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思い掛けない再会 15

 その後。

 夕食になり、私達は戻って来たが、私はぐったりし、マリア達はツヤツヤしていた。

 そして、子供達はわいわいがやがやと未だに騒いでいた。凄い体力だわ。


「ひ、聖様?大丈夫ですか?」

 ラキさんが心配をしてくれた。


「ええまあ………でも、妹達のスキンシップが激しすぎる…………」

 私は伏せた状態で答えた。


「い、一体なにをされたの?」

 川田先生が聞いてきた。


「秘密よ♪」

「はい、秘密です」

「………うん、ここでは…………言えない」

 エルフが生々しく言った。


「ヤレヤレ、いつもの事じゃな」

「そうですね」

 ヒルドさんとルエルさんは通常運転だ。


「聖さん達の事は放っといても問題はありませんよ。いつもあんな感じで生活をしていますよ」

「そうね。ほぼ毎日のように私達に百合百合な光景を見せつけているわ。私達に対しての当て付けかしら?」

「そうだね~お姉ぇ達は良く飽きないわね?と思うわ」

「俺も居るのだけど、完全に空気状態なんだよな。勘弁して欲しい」

 と言っていた。


「こんなにも酷いの?中学校時代とは随分とかけ離れているけど?」


 川田先生は、転生した私が別人だと思っているようだ。


「まあ、姉貴だからな。俺や前世の時とはもう既に違うよ。それにこの3人は姉貴に助けられたのだから余計に惚れてしまったのだろうな?特にマリアは、姉貴が転生した直後に出逢って、G盗賊団から救ったというからな」


 サトルがフォローをした。そしてマリアが。


「そうだね~。あの時のお姉ちゃんの服装がダサい格好(ジャージ)だったのだけど、私よりも美人で、魔法の『ま』も知らないと思っていたんだ。だけどね、あっという間に悪者を倒してくれたわ。その後、私を守りながら王都まで行った時に、女性なのに何故か私は男らしいと思ったのよね~。私は既にお姉ちゃんに一目惚れをしていたんだ。そして、あの時、この女性ひとを絶対に手離してはいけないと思ったわ」

 と、説明をした。


「私は、最初はお姉さま達と敵対していて、私が死にかけた時にお姉さまが敵である私の命を救ってくれたのがきっかけです。それに、私に初めて優しくしてくれたのもお姉さまでした。それで私はお姉さまに惚れてしまいました」

 リクがそう説明した。


「………………私は男嫌い、聖が好き。もし、聖が男だとしても私は好きになっていた」


「えっ?」


 川田先生はエルフが言っている事が理解できないでいる。当たり前か、前の2人は私に助けて貰った話をしたのにエルフはいきなり私の事が好きとしか言っていないのだから。


「要するにだ。ここに居る我々は聖殿に助けられた者達なのだよ」


「えっ!?山瀬さんに助けられた?国王陛下もですか?」


 驚いた表情になった。


「ああそうだ。私の家族全員が聖殿に助けられたのだ。だからこそ、その功績に応えるべく貴族の地位を与えたのだ」


 と、陛下はこれまでの経緯を話した。


「山瀬さんは転生をしてから今日こんにちまでに人助けをしたのね。そして、大国のグランパニ公国との戦争も最低でも2年はかかると言われた戦争も山瀬さんが影で動いていたからあんなにも短期間で終結したのね?」


 私を見ながらそう言った。


「その通りだ。もし、聖殿が居なかったら、この王国は今頃は旧火と闇貴族のセイで、内政が大混乱に陥ていて、グランパニ公国との戦争どころか、エルフ族との戦争で王国が滅んでいる事だろう。そして、苦しむのはいつだって、民達だ。仮に我々が戦乱に巻き込まれ死亡しても、大半の民達は滅んだ王国生きていかなければならないのでな。だからこそ、我々王族は生きて民達を護らないといけないのだ」


「そうですね。山瀬さんは転生しても本質は変わらないのね」


 誤解?が解けたようだ。


「お喋りはここまでです。お食事の時間ですよ」


 と、がぶり姉ぇがそう言ってきた。


「あれ?がぶり姉ぇ?まさか今まで料理を作っていたの?」

「はい、神聖王様の御命令で、食事を作っていました」


「皆が揃ったのだ。それに、俺達もたまにはガブリエルの料理を食べたいのだよ」


 そう説明をした隣りでがぶり姉ぇはため息を吐いていた。

 がぶり姉ぇは私達身内以外の人間達に自分の料理を教えてたくはない。更に料理工程を見られたくはないと言っていたのだが、神聖王である父さんに命令をされれば嫌とは言えない。


 執事とメイドがその食事を運んで来たが。


「がぶり姉ぇ?この食事って………」

「はい、日本で良く食べられている料理を作ってみましたよ」


 と、運ばれて来たのは寿司だった。


「がぶり姉ぇ!?いつから寿司を握れるようになったの!?」

「マジか?」


 私とサトルが驚く。イヤ、舞と更夜も驚いていた。だって、がぶり姉ぇは寿司は握れないと言っていたからだ。


「私だって勉強はしますよ。忘れましたか?私が資格マニアだということを」


『あっ!?』

 4人で声を上げる。

 そうだった。がぶり姉ぇは色んな資格を取っていた。

「じゃあ、がぶり姉ぇはあたし達に隠れて寿司職人の資格を取ったの?」


「はい、通常、1年掛かるところ、1ヶ月で取りましたよ。私は筋が良すぎると講師に褒められました」


 がぶり姉ぇは胸を張っていた。


「たった1ヶ月で寿司職人の資格を………」

「信じられないわ…………」

 ユカと川田先生が唖然としていた。


「まあ、私の料理歴はかなり()()ので」

 がぶり姉ぇはニコニコ顔で答えた。


 がぶり姉ぇの料理歴は億年かもしれないわね。

 このがぶり姉ぇに私とサトルは料理で勝とうとしているのだからな。これは永遠に勝てないかもね………。

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