思い掛けない再会 7
ほぼ2人の会話の回です。
「そうか。先生は追いかけられているうちにこっちの世界に来たのか」
「ええ………私は山瀬君のように死んでこの世界に来た訳でもないわ」
「そうだな。そうなると、おそらく何処かの国で異世界召喚を頻繁に行っている国がありそうだな。そして、先生は召喚の魔法陣から外れて中途半端な状態だった為にこの王国に来た可能性がありそうだな。まあ、これは俺の予測しかないがな」
その国では失敗だろうな。それにあの先公もそうだろうな。なんらかの事故で違うあの国に召喚されたのだろう。
「召喚って?良くWEB小説やアニメとかで、異世界の人達が地球人を魔法陣から召喚するあれの事?」
「ああそうだよ。この王国もつい最近召喚を行ったがな」
「えっ?あっ!?そういえば、高札で書いてあったわ。勇者召喚に成功したと」
「ああそうだ。その召喚されたのが、俺の兄弟の舞と更夜とがぶり姉ぇ、更に幼馴染みのユカさ。で、ユカが王国の勇者だな」
「えっ!?全て山瀬君の関係者!?どういう事なの?」
「ああ、舞達は、俺が居る王国に来たがっていたんだよ。そして、この王国の王女様は更夜に一目惚れをしてな、それで、両者の思惑が一致したそうだ。で、裏で色々と動いだ結果でこうなったようだ。ま、ユカは勇者を辞退して、代わりに更夜が勇者をやる事になった訳だ」
「…………ごめんなさい………情報が多過ぎて良く分からないわ…………それに山瀬君はかなり詳しく知っているのね?まさか、山瀬君は、火の当主なの?ヒジリ・フレイム・ヤマセは、山瀬君の事なのね?」
「いいや、違うよ。そう言えば、先生に今の俺の本名を明かしていなかったな」
「え?ほ、本名………?」
「ああ。今の俺の名前は山瀬聖だ。そして、ヤジリは芸人の芸名さ。で、ヒジリ・フレイム・ヤマセは俺の姉貴で、俺と同じ、前世、山瀬聖だった転生体だ」
「えっ…………や、山瀬君が?もう一人!?」
やはり、先生も驚いている。まさか、転生して俺達が2人になるとは思わないだろうな。
「そうだ。混乱を避ける為にあえて直ぐには言わなかった。俺は死んで転生をした時に魂が何らかによって、2つに別れてしまったようだ。そして、姉貴の方が本来の転生体だ。俺の方が別れてしまった魂だ。別れた魂は肉体がなければあの世に還るしかないが、別れた魂は2度と死にたくはなかったから前世と同じ体を創って、宿ったのがこの俺だ。ま、俺自身にその記憶がない。これらは姉貴達の推測だが、あらがち間違ってもいないと思うな」
「そうなの?では、山瀬君は私が知っている山瀬君とは違うのね?」
「ああ、そうだな。先生が知っている山瀬聖はもう死んだ。ここに居るのは転生して前世の山瀬聖の記憶を持った山瀬サトルだな」
「それじゃ、山瀬君は転生してからずっと大道芸人として旅をしているのね?」
「ああ、俺を拾ってくれたのがこの劇団だった。行く所もなかったしな。この異世界を旅をするのも面白いと思ったからな」
「そうなのね。山瀬君は言葉や文字は?かなり上手に喋れているようだけど?山瀬君が転生してから大体半年だよね?私が半年といったら、まともに喋れていなかった時期だわ」
「そうなのか。実を言うと、今でも俺はずっと日本語で喋っているんだよ。しかし、人が聞くと何故か、この王国の言葉になっているんだ。文字も割りと最初から読めたな」
「えっ?そうなの?私にはこの世界の言葉に聞こえるわ」
「そうだろうな。姉貴は転生して直ぐに魔法を使ってこの世界の言語を喋れるようにしたそうだが、これは元々俺達に備わっている能力だ。俺達が異世界に行っても勝手に言語を訳しその国の文字を解るようにしてくれるようだな。これはがぶり姉ぇも知らなかったようだがな」
「そうなの………良いわね?私は未だに分からない言葉もあるし、上手く言えない言葉もあるわ………。話は変わるけど、山瀬君のお姉さん?というか、もう一人の山瀬君はどうして貴族に成れたの?」
「ああ、国家が直面した難題の事件をこの半年間に立て続けに解決したのさ。その褒美で貴族階級に成れたのさ」
「そうなの?山瀬君が…………そこまで凄いとは思わなかったわ」
「そうだな。俺も思ってもいなかったな。ま、姉貴は魔力量がとんでもないからな。姉貴一人で、小国一国を消滅させられる力を持っている」
「えっ!?山瀬君が………では、貴方も?」
「イヤ、今の俺にはそんな力は無い。この身体を創る為に全ての魔力量を注ぎ込んだからな。再会した姉貴に魔力を分けて貰って魔法が使えるようになったが、再会する前は全く魔力が無かったが、修行をして今ではかなり魔力量がある」
「修行?」
「ああそうだ。修行しないと、魔力量が増えないから、姉貴達と一緒に修行をしているんだよ。その時に情報交換をしているんだ」
「山瀬君達は修行をしているのね?」
「ああそうだ。俺は大道芸人だからな、大道芸をやって行く為には身体を鍛えていかないと大道芸が出来ないし、それに魔法が使えるようになったんだ魔法の修行もしないとな。後はがぶり姉ぇとも再会したから、姉貴と一緒に料理の修行もしているんだ。そして、姉貴はカフェでコックをして客に自分の料理を提供しているんだよ」
「えっ!?山瀬君は貴族ではないの?それにカフェでコックって?」
「姉貴が養子に成った所がカフェも経営しててな、姉貴が料理を教えてから凄く繁盛してな、そのマスターが忙しいから土日限定でヘルプとしてコックをしているんだよ。貴族経営は、姉貴がまだ未成年という事もあって代理人とがぶり姉ぇがやっているそうだ。姉貴は学校に通っているのでな。ああ、そう言えば、最近、その学校の教師になったと言っていたな」
「は?」
先生が唖然としていた。
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