学園祭初日 7
これで終わらそうと思って書いていたら長くなり、更にまだ終わらない(´;ω;`)
「失礼します」
と言って、私達は陛下達の私室に入った。私室には陛下1人だけだった。王妃様はおそらくイスレイくんの所に行っている。
「フレイムよ。人1人殺したそうだな?」
「はい」
「お待ち下さい陛下!フレイム卿は正当防衛でございます!」
と、咄嗟に冢宰が私を庇った。
「分かっておる。フレイムが、私利私欲だけで人の命を奪う事はしない事を。だが、余の名をもって命ずる!フレイムよ。今後一切なにがあろうと人間の命を奪う事を禁ずる」
と、陛下にそう言われてしまった。私はつい先程に裏の暗殺を請け負うと心に決めたのに………。
「………私は聖殿に殺人をさせた事で神聖王様に顔向けが出来ません。聖殿、申し訳ありません」
と、陛下が私に向かって頭を下げた。これは、陛下が私を神として見ている時の口調だ。陛下は余程、私にこれ以上人殺しをさせたくはないとの決意だ。頭を下げて請うならば、私も応えなければならない。
「陛下、頭を上げて下さい。陛下が私に対する気持ちは十分に分かりました。しかしながら、今回は…………」
と、冢宰に説明をした事を陛下にも説明をした。
「今回の件はそういう意図があったのか。確かに、貴族達に対して何回か見せじめを行ってきたが、聖殿に対して下級貴族共は舐めきった態度を未だに示している。そして、今回の件が公になれば、下級貴族おろか他の貴族達にも聖殿にちょっかいを出す者が減る。そして、舐めきった態度も減るだろうな」
と、陛下が私の行動を理解してくれた。
「しかしな、聖殿。やはり、聖殿には二度と人殺しをさせたくはないのだ。頼む!私の前で誓ってくれ!」
と、陛下は再度、頭を下げた。
「分かりました。陛下の御前で不殺を誓いましょう」
私がそう言うと、陛下は「ありがとう」と礼を言った。
「へ、陛下!?これはどういう事ですか!?陛下がフレイム卿に臣下に頭を何度もお下げになられるなんて、こんな事は前代未聞の事態ですよ!!」
冢宰がパニックを起こす寸前だ。
「聖殿はな。余のただの臣下に非ず。聖殿はいや、聖様は神聖王様のご令嬢なのだ!」
「は?えっ!?…………へ?」
陛下の突然の告白で頭の処理が追い付いていないようだ。冢宰はついにパニックを起こしていた。
しばらく経って冢宰は落ち着きを取り戻した。
「へ、陛下?本当に………いいえ、真実なのでしょう。しかし、どうして、神聖王様のご令嬢様が?」
と、私を見ながら言った。
「ああ、私は転生してここに来た。ま、偶然だよ。もっと言えば転生する前は私自身人間だと思っていたのだがね。ここで神でしかも、神聖王の子供と発覚したんだよ」
「そうなのですか?しかも凄く軽く言っていますね?私からしたらとんでもない話でまだ頭が混乱していますが?」
「だよね。だから、陛下達には私が神でしかも神聖王の子供だと公表をしないで欲しいと頼んだのさ。賢い冢宰殿はその事が分かる筈だ」
「最悪のシナリオは、現王族派と貴女派と別れての内乱……ですか?」
「そう。私達が望んでいない内乱が勝手に起こるのを懸念しているのさ。この王国は父と陛下のご先祖によって造られた国だ。その国で、子供の私と子孫の陛下が争ってどうする?」
「確かにそうですね………では、貴女様が主神と言っていた真意は様を付けたくなかったという事ですか?」
「そうですよ。自身の身内にしかも名称に様を付けるのはかなりの抵抗がありますよ。そして、宗教も一緒です。誰が、自分の父親を拝めますか?私にしたら父は生きているのですからね」
「そうですね。私もそう思いますね。もしも自分の身内が祀ってあるの宗教には死んでも入りたくもないですよ」
「でしょう?だから、私は入らないのですよ」
「なるほど。貴女様の疑問が解けました。どうして、陛下やその御一家が貴女様を保護をし優遇していたのか。更に、エルフ族問題で、陛下が貴女様を単独で指名をしたのか。それは、貴女様が神様である事を知った上で依頼をなさっていた、神様に敵う敵はいないからですか。まあ、あの殺しを見れば、嫌でも納得致しますよ」
「そうですね」
「そして、貴女様が貴族に成られたのも神様だからですか?」
「それは違うぞ!確かに聖殿は神様だ。だがな、余は聖殿の人柄や才能があるから採用したのだ。聖殿には、弟君がいるが、余はその者を採用していない。余が殿とお呼びしているのは聖殿お一人のみだ」
「左様なのですか………」
信じられないという表情をしている。
「そうだ。余はな、この王国に利益に成らない者をけして採用はしない。仮に聖殿が平凡ならば、貴族に、ましてや、5大貴族の一角や侯爵の地位を与えない。更に余は、何も能力が無い聖殿を聖と言って、関わりを最小限に留めておいただろう。そして、全て依頼もしなかっただろう」
