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休日 10

「ただいま~」

 私達がそう言ってリビングに行くと、

「お帰りなさい」

「おう、お帰り」

 両親とがぶり姉ぇが返してくれたが、

「わっ!?父さんと母さんがソファーに寝転んでいる」

「日本の家では見なかった光景だな?お姉ぇ?ここではこうなのか?」

 舞と更夜が父さん達が寝転んでいる光景に驚いていた。

「そうだよ。初めは私も驚いたが」

「ここは日本ではないからな。こう見えて俺達は社長とその夫人だ。どんな目があるか分からんから日本ではビシッとしていたが、ここは全く違う」

「そういう事です。私達も休みの時はだらけたいのよ。神界ではだらけられないからね」

 と、父さん達はそう言った。

「そうなんだ」

「大変だったんだ」

 舞達は同情していた。

「父さん達はトップだからね。だらけられないのよ。それに父さんは酒で大失態を犯したからね〜余計に神界ではだらけられないでしょうね?」

 私がそう言うと皆が『あっ!?』と声を上げた。

 父さんは「うっ!?」と黙ってしまった。

「そうね。それもあるわね」

 母さんが頷く。

「私、聖達から話を聴いて、神聖王様の信仰を辞めた方が良いのかしら?と、一瞬、頭を過ってしまったわ」

「ま、憧れの存在が酩酊を通り越して泥酔をずっとなっていたからね。自分の中の神聖王というイメージが崩れ落ちて、それは信仰ファンを辞めたいと思ってしまうわ」

「そうなのよ。聖達の話を聴いたら、ガラガラと何かが崩れる落ちるような気がしたわ」

「イヤ、それはもう数万年前の話だろう?もう時効だ時効!それに俺はもう母さんに封印されて酒が飲めないんだよ!」

 そう喚く神聖王オヤジ。見苦しいわ。

「それは自業自得でしょう?インパクトが強いモノは何万年経っても忘れないし、教訓になるわよ。それに良かったわね?どこの神話の世界にもそんな逸話エピソードを聖書に書かれなくてさ。書かれていれば、その国の信者達は禁酒か酒以外の飲み物禁止のどっちかになっていたかもしれないわ」

「ぐっ!?」

「そうね?そうなっていたかもね?」

「か、母さんまで……………」

「そうでしょう?教祖がどういう解釈でその宗教のルールが決まるのだからね?もし、そんな逸話が神界・天界から流出していたら、本当にどっちかになっていたかもしれないわよ?まあ、あの頃は神界も天界もてんわやんわで大混乱だったわ。そんな逸話を書き残す余裕がある者達は居なかったからね」

「私達はがぶり姉ぇとミカ姉ぇに直接聴いたけどね」

「ガブリエル!!」

 父さんはその場に居たがぶり姉ぇを叱咤する。

「真実でしょう。天使である私が噓の事を言うと堕天になりますが、それでも宜しいと?」

 がぶり姉ぇは涼しい顔でそう言った。

「ぐっ!?」

 またもやこの神聖王オヤジは言い返す事が出来ずに黙ってしまった。

 万が一がぶり姉ぇが堕天すれば大変な事になるのが解っているし、やはり、真実だから言い返せれない。


 夕食になると、ミカ姉ぇ達や先生が帰って来た。


「先生?先生はママとなんの仕事をしたの?」

 マリアが聞く。

「ああ、ほら、例の旧グランパニ公国の2人の勇者の捜索だ。ハァー、一体何処にいるのか、全く手がかりが無い。少なくともこの王都には居ないだろうな。特別指名手配犯としてリアルな顔が公開してあるからな。もしかすると、田舎の何処かに潜伏しているかもしれないな」

 先生はそう説明をした。するとエリサが大きなため息を吐いて。

「表向きはグランパニ公国との戦争は終結しましたが、グランパニ公国の勇者達が逃亡中ですので、完全に終結とは言い切れませんが、今更、私達の命を狙う事は無いでしょう」

「イヤ、解らないぞ?」

 私が言う。

「えっ?解らないって?」

「あの神々神という人物は妄想全開野郎だったからな。たとえ、グランパニ公国が滅びても王族と父さんを滅ぼせば世界の人々から賞賛の声が得られ英雄ヒーローになれると非常に残念な思考の持ち主だ。後、もう1人の天川竜雅は、現実というモノを把握しているから奴とはもう一緒には行動はしないだろうよ。ひっそりと静かに暮らすかもな」

 そう説明をした。

「確かにそうですね。何と言っても、親子で神聖王様や聖さんに喧嘩を売って来たどうしょうもない馬鹿者達です」

 がぶり姉ぇがため息を吐きながら説明をする。

「そうだな。神々とか大層な名前にもかかわらずやっている事は非常に幼稚だった。だからこそ、あの親子は身を滅ぼしたんだよ。あの親子はもうこの世には居ない。神とはいう者は既に死亡した。父親の方は死刑になるから、時間の問題だな」

 父さんはそう暴露する。

「はぁ?神々神は死んだの?」

 私達は目が点になる。

「ああそうだ。閻魔庁から連絡が入ってな神々神は死んで地獄送りにしたと報告を受けた。ま、本来、お前達に言う事ではないが、コイツらに関しては言わないとな」

「そうですね。共通の敵の情報は共用しませんとね。障害は減ったのは良いことです」

「ありがとうございます。父に報告が出来ます」

 エリサは父さん達にお礼を言った。


「しかし、ギルドは…………まあ、陛下が事は済んだと言えば良いのか?」

 先生が質問をした。

「そうですね。お父様から言えば、事が終わると思いますね。たとえ疑問に思っても口には出さないでしょう。出しても匿名の情報と言えば終わりです」

「そうだな。神聖王様の名を出す訳にはいかないか」

「はい」

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