思い掛けない再会 13
「ま、一応の解決はしましたので、それで良いではないですか?それに今後の先生の事を話ましょうか?」
「え?私の事…………?」
「はい。私に会って、このまま、さよならはないでしょう?ここには丁度両親が来ていますし」
「えっ!?父さん達が居るのかよ!?」
サトルがびっくりしていた。
「ああ、いきなり来たようだ。それに国王陛下達も居るから」
「あっ!?だから、ステラ先生は口を濁したのか?川田先生に聞かせたくはなかったようだしな」
「ああそういうことか?後々の展開がどうなるか分からないから、先生は言わなかったのか?」
「かもな?」
「な、なに?豪華なラインナップは?」
川田先生が唖然としている。
「サトルから聞いているか分からないけど、今日まで学園祭があって、最終日なので、陛下達、御一家が来たのです。そして、ここには、王女が通っているので、まだ居るのですよ」
「ああなるほど。その王女様の部屋に山瀬さん達も居るのね」
先生が納得した。という事はサトルから聞いているという事か。
「そうです。一番広い部屋ですのでね。という訳で、先生には両親と陛下達に会っていただきます。そして、先程言ったように先生の今後の人生を決めて貰います」
「わ、私の今後の人生?」
「はい、先生はなんらかの理由でこの世界に来たのですよね?もし、地球に帰りたいのなら、母に頼めば、地球に帰る事も可能の筈です」
「ち、地球に帰られるの?」
「先生が望めばおそらく。ただ、3年の月日が経っていますがね」
「3年…………」
「先生は今現在行方不明扱いになっていますがね」
「でしょうね………。帰れないと思っていた地球に帰れるのね………でもね。私よりも20年以上前にこの世界に来てしまった日本人が居るのよ。その人を置いて私が勝手に帰る訳にはいかないわ。それにね、今、私はその街でシスターをやりながら、子供達に学習を教えているのよ。山瀬君とも話したけどね、この国は学校がここだけで地方の子供達は到底学校に通えないと言っているわ。だから、私はこの世界に来たのは運命だと思ったわ。教師だった私が学校に通えない子供達に学習を教える事が私がこの世界に来た理由だとね」
「先生はそう自分自身に言い聞かせてこの3年間頑張って来たのですね?」
「そう私は頑張って来たわ。この国の言葉も覚えたわ。この世界は日本とは違って不便だわ。火も火打ち石で着けないといけないし、電気が無いから電球が無くて部屋が暗いしスマホが使えない。トイレは和式で、拭く紙もゴワゴワで痛いわ。お風呂もシャワーが無く、髪の毛を洗うシャンプーやトリートメントが無い、身体を拭くタオルもゴワゴワで痛い。食器を洗う洗剤は粗悪過ぎてまったく使えないわね。洗濯も手洗いだから時間をかけても汚れがしっかり落ちないわよ。娯楽施設もまったく無いし、服もバリエーションが少ない、お化粧も充実していないわ。後、爪切りも使いにくいわ」
と、次々と愚痴が出て来た。
「そこまで、言わないでよ。私達はずっとその環境で暮らしているのだから。私達は旅の大道芸人だから、もっと酷い環境で過ごしたわよ!!今は、ヤジリが居るから、そうでもないけど…………」
たまらず、メアリーが反論した。そして、メアリーはこうも言った。
「確かにヤジリが魔法を使えるようになってから、私達の生活環境は数十倍は良くなったわ。その環境で過ごすと、以前の生活環境には戻れないわ。今まで、私達は過酷な環境下で過ごしてきていたのと、思うくらいにね。逆にヤジリ達がどれだけ恵まれた環境下で過ごしてきていたのも分かったわ」
「でしょうね。山瀬君達が居れば、日本と同じくらいの生活環境下で生活が出来ると思うわ。でもね、こんな暮らしでも慣れればどうってことは無いのよ。さっき言ったのは最初来た頃の話よ」
「えっ!?」
メアリーが驚く。
「人間って、環境対応は凄いのよ。物がなかったら工夫したり代用を使ったり、自分で開発もするのよ。幸い私は専攻が生物学だから、その知識をフル活用して自分で使う物を作ったりもしているわよ。日本に居る時よりも楽しく暮らしているわ。だからね、私は地球には日本には帰らないわ」
私は「そうですか?」としか言えない。私はただ先生に選択肢を提案しただけだから。
「ええ。山瀬さんの申し出は嬉しかったけどね。まあ、両親に逢いたいいうと未練は残るわ」
先生は寂しく言った。
「そうですね。ご両親がまだ健在ならそうですね」
「ええ………突然だったから………少なくとも、私は無事で元気だよと伝えたいわ」
「分かりました。それらを含めて、両親の所へ行きましょう。それにここで話しても進みませんので」
「分かったわ。けど、山瀬君?あなたは、外見とは別に女性らしくなっているわね。言葉つかいも女性の優しい言葉だわ」
「ありがとうございます。私も結構苦労をしましたよ。転生した直後は、俺や男言葉を使っていましたのでね。サトルに私の男部分をあげてから、やっと、この様な言葉つかいが出来るようになりましたよ」
「そうなのね?山瀬さんは山瀬さんで苦労をしていたのね」
「そうですね。転生したら男から女に成っていましたのでね。初めてこの姿を見た時は『なんじゃこりゃー』と大声で叫びましたよ」
私は笑いながら答えた。そして、
「今はこの姿が私ですので、受け入れていますがね」
「そうなのね。山瀬さんは強いわね。私だったら、パニックを起こした後にショックを受けて、何処かに引き篭もるわね」
先生がそう言うと、サトルとメアリーも頷いた。
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