学園祭3日目 2
「リク様?私達、村に残って居る者もやはり外に出て色んな事を学んだ方が良いのでしょうか?先ほどの壁画の事も私達は知りませんでしたので………」
と、私はそう言いました。他の人達も頷いていました。
「そうですね。私もお姉さまから教えてくれなければ知りませんでしたね。しかし、知らないからと言って、それを恥じる事はありませんよ。私達はつい最近まで、あの小さな村でしか生活をしていませんのでね。知りたい事は、徐々に知った方が良いのですよ。いっぺんに知識を入れようとすると頭が混乱してしまいますのでね。私がそうでしたね。やはり、知らないモノばかりでしたので、お姉さまにあれこれと聞きましたが、頭の処理が追い付かずに混乱状態に陥ってしまいましたよ。だから、ゆっくりと焦らずに学んで行けば良いと思いますよ。村の事だって重要ですからね。ラキさん達、若い人達が全て居なくなれば、村自体が滅んでしまいますよ。お姉さまが族長をやっている意味が無くなりますよ」
「それはそうですが………」
言葉を詰まらせました。やはり、知識は必要不可欠と知った今、どうしても、覚えたいのと焦りが出てしまいます。
「それならば、お姉さまに相談してみましょうか?ラキさん達、村の人達が知識を身に付けたいと言って」
リク様がそう提案をしました。確かにそれはいい考えです。聖様ならば、私達を良くしてくれる筈です。
『おおっ』
「お願いします」
私達はリク様に頭を下げました。
「はい。では、次の場所に行きましょう」
「はい!」
子供達が返事をしました。私達は色々と場所を周り見学をしました。リク様が、「先生の話によるとこういう見学も学習の一つだと言っていましたよ」と、私達に教えてくれました。確かに、室内に貼ってあるモノを見ると、私が知らなかった事も書いてあります。こういうのを見て覚えるのも知識を得る一つなのですね。と、リク様に言うと、
「そうですよ。ただ見るだけではなく、自分の知識として覚えるのも学習ですよ。いま思うと、父が皆さんに何も学ばなくても良いと言ったのは、余計な知識を付けられると拙い状態になると危惧したのでしょう…………」
リク様は寂しく言いました。
『……………』
私達はその事に関しては言葉をかける事が出来ませんでした。私達も被害者ですが、身内だったリク様が一番の被害者ですから。
しばらくして、お昼の時間に迫って来ていましたが、私達はリク様達の教室という所に向かっていました。なんでもリク様はお昼ご飯の時間帯は給付係りの担当をしないといけないみたいです。リク様も大変です。
リク様の教室に行くと、
「おおっ、イスレイにリクか」
「リク、イスレイの子守りありがとう」
と、椅子に座っている陛下と王妃様とローランさん、テレサさん夫妻が廊下に居ました。後は、老人とマリア様のご両親のファルコンさん、リリカさん夫妻。兄のガイさんと後一人知らない男の人が居ました。
「いいえ、午後も案内をしますし、途中でお姉さまも加わりますので」
と、言いました。そこに、
「おお、丁度良かったな」
「皆さん、ご無沙汰しておりますね」
と、ミカエル様達を伴った2人の夫婦が来ました。この人達は一体?辺りを見回すと全員が困惑気味な表情を浮かべていましたが、リク様が、
「もしかして、父上と母上ですか?」
と、2人の夫婦に聞きました。
「おっ!さすがリクだな。俺達と良く分かったな?」
「そうですね。ミカエル達を率いていますが、私達は顔と気配を変えていましたのに」
「まあ、勘ですよ。では、私は給付係りがありますので、いったん失礼しますね」
リク様はそう言って、教室に入っていきました。
○●○
ガブリエルです。
今日の私達の予定は、学園祭には行かずに、聖さん達の帰りを待つだけで、1日中部屋でのんびりしましょうか?と4人で一致してのんびりとリビングでくつろいで居ると、突然、神聖王様と王妃様がやって来ました。そして、聖さん達の学園祭に行くと言い、私達がその同行をする事になりました。
これで、私達の1日中のんびり計画はあっという間にご破算となりました。そして、行く前に世間に自分達の顔が知られているので、顔と服装を変化をさせて、聖さん達の教室へと行く途中に色んな場所を見学をして、この時間帯に来たら、国王とその家族とマスターの家族、そして、村の人達と学園長がいました。
神聖王様達は声を掛けましたが、誰一人と分からない様子でしたが、リクさんだけが辛うじて解ったようですね。そんなリクさんは、気まずいと思ったのか逃げるように、教室に入っていきましたが、まあ、元々給付係りですから、仕方ありませんね。
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