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王女様からの依頼4

 俺達が王女様に『貴女はエリサか?』と、聞いたが、王女様は沈黙してしまった。


「黙っているとなると、そうみたいだね?エリサ?さっさと正体明かしたら?というか、私は最初一目見た時から判っていたよ」


 マリアはそう言った。一方、王女様は「ハァー」とため息をはいてから、仮面を取ると、銀髪が金髪へと変わり。


「良く私だと判ったわね?マリア?そして、聖も?」


 王女様はエリサの声で、そう言った。


 マリアは、


「そのくらい判るわよ。一体、何年、親友でいると思っているのよ?」


 そう答えた。


「そうね?で?聖はどうして?」


「んー。ただの推理だよ。エリサは走って帰って行き、その後、私達が呼ばれ、行ってみると、ママまで居る。そして、私達の関係を知っている人達は限られているよ。で?私達を呼んだ理由は?」


「至ってシンプルよ。リリカさんのギルドが請け負う事になると事件に巻き込まれる可能性があるから、なら、友人である貴女達を最初から私から話した方が良いと思ってね?でも、既に巻き込まれているわね?」


「そうだな。巻き込まれるな。で?仮面を被っている理由は?」


「この仮面は変身魔法が仕込まれていて、私の姿と声を変える事が出来るのよ。この姿を他の貴族達に見られたくないからね。特に闇貴族の連中にはね………。でも、この仮面を被っているせいで、色々と陰口を言う輩連中がいるけどね」


「なるほどね?名前はどっちなの?」


「どちらも私の名前よ。正式名はエリサ・クレア・ファーネリアというのよ。素顔の時はエリサ。王女の時はミドルネームのクレアを使っているのよ」


「なるほど?エリサの正体を知っているのは、パパとママや学園長、ジェーン先生と担任のステラ先生か?」


「そうじゃよ。後の教師は知らぬよ」


「なるほどね?パパとママは王家関係者だったの?」


「いいえ、私達は王家の近くで仕事をやっていた事があったのよ。それで国王陛下夫妻とは昵懇じっこんでお世話になっていたのよ。その関係で今でも、私はたまに宮殿に呼ばれる事があるのよ」


「そうだったの?知らなかったわ」


「そんな事をマリア(子供)達に言える訳が無いでしょう?」


「そうだね?じゃあ?ステラ先生は初等部からずっとだったのは?」


「知っている教師は少ない方が良いのじゃ、それにのう。リリカ、ジェーン、ステラの3人は昔からの腐れ縁じゃよ」


「ママ、そうだったの?」


「そうよ。マリアに何があったら、遠慮無くガツンと言えるのよ」


「なるほどね?」


「私はあの当時は断ったのだぞ!嫌だ。と、そうしたら、学園長、ジェーン、リリカが、私を責めて、こうして、無理やりやらされているんだ」


 ステラ先生は喚き散らす。


「その隈は、気苦労?」


 俺が聞いた。


「イヤ、単なる睡眠不足だ!私も忙しいんだ!寝る時間を削って仕事をやっているのに、エリサという王女様が何故私のクラスに居るんだ!!」


 頭を抱える先生。ついでに神の俺もいます。


「その割には、先生は普通に接していたよ?」


「それは私が普通にして下さいと言ったのよ。正体を隠しているのに、私に対して敬語では本末転倒でしょう?」


「確かにね?マリアはエリサが王女様と判っていたのでしょう?」


「うん。言っても、中等部の途中からだよ。でも、王女様と判っていても私は変わらないよ」


 なるほどね?俺の正体を知っても動じないのはその免疫力が付いていた為か?


「ありがとう、マリア。でも、途中からバレていたのはイタいわね。私の設定が貧乏貴族でしょう?なんか私がそう演技しているのが痛々しく思っていなかった?」


「うん……思ったよ。でも、それを言う訳にはいかないでしょう?言ったら最後、私達の関係が壊れてしまうと思ったからね?」


 マリアはエリサとの関係を壊れてしまうのを恐れて、言えなかったのか。


「マリア、黙っていてくれてありがとうね」


「良いわよ。私は友達を失う方が凄く辛いからね」


 そして、


「話が逸れてしまいましたが、闇貴族を潰すのに力を貸してくれますか?」


 エリサが俺達に問いかけた。

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