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思い掛けない再会 14

 私達は応接室からエリサの部屋の玄関前に転移した。


「な、なに?このドアは!?」

「立派な扉だわ」

「姉貴の玄関よりも凄いぞ」


 と、3人が、玄関前で騒いでいた。


「ねえ?本当にここって寮部屋なの?間違ってお城とかに転移していない?」


「してはいないよ。ここは、王族専用の部屋ですので、豪華な扉になっているのですよ。というか、この扉で驚いていたら、中に入ったら、腰を抜かすよ?」


『うっ!?』


「それに、サトルとメアリーは死後に親の黄金神殿で暮らすから、この程度で驚かないように」


「あっ!?」

「お、黄金神殿って?」

「山瀬さんは神聖王様の住居に行っていたの?」


「ええ、生身で神界に行って親達が住んでいる場所も見ましたよ。外観も内装も全て黄金で建てられている広大な神殿でしたよ。もう目がチカチカして大変でしたよ」


「そんな建物に私達が死後に住むの?」


「そうだよ。まあ、全ての部屋を見た訳ではないけど、部屋は普通だったよ。ま、神聖王という神の王の威厳だね」


 そう言ってから、ブザーを鳴らしすと、バーストさんが出迎えて来てくれた。


「お帰りなさいませ」


 バーストさんは頭を下げる。


「うん、ただいま。この人はエリサの執事長をやっているバーストさん」


「バーストです。お見知りおきを」


「で、私達の中等部の時の担任教師だったナオ川田先生」


「ナオ川田です」


 先生は頭を下げた。


「こちらこそ。では、中へ。ご案内致します」


 バーストさんの案内で父さん達が居る食堂に通された。もうそろそろ、食事の時間か?その間3人はキョロキョロと辺りを見回していた。

 バーストさんが扉のノックして、

「失礼致します。聖様とお客様3名をお通しします。どうぞ」


 私達は食堂に通された。


「なんだ?お客とかいっていたがサトルとメアリーではないか?」


「あっ!お兄ぃ!メアリー姉ぇ」

「兄貴!」


 舞と更夜がこっちに来た。


「お客様はこの人よ」


 私は川田先生を前に。


「えっ!?」

「か、川田先生?どうして…………?」


 ユカがびっくりしていた。


「久しぶりね?柏原さん」


「どうして、川田先生が?」


「ああ、実はわね……………」

 先生が自ら皆に説明をした。

「……………という訳なのよ」


「さ、3年前にこの世界に?学校で行方不明だとの噂がありましたが………もう既に………」


 ユカがそう言っていたが、私とサトルは知らなかった。


「ええ、で、今日、偶然にも山瀬君と出逢ってね。山瀬さんに逢うために来たのよ」


「そうでしたか………」


「この人がお姉ちゃんが話をしていた担任教師の人なんだー」

「こちらに来ていたのですね」

「…………聖の」


 そう言いながら、マリア、リク、エルフが私の所へ寄ってきた。


「山瀬さん?この3人は?」


「この3人は私と一緒に住んでいるのよ。で、こちらがマリアとリク。この2人は私と同じ歳だけど、私の妹分になっているの。そして、エルフ。エルフは、エルフ族の元女王様なのよ」


「えっ!?エルフ……族?………エルフって、この世界に存在していたの!?」


「ええ、後、ヴァンパイアの真祖もいるわ」


「ヴァ、ヴァンパイアまで!?って…………そのヴァンパイアは大丈夫なの?」


「ええ、大丈夫ですよ。真祖だけあって、人間の血は吸いませんよ」


「そ、そうよね?じゃないと山瀬さんが既に退治しているわよね?」


「ええ、そうですね。って、ちょっと3人共、なに私にイチャツイているのよ?今、お客がいるでしょう!?」


 私が話をしているのに、この3人はなにを思っているのか私にイチャつき始めた。


「だって~」

「お姉さま〜」

「………聖好き」


 鬱陶しいわ!!


「鬱陶しい!!お前達は聖を連れて別の場所でやっていろ!!」


 父さんがキレたが、オイ!3人を止めてろよ。なに逆に奨励しているのよ。


 それを聞いた3人が、『はーい』と返事をして、私を別の部屋へと連れて行く。


「ちょっと!?」


「へへっお姉ちゃん♪行きましょう♪」

「お姉さま愛しましょう」

「…………大丈夫。私、この学園祭で色々と覚えた」


 エルフが不吉な事を言い出した。


「ちょっと!?エルフさん!?学園祭でどこに行ってきたの!?それに色々と覚えたって?オイ!!」


 私は3人に引きずられて連れて行かれた。


「………………」


 ナオはこの光景を見て唖然としていた。


「気にするな。いつもの光景じゃよ」


 ヒルドは呆れ顔で言うと、


「そうね。あの子達は自分達の部屋だろうと私の部屋だろうと聖にイチャつくのよね」


 と、エリサは大きなため息を吐いた。


「姉貴もあれで嫌がっていないよ。もし、嫌がっていたら、あの3人を力付くで撃退させるし、姉貴が本気で怒れば、大人しくなるよ」


「そうなのね…………やはり、山瀬さんは元男だったから女性の方が良いの?」


「いいえ、聖にはちゃんと男性の恋人がいますよ。でも、あの子達も聖の事が好きなのよ。聖もそれが解っているから、あの3人に付き合っているのよ」


 と、王妃が言った。


「そうなのですか………でも、それで良いのかしら?その男性の人はこの事を知っていたら大変な事になるのでは?」


「いいえ、それがならないのよ。その男性は聖とマリアの兄ですからね。妹達を怒りたくても怒れないので」


「お、お兄さんが山瀬さんの恋人って?そ、それって拙いのでは?」


「兄と言っても、聖はその家庭の養子ですから問題はありませんよ」


「ああ、なるほど。山瀬さん達は、亡くなった歳で転生をしたから………」


「そうですよ」


「恋人が居るなんて羨ましいわ。ねぇ?柏原さん?」


「えーっと、先生、ごめんなさい。私もサトルと付き合っています」


「え?…………だ、だって、山瀬君はメアリーさんと……………?え?」


 唖然とするナオ。


「実は俺も3人と付き合っているんだよ」


「は?さ、3人って?あ、後1人は?」


「あたしです」


「はぁ?実の妹と付き合っているのって?それって……………」


 ナオはあまりの衝撃を受けて言葉が続かなかった。


「舞と俺は既に兄弟ではないよ。俺は一度死んだのだからな。そして、この身体は俺自身が前世に似せて創った身体だ。だから、俺と舞との血の繋がりは無いんだよ」


「あっ!?」


 サトルの説明にハッとして気付いた。転生をした時点で、オリジナルの身体は既に荼毘に付されている。


「そういう事。だから、あたしはお兄ぃと結婚が出来るんだ」


「で、でも、1人の男性に対して3人って…………」


 それでも納得が出来なかった。


「先生、ここは、日本ではないんですよ。私達は話し合って、お互いにサトルを愛し合いましょう。と決めましたので」


 ユカがそういうと他の2人も頷く。


「でも………一夫多妻は………」


 この王国の宗教では一般王国民には認められていなかった。シスターであるナオはそれを知っていた。


「構わない。サトルは神聖王様のご子息だ。我が王国の法律外だ。それに我が王国の宗教は神聖王様あっての宗教だからな。ご子息であるサトルには適応対象外だ」


 今まで成り行きを見守っていた国王がそう言った。

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