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学園祭初日 6

『…………』


 貴族達は何も言えなかった。


「話を戻すが、私は、コイツらの謝罪で来たのではないな?これでは、ただ冢宰と政治の話をしに来た事となってしまうが?」


「そうですね。フレイム卿は私との政治を話にやって来た事になっていますね」


「一体、お前達は何?私に対して真に謝罪をする気持ちがならば、私が上座に付いて、冢宰が説明をした後にお前達から誠心誠意をもって謝罪をするのが、本来のスジというものだろう?それが、バカ娘を追放するから家を潰すのはやめて下さい。って?これが、お前らの謝罪の仕方なのか?それで、他の貴族達は今の今までそれで許して貰っていたのか?冢宰殿?貴殿が私を立場ならば、コイツらのあの主張で許すのか?」


「いいえ、許さないですね。逆に私をバカにしているのか!!と一喝しますよ」


「という事だ。それで今まで許し合っていたお前達は愚か者だな。たとえ上下関係を考慮してもだ。それと、時代は変わっているんだ。いつまでも、古いやり方が通用はしない」


「そうですね。もう、旧火と闇の支配は終わり、グランパニ公国も滅びた今は、新時代へと突入していますよ。いつまでも、古いしきたりに囚われたままでは、新時代に取り残されてしまいますよ」


『…………』


 貴族達は黙ったままだ。


「それが理解が出来なければ、貴族を自ら辞めて野に下るんだな。いずれ新時代について行けなくなるからな」


『くっ!?』


「これ以上話しても無駄だな。貴様らの処分を言い渡す!!お前達女共全員は、先程言ったように、修道院で心身共に鍛え直せ!!今のままでは、まともに社会に出られないだろうな。そして、貴様ら大人達が一番質が悪い!!非常識だ!!一般常識を身に着けろ!!出来なきゃ貴族を辞めてしまえ!!貴様らは一般王国民達と一緒に暮らしてみろ!!貴様らの非常識さが良く判るぞ」


「くっ!?言わせておけば新参者の小娘の分際で!!死ね!!」


 貴族の1人がキレ、持っている護身用の剣を抜いた。


「アホが!お前が死ね!!」


 私は瞬時にデコピンで襲い掛かった貴族の頭を破壊した。貴族は脳みそをぶち撒き、血を辺り一面に撒き散らして絶命をした。


「なっ!?」


 冢宰が絶句をする。残りの貴族達はその姿を見て失禁をする。


 そして、女共が一斉に悲鳴を上げると、宮殿に詰めていた兵士達や親衛隊がやって来た。


「何事ですか!?」

「なっ!?」

「なんだこれは?」

「く、首が無い?」

「一体どういう事ですか?」


「なに、コイツが私を襲い掛かったので返り討ちし殺しただけだよ」


 と、私答えた。


「か、返り討ち!?フレイム様が?冢宰殿!?確かか?」


「そうですよ。コヤツがフレイム卿の裁きを不服し、キレて、フレイム卿に襲い掛かった。その証拠に護身用の剣を握り締めている。そして、フレイム卿は、たった指一本で、コヤツをあの様な姿にして殺してしまったが、しかし、フレイム卿の行為は正当防衛に当たる。コヤツはフレイム卿に対して、死ねと言い明確な殺意があった」


「そうでしたか。分かりました後はこちらで処理をしておきますので」


 兵士達は死体を見馴れているので冷静でいた。


「で、あの者達は?」


 親衛隊の隊員は怯えている奴らを見てそう言った。


「女達は、全員修道院行きです。後の者達は、自身の屋敷で閉門の謹慎とする。正気に戻れば錯乱状態で最早何も出来まい」


 と、冢宰が指示を出した。


「はっ!了解致しました」


 貴族達と女達は親衛隊や兵士達に連れて行かれた。残った兵士達は死体の処理と謁見の間の掃除をしていた。


 私と冢宰は別の部屋で再度話した。


「フレイム卿?貴女程の実力者ならあの者を殺さずに制圧が出来た筈をどうして?」


「そうですね。あの程度の輩は金縛りでも良かったですが、しかしながら、冢宰殿も分かっている筈だ!私が他の貴族達に未だに舐めている事を」


「確かにそうですが………」


「あの者は私の戦闘力を示す為の生け贄ですよ。私がとんでもない戦闘力を持っていると分かれば、貴族達にもう舐めた態度もする事もないでしょう?今日もそうだった。謝罪をしたいと言っておきながらも全く私に対して謝罪がなかった。あったのは自分達の利益だけだ。そして、キレて、私に襲い掛かった。襲い掛かったヤツは私が弱いと思い込んでいたから襲い掛かった。今までもそうだ。私を見下していた貴族を見せじめにと処刑したが、全く効果がなかった。ならば、後は自身の戦闘力を示すしかない。だから、より残酷で無惨な殺し方で殺しただけだよ」


「確かにそうですね。そして、生け贄の意味も分かりましたが、しかしながら、私には時期早々だったような気がします。フレイム卿?貴女はまだ未成年者だ。これからの長い人生で、初めて殺したあの者の顔を忘れる事が出来ますか?かく言う私は戦で初めて私が殺した相手の顔をしっかりと覚えておりますよ」


「…………」


 私は黙って冢宰の話を聴いた。


「私達は貴族です。貴族は戦に出ないと行けません。火の当主に成られた貴女も例外ではありません。これから貴女の方が戦場に数多く立つ事になるかもしれません。そして、自分自身が殺した人間の顔が初めて殺した相手の顔に見えてくるかもしれない。そして、夢にも出て来るかもしれない。少なくとも私はそうですね。未だに忘れる事が出来ません」


 と、冢宰はそう語った。


「そうでしたか?そうかもしれませんね?人を殺す行為は非現実的ですからね。しかしながら、相手が殺すと言った瞬間、私も相手を殺す覚悟も決めないと、私が生き残れませんね。たとえ、実力が天と地の差があろうとも、相手が私を殺すと言ったら、私も相手を殺す覚悟と決めますよ。そして、私は殺した相手の顔は忘れますよ。この先、私はかなりの人間を殺す事になりますので、いちいち殺した相手の顔を覚えてはいませんので」


 そう政権を続けるに汚れ役が必要になる。そして、クレアの政権を支える為には、誰かが裏の暗殺をやらないといけなくなる。私が請け負うしかないか。


「貴女は強い精神をお持ちだ」


「いいえ、私は死にたくないので、私を殺そうとする人間を殺しているだけですよ」


 私はそう言った。そして、私達は陛下に呼ばれた。

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