休日 2
「大丈夫だ。なんなら、私達と一緒に行くか?」
落ち込んでいるリョウタに提案をした。
後悔をしているなら直接謝れば良い。その後悔も和らぐ筈だ。
「そうだな。後悔をしているなら謝って来い!その本人がいるのだろう?それに、それでウジウジとしていたらこっちが迷惑だ!」
と、パパがそう言った。
「は、はい!ありがとうございます師匠」
リョウタはパパに頭を下げた。
「フン!」と、パパは照れ隠しでそっぽを向いて言った。
リョウタは私達に付いて行くことが決定した。
「聖お姉ちゃん?ぼく、変わったスイーツが食べてみたいな?昨日食べたスイーツような」
男の子が言うと、他の子供達も「食べてみたい!!」と、大合唱をした。
「分かったわ。皆がまだ食べた事がないスイーツを食べに行きましょうか?」
「本当に?」
「行くー!」
「行きたい!!」
私が言うと、子供達は目をキラキラさせて言って来た。
「ええ、これから行きましょう。少し待つかもしれないけどね」
『うん!!』
子供達が返事をした。
「そんな所があるのか?」
兄さんが聞いてきた。
「ええ、シュークリームを出しているカフェなんだ。以前、マリア達と行ってさ、サトルが伝授したのよ」
「ああ!!あの時のか」
兄さんは思い出したようだ。
あの時、バスターズとかいう雑魚共にデートの中断を余儀なくされた。
「そう、それ以来行っていなかったからさ、丁度良いかなって」
「なるほどな」
「あのカフェなら知っている。お前の名前の看板があったな。謳い文句が『ケーキを開発した火の当主様直伝スイーツ』と書いてあったぞ」
と、パパが言った。
「それ本当!?」
私は驚く。あれはサトルが教えたが、何故か私が教えた事になっていたが…………それって大丈夫なのか?
「ああ。ま、無名のサトルよりも有名になったお前の名前の方がより客が入ると考えるのが自然だろうよ。商売をする者にとっては当たり前の成り行きだ。それにウチの店の常連はお前が腕を振るっている事は知っているから、その店にお前の名前があれば一度は入って、そのスイーツを食べたという常連は沢山いる」
「そうだね。私がそこの店もプロデュースをしていると勘違いして入っていく人もいるか?」
私は一切関わっていないけどね。
「そういうことだな。それだけ、5大貴族の名前は絶大という事だな」
「勝手に人の名前を使って良いのですか?日本なら、罰せられてしまいますよ?」
ユカが質問した。
「残念ながら、そういう罰則はないのよ。まあ、大胆に無許可で貴族である聖の名前を看板に書いて宣伝するのはどうかと思うわ。でも、罰則の規定が無い以上ギルドや兵士達が取り締まる事はできないわね」
「そうだな。普通ならば、一般人が貴族の名前を看板に書くこと事態やらないだろうが、余程、切羽詰まっていたのか、店の売り上げをUPしたいのか、はたまたやむを得ない事情があるかだな。まあどちらにしろ、常連の話だと新作のスイーツの味は悪くはないらしいが、どうして、この店でそのスイーツを販売しないのか?と疑問に思っていた常連もいたのは確かだな。俺はその事に関しては一切知らないと答えるしかなかったがな」
と、ママとパパが答えた。
「そうよね。この店があるのですから普通はこの店でシュークリームを販売しますよ。それに、勝手に名前を使われているのは、法律が無くともやはり違法です。聖当人が許可していれば話は別ですが、少なくとも賠償責任が発生すると思いますよ」
と、ユカが憤っていた。
「まあ、日本ではそうだけどね。ここはファーネリア王国だからね。相手側が悪いと自覚していれば自然と謝りに来るよ。しかし、ここに謝りに来ないとなると、私はその人には賠償金を請求するわ。だって、そのレシピはプロの私が教えたのではなく素人のサトルが教えたのだから」
こういう事態をおそれて敢えてサトルを指名したのだけど、その店はシュークリームをケーキよりも有名にしたいのか?分からないが、勝手に私の名前を使用して商品を売り込んで不正に利益を得ている。
「そうね。これは虚偽罪として引っ張って来られるわね」
ママが答えた。そして先生が、
「本当はリリカと仕事があるからここでお前達と別れるつもりだったが、その店の従業員達を引っ張って来る可能性があるなら同行しよう。お前達はその足でサトルの所に行けば良い」
そう言ったので、私達も同意した。とりあいずは客としてその店に行ってみますか。
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