所からサブマシンガンを出しやがって!!テメェは手品師か!?」


「手品師ではないわよ。高校生だよ」


「はあ?テメェがハイスクールだと?寝言は寝てから言えよ!!」


 殺気が銃に籠もる。


「ま、信じるか信じないかは貴女次第だよ。けどね、こんな詰まらい事で穴開きチーズになりたくはないでしょう?」


 私も殺気を出す。


「引鉄を引くのがアタシよりも速いと言いてーのか?」


 彼女が私を睨みつける。


「もちろん。貴女の銃は私には通じないよ。私を含めてここの人達は魔法を使えるからね。このサブマシンガンも貴女の思考を読み取って魔法で創り出した物よ。そして、撃つ前に種明かしをしようか。貴女の銃が効かない理由は魔法で時間を伸ばしているからその引き金を引いて弾丸が飛び出す時に私の魔法によって超スローになっているのよ。そうね。この銃口から弾丸が飛び出す時間は1時間後といったところかしらね?なんだったら試してみるかい?そして、私のサブマシンガンももちろん細工してあるわ。本来の2倍の速度で出るようにしているわよ」


 ニヤリと笑う。

 はったりでもなにでもない。本当にその魔法を掛けているのだから。彼女が撃てば、撃った玉は銃口到達まで1時間は掛かる。私のサブマシンガンは速度が2倍の魔法だ。こんなのはやる前から勝負が着いている。要するに彼女は私の手のひらにいるだけだ。


「な、なにぃ!?」


 私の話を聴いて驚く彼女。しかし、目は死んではいなかった。自分からケンカを売ったので簡単には引き下がれないのだろう。


「さあ、どうする?嘘だと思うならその銃を撃てみるかい?」


 しばらく、睨み合いが続くが、彼女の方が根負けをした。


「チッ!分かったよ。アタシの負けだ!!」


 漸く銃を降ろした。


「分かれば良いわ。こうしたって話が進まないからね。それに私はさっさと終わりにして学校に戻らないいけないからね」


「お前………マジでハイスクールなのか?」


「そうだと言っているよ。貴女のセイで私は呼ばれたのよ。で、貴女の話を聴く限り、貴女は召喚魔法陣でこの世界の何処かの国に召喚され失敗してこの王国に来てしまったようね」


「そのようだな。で、アタシは元の世界に戻る事が出来るのか?この手の御伽噺では二度と元の世界には戻る事が出来ないとか言うからな?そこはどうなるだよ?」


 ジロリと睨みつける。私が還れないと言えば、勝てなくともケンカを本気で売るつもりでいる勢いだ。ま、簡単に言えば、やぶれかぶれだ。


「普通はそうね。でも、貴女は運が良いわ。元の世界にちゃんと還してあげるわ。というより、貴女がこの王国に居るだけで治安がもの凄く悪化してしまうでしょうね」


 私がそう言うと、周りの人達もコクコクと首を縦に振っている。


「ウルセーよ」


 そう言って、口にタバコを咥える。


「ここ、禁煙。というか、私の前でタバコは遠慮して。私はこれでも、プロの料理人でもあるからね」


 料理人にタバコは禁止だ。身体に匂い移りが付くと匂いが落ちるまでしばらくは料理が出来なくなる。


「料理人?お前がか?」


「そうだから言っているのよ。じゃないと言わないわ」


「そうかよ」


 咥えたタバコを手に持ちグシャッと握りつぶした。


「で?どうy………チッ!アタシと一緒に来た敵がここを嗅ぎつけやがったか!!オイ!お前らは出るな!!コイツらはアタシの客だからな!!」


 そう言って、彼女はギルドから出て行こうとしているが。


「待ちな!貴女は出るな!私が片付けるよ」


 と、私が彼女を止める。


「あん?聴こえなかったのか?アイツらはアタシの客だぞ?」


「で?その銃でソイツらを殺すのでしょう?」


「あたぼーよ。他に何があるんだよ!あぁん?」


 そう言い、私にガンをとばす。


「で?その後の後始末も貴女がやってくれるのでしょうねぇ?まさか、遺体をそのままにして置くつもりはないでしょうねぇ?」


 私も彼女にガンをとばした。すると、


「うっ!?」


 言葉に詰まる彼女。


「やはり、そこまで考えていなかったか?殺れば殺りぱなしでの現地任せてか?一番困るのはこの遺体処理だよ。しかも、異世界から来たあなた達の遺体が一番困るわよ。それにまだ、貴女の銃には私の魔法がかかっているよ」


「なっ!?くっ!?」


「大人しくここに居なさい」


「オイ!マジでお前一人で行くつもりかよ!?お前はハイスクールだろう?アタシの敵はプロの殺し屋達だぞ!!ここに居る連中と戦わないのか?」


 ギルドから出て行く私を呼び止めた。

 外では彼女の敵達が何かギャアギャアと汚い言葉を叫んで近所迷惑だ。


「私はこの中で一番強いからね、こんな連中、私一人でお釣りが来るよ」


「そうかよ」


「じゃあ行ってくるよ」


 私が言うと皆が、

「聖さん気を付けて」

「聖なら心配ないわね」

「ザコ共なら聖だけで十分じゃな」

 と、ママ達は気楽に言って送り出した。

作品が気に入ってくれたならブックマークや下にある★★★★★の評価やいいねの応援をお願いします。

作者の創作のモチベーションに繋がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