「そこまでに?しかしながら、神様の聖様に対して呼び捨ては………」
冢宰が警戒をする。
「構いませんよ。今の私は人間としてこの王国に暮らしていますのでね。だから、当初は様をやめて普通で良いと言ったのですが、陛下はどうしても私に殿を付けると譲らなかったのですよ」
「聖殿の能力が優れていると当初から分かっていたのでな」
と、陛下はそう言った。
「そうだったのですか…………」
「ああ。そしてな、ついでに言っておくが勇者として召喚した更夜とその姉舞は聖殿のご兄弟だ」
陛下は爆弾を投下した。
「は?きょ、兄弟ですと!?では?あの勇者召喚は?」
「ああ、我々の利害関係が一致して仕組んだ召喚だったのだ」
「仕組んだ?では、勇者召喚は最初から?いいえ、聖様が表舞台に現れる前から計画がありましたが?」
「そうだが、途中でな、聖殿のご兄弟が我らの世界に行きたいと。そして、我が娘クレアは弟の更夜に一目惚れをしたと、言って来てな」
「だから、利害関係が一致したのですか?では、本物の勇者様は?本物の勇者は召喚されていなかったと?」
「イヤ、しっかりと召喚されている。聖殿の幼馴染みのユカ柏原が我が王国の真の勇者だ。しかしな、更夜も神聖王様の御子息だ。本物の真の勇者よりも遥かに強い。それにユカ自身が勇者を辞退した。自分は勇者の器ではないとな」
「そうだったのですか?そして、陛下は身内である聖様を保護者にご推薦なされたのですね。しかしながら、あの時会議でのあの言葉は?そして、聖様とサンダー卿とのやり取りは演技?でしょうか?」
「あれも本当のやり取りですよ。この世界の言葉とあちらの世界の言葉は全く違いますよ。そして、あのやり取りを全て解っていたのは、クレアだけですよ。クレアには、私があちらの言葉を教えましたので」
「そうだったのですね?話は少し変わりますが、私は地位が低かったので参加が出来ませんでしたが、旧火の晩餐会でクレア王女様が、私は神様と結婚すると貴族達の前で公言をなさったと聴きましたが、既にこの事を予測して言ったのですね?」
「そうだ。と言いたいのだが、実は違う。あの時は余達も知らなかったのだ。そして、更夜を好きに一目惚れをしたというのを随分後になってから聴いたのだ。そして、クレアと更夜達の利害関係が一致し、こうして、無事召喚となったが、裏では聖殿や神聖王様達、この前に会った天使様達が動いていた結果なのだ」
「そうだったのですね。裏でそんな暗躍をしていたとは………」
冢宰の顔には悔しそうな表情が浮かんでいた。冢宰は冢宰で勇者召喚の為に懸命に動いていたのだろう。
「勘違いをして貰っても困る。こちらでは勇者召喚と言っているが、あちらの世界では、行方不明者として、世間一般では大騒ぎになっている。私達の当初の計画では、本物の勇者はさっさと元の場所に還す予定だった。ところが、更夜達と一緒に来たのは、幼馴染みのユカだった。私の方でも全くの予想外だったよ。まさか、この王国の勇者が幼馴染みのユカだったなんて誰が思う?そして、私は幼馴染みのユカを還そうとしたが、ユカも事情があり、あちらではもう生活が出来なくなってしまったから、私達を頼ったのよ。そして、クレアは宣言通りに神と結婚をし、女王に成れる。王家も継続するんだ。勇者召喚でこれ以上のハッピーエンドはないよ」
「しかしながら、更夜様を神様と王国民の前で宣言してしまったら………」
「ああ、大丈夫だよ。神といっても、死後に神として神聖王に認められたと結婚式の時に言うよ。それに、その言葉を神聖王自身に言わせても良いしね。両親は既に2人の結婚を認めているのでね」
「そうだったのですか!?では、お二人は将来ご結婚をすると」
「ま、そうなれば良いわね……」
「ウム。今付き合っているといってもだ。更夜が奥の手のようでな、クレアに対してギクシャクしているようでな」
「アイツは高身長だから、あちらの世界でも女達にはモテていたのだけど、そのセイもあってね女に対する苦手意識が高くてね。クレアと二人きりになると意識をしてしまうようなんだよ」
「そうなのですか?普段の生活は?ああ、寮暮らしですから、1人ですね?」
「いいや、私達、全員が暮らしているよ。私達は神だから、その部屋はどうしても、聖域になってしまうのでね。今後は、その部屋には誰も住めなくなってしまうのでね。私達は一つの部屋で生活をしているのよ。更夜は、私達家族とは慣れているので平気だよ。そこにクレアが毎日遊びに来ているから、更夜も徐々に慣れてくると良いのだけどね」
「ウム、そうなると良いのだがな」
そう言って、私と陛下が溜め息を吐いたのだった。
最近、2,000文字内に収まらない………。
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