王女様からの依頼6~まだまだ話は終わってはいないが~
「全員、見事に固まったわね?そんなに衝撃的だったのかな?」
「そうじゃないの?岩のように固まっているし」
4人がこうなったということは聞いて後悔しているということか?
「あっ!お姉ちゃん、夕食なんだけど、私、ハンバーグが食べたいな?」
「ハンバーグね?分かった。今日はそれで」
「わーい!やったー!お姉ちゃんのハンバーグは美味しいから好き」
「ありがとう」
「貴女達はのん気ね?良く夕食の話なんて出来るわね?」
イヤ、だってね?俺達以外は、固まっているし、暇だしね?
しばらく、待つと。
「あ……ああー。どうして私はこんなにも不幸なんだー!!この王国の王女様よりも厄介だろう!!なんで、神様がここに、私のクラスに居るんだよ!!」
現実に戻った途端に、叫んで、頭を抱えるステラ先生。その神をクラス委員長にしたのは貴女ですが?
「現実世界におかえりなさい♪」
と、俺はにこやかに言うが、ステラ先生は。
「何故、お前は余計な事を言うんだー!!こんな事なら知りたくなかったぞ!!」
そう言いながら、俺の両肩を掴んで、ブンブンと揺すった。
だから、絶対に後悔すると言ったんだよ?
「ステラ!現実を見なさい!」
ママが先生を注意するが、
「リリカ!お前、受け入れているのか?」
「当たり前でしょう?聖が神様だろうが、聖は、私の娘よ」
「なっ!?か、神様だろう?それを娘と言うのか?」
そう言いながら絶句しそうになっていた。
「当たり前でしょう?聖はまだまだ子供よ。それに神様とか関係ないわよ!」
「…………」
先生は黙ってしまった。
次に戻って来たのは学園長だった。
「うっ!………ウム………久しぶりに、死んだばあさまに会って来たぞい。そして、回し蹴りを食らって戻って来たぞい」
と、学園長がとんでもない事を平然と言った。学園長は衝撃で固まったのではなく魂が抜けていた。俺達は大騒ぎになった。
「が、学園長!?大丈夫ですか?」
先生とママが心配している。
「ウム、大事無いぞ」
そう言ったので、ホッと一安心だなだぶん?
次に戻って来たのはエリサだった。
「エリサ、現実世界におかえりなさい♪」
エリサは俺を見た瞬間にかしこまり。
「聖。いいえ、聖様!貴女様は本当に神聖王様のご令嬢様なのですか?」
「エリサ?かしこまらないで、俺は神だけど、貴女と同じ人間として生きているのだからさ?」
「で、でも………本当に貴女が神聖王様のご令嬢なら、わたくしはそんな事はできません。何故なら、この王国は神聖王様を祀り上げ国家の宗教にしているからです」
「はぁ?ま、マジで?」
「はい。聖様も毎週日曜日に神聖王様の教会に行った筈です。そして、お祈りをした筈ですが?」
なんか、キリスト教のような感じだなぁ?
「えっ?俺、一度も行った事はないよ?ねぇ?マリア?」
「うん、私の家は無宗教だからさ。そう言えば、授業でそんな事を言っていたなぁ?私、全く興味がなかったから、聞き流していたわ」
「えっ?そうなの?」
鳩が豆鉄砲を食らった顔をしているな?
「もし、俺がこの王国で神聖王の名前を知っていたら、父にその理由を聞いていたよ?どうして、この王国に祀られているのかとね?それに判っていたら迂闊に言わないよ」
「た、確かに………神聖王様は、遥か昔にわたくしのご先祖様と一緒に造ったのがこの王国なのです。それ以来、わたくしの王家は神聖王様を敬っております。そして、貴女様が神聖王様のご令嬢様なら、わたくしの父に、国王陛下にご報告しなければいけませんし、国民に公表しないと」
「やめてくれ!!」
俺はエリサの言葉を遮る。国民に公表?ジョーダンではない!!
「俺は、この王国で穏やかに暮らして行きたいんだよ!そして、公表するなら、今朝に魔力を全開して自分で言っているよ!だが、そんな事をやれば、俺は孤独しかない!なら、俺はあのまま神に成って神界に両親と暮らした方が良い!!
エリサ!!貴女は王女の時に何故仮面を被っているんだ!仮面を被っているのは、その素顔を隠す為だろう?それと、学園に身分を偽って通っているのはなんだ?エリサも俺と同じじゃないのか?」
「…………あっ……わたく、いえ、私、聖の事を考えていなかったわ………」
エリサは謝った。
「分かれば良いよ。俺達は似た者同士だからな?」
「そうね………」
「なぁ?エリサ?改めて、俺と友達になってくれ」
「クスッ。ええ、良いわよ?でも、条件があるわ」
「条件?」
「ええ。その男言葉、やめてくれたらね?聖は美人だから、その男言葉で喋るのはもったいないわ」
「その位分かっているよ。でも、転生してまだ2週間ほどだ。意外と修正するのが難しいぞ?エリサも体験すれば判るよ」
「そうなの?」
「そうだよ。エリサは男の兄弟は居ないのか?」
「居るけどね………まだ幼いのよ。だから、分からないわ」
「そうか………」
後、学園長達にもエリサと同じように普通に接してくれと頼んだ。俺は様と呼ばれるのは馴れていないからな。
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