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王女様からの依頼5

「闇貴族を潰すのに力を貸してくれますか?」


 と、エリサが俺達に訊ねて来た。俺達3人は頷き合い。ママが代表で。


「王女様の依頼をお引受けします」


 学園長も。


「この依頼、学園としてお受けしますのじゃ、行方不明者の件はワシらの方でも調査が難航して限界に達していたのじゃよ。それに今年の魔道鉱石の件ものう………」


 学園長は口を濁す。


「確か、今年は魔道鉱石の数が足りないとかで遅れるとか?」


「実は違うのじゃよ。魔道鉱石の数は十分の数があるのじゃよ………やろうとおもえば今すぐにでも出来るのじゃよ」


「ならどうして………?」


「判らんか?闇貴族が自分の息子ガルーガの魔道鉱石を純度が高い最高級なモノにしろと言って来たのじゃよ。そんな馬鹿げたモノ用意なんか出来ぬ!第一そんな純度が高い魔道鉱石を採掘が出来たら、いの一番に王家に献上されるわい!!それに、表おろか闇オークションでさえ出回らないモノを学園が用意が出来るか!!」


 学園長が興奮しているが、頭に血が登ると血管が切れるぞ?


「た、確かに………というより、私達、王家でもそんなシロモノは見たことがありませんが?」


 オイオイ?闇貴族は学園に無理難題をけしかけているな?


「ならさ、さっさと退学させれば良いだろう?そんな馬鹿げた話があるか!」


 俺はそう言うが。


「そうしたいのは山々じゃかのう。ガルーガを退学させれば闇貴族達が怒り狂って学園を攻めて来るやもしれんのじゃよ。戦になれば、罪がない子供達が死ぬやもしれん。ワシは学園長として子供達を犠牲には出来ぬよ」


 学園長は悔しそうに言った。


「それにな、そんなモノを用意なんか出来ないから、まだ、純度が良いモノを選別している最中なんだよ。そいつをガルーガに渡すんだ」


「おそらくは納得はせぬじゃろうな………」


 学園長と先生は溜め息をする。


 仕方ないな。俺がしてやるか。


「分かった。私がなんとかしよう。だが、魔道鉱石を見たことがないから、どんなモノだか分からない」


「えっ?」

「なに?」

「どういう?」


 エリサや学園長達が分からないという顔をしている。


「私がその見た目は純度が高くて実は質が低く最低な魔道鉱石を創ると言っているんだ!」


「ああ!なるほどね?聖なら創れるわね?」


「うん。お姉ちゃんから創れるかも!」


 ママ達は納得しているが、エリサ達は訳が分からないという表情をしていたので、ママが「聖は創造魔法の使い手です」と、言った。


「そ、創造魔法の使い手じゃと?」


「そうですよ。こんな風に」


 色んなモノを創り出す。


「す、凄いわ!聖、貴女は一体何者なの?」


「本当の私の事を知れば、きっと後悔するよ?」


 俺は警告する。


「どのような後悔をするのですか?」


 今まで、黙って、状況を見守り続けていたバーストさんが話しかけた。


「バ、バースト!控えなさい!」


 エリサが注意するが。


「いいえ、この者は、王女様に対して尊敬の念が足りません。寧ろ、王女様を軽視しています!」


 軽視ね?そんな事はないがね?


「バースト!貴方の方こそ聖に対して失礼ですよ!それに聖は今まで山奥で暮らしていたのですよ!」


「聖?王女様にそんなウソを付いたの?」


「イヤ、咄嗟だったからさ。私、初日にキレて、クラスメートの前で1億の魔力を放出しちゃってさ……」


「お姉ちゃんは私の為に怒ってくれたのよ」


「えっ!?山奥はウソなの?」


「そうだよ。ま、私の本当の正体を知ったら、後悔するのは本当だよ?どうする?聞く?聞かない?」


「聞くわ。リリカさんやマリアは聖の正体知っているの?」


「うん、昨日の夜に知ったわ」


「私は今朝知りましたが、私達は聖に対しては普通に接していますよ」


「えっ?昨日の夜に今朝って?えっ?リリカさんは聖に今朝会っているのですか?」


 ま、普通はありえないだろうな?


「ええ、マリアにも会っていますよ」


「それに、私達は同じ部屋で暮らしているのよ。寝る場所も一緒だよ」


「訳分からないわ?本当、聖って何者なの?」


「後は、学園長とステラ先生は?どうしますか?」


 エリサの問いかけを後回しにして学園長達に聞いた。


「聞こう。ワシも知りたいのう」


「私もだ。ま、嫌な予感はするがな?実はお前もエリサと同じ王族の予感がな?」


「えっ?聖、そうなの?貴女も王族なの?」


「あっ?そういえば………そうかもね?ま、いい、順番で話すよ。まずは、俺は元々男だ!違う世界で死んで、この世界に女として転生して来た」


「えっ?聖は元男なの?」


「そうだよ。前世の記憶を持って、転生したのは約2週間前だ!だから、男言葉が抜けない」


「なるほどね?だから、普通に俺と言えるんだ?」


「それが、貴方の秘密ですか?それのどこが後悔するのですか?」


バーストさんが嫌みったらしく言う。


「ま、昨日までなら、俺はそんな事は言わない!昨日、この体の異変が起きた。エリサとマリアは知っているが、その後、俺は、この体を創った神に会うために神界。神が住む世界に行ってきたよ」


「はぁ?」


「な、なんじゃと!?」


「し、神界が本当にあるの?」


 4人の驚き方は尋常ではなかった。


「あるよ。人間が死んだら行けるかも知れないな?実際、行ってきたがな。だけど生きている人間は立ち入り禁止だよ。だから、連れて行ってくれと言っても連れて行かれないよ。俺は、神に追放されたからさ」


「つ、追放されたの?」


「ああ、体の異変を治して貰った後にな。遥か昔に俺と同じように生きた人間が来たんだと、しかし、天使達を殺して、天使達の力を得て、神界の宝を奪ったようだけどね?その直後に神に殺されたみたいだ。だからかな?神界に住む天使達は未だに生きた人間を恐れているのさ。俺が人間と分かった途端に大騒ぎだからな」


「そんな事があったのね?それで続きがあるのでしょう?治してくれた神様は誰なの?」


「ああ、俺の体を治してくれた神が、俺の父親だったのさ。俺は神だったのさ」


「えっ!?聖は神様なの?」


 エリサが辛うじて言葉に出しているが、ママとマリア以外は、全員、顔面蒼白になりつつある。イヤ、バーストさんが一番酷い。


「そうらしいな。まあ、父親はただの神ではなくて、主神をやっている神だったのさ。俺もそれには驚いたがな」


「え゛っ?しゅ、主神!?その神様の、め、名称は?」


 エリサの声が震えている。


「ああ、神聖王と言っていたな?」


 俺がそう言うと、4人は一斉に固まってしまった。現実を受け入れきれないみたいだった。だから、後悔すると言ったんだ。

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