王女様からの依頼3
仮面の王女様か?
どうして仮面を被っているのか分からないが、学園に来るとは一体?
「王女様?ワシらに話とは?」
学園長が進めてくれた。
「はい、単刀直入に言います。6大貴族の一つ闇貴族のダーク家を潰す事です」
「へぇー、昼間の馬鹿か?なら直ぐに潰して来るよ。んー。10分も有れば十分かな?」
そう言って、俺は行動を開始するが。
「待ちなさい!まだ、詳しい話は聞いていないわよ!」
ママが俺を止める。
「イヤ、詳しい話は聞かなくても良いよ。あの馬鹿は、私達に絡んで来たからさ、排除するに十分な理由だよ。それにその馬鹿の取り巻き共が、ここに来る時にケンカを売って来たから、喋るオブジェにして来た。朝まで解除は出来ないよ」
「はぁ?」
事情を知らないママ達の目が点になった。
「喋るオブジェって?」
ママが聞いた。
「なに、ただ金縛りを掛けただけさ。更に色々と出来るようになったからね?試しにやってみたのさ」
「それで出来たの?」
「まあね」
「あの?まずはわたくしの話を聞いて下さい。まだ終わってはいませんので、それから動いても遅くはありません」
と、王女様が言った。
「そうですわね。コレは失礼致しました。聖も謝りなさい」
「はい。話を折ってごめんなさい王女様」
俺は頭を下げる。
「分かれば良いのです。続けます。闇貴族を潰す理由は、裏で闇商人との麻薬や魔薬の取引があるからですよ。それともう一つ、この学園の児童・生徒達の行方不明者も闇貴族が関与しています」
麻薬は地球の麻薬成分とほぼ同じと思って良いが、魔薬はその何種類かの麻薬と魔力を混ぜたドラッグカクテル。通称魔薬と呼ばれるモノだ。この魔薬の効果は始めのウチは気分が気持ち良くなり、極楽浄土のようになるが段々と魔薬の効果が薄れていくと感情の浮き沈みがまるでジェットコースターのように激しくなる。
切れかかると、幻覚症状が出てきて、更に息切れを起こり、苦しくなる。
完全に切れると体全体がガタガタと寒くないのに震え出す。
だから、極楽浄土のような気持ちよくなりたいから、切れる前にまた魔薬を打つ。そして、辞められなくなり、最後は廃人になるか、やり過ぎによる自殺をするかのどちらしかない。
だからこそ、麻薬は絶対にやっては駄目なモノだ!!人生を棒に振る事になる!!
「なっ!?行方不明者の件もか?ワシら極一部の教師しか知らない事を王女様は知っておったのか?」
学園長が驚きの声をあげる。
「学園長?王家の情報網を見くびらないで下さい」
「ウ、ウム……」
学園長の言葉が詰まる。
「で?それだけの情報網があって、どうして、捕まらないの?決定的な証拠がないの?」
俺が聞く。
「そうです。わたくし達が独自の情報網で集めていますが、まだ決定的な証拠がありません。だから、わたくし達王家はあなた達に依頼と協力を要請をしたのです」
「なるほどね?麻薬や魔薬の件は、中央ギルドからも調査するように要請が前に出たけど、直ぐに調査の必要は無いとの取り消しの通達が出たわ。闇貴族からの圧力が掛かったのね?」
「そうです。だからこそ、わたくし達は個人的にリリカさん、貴女の私営ギルドに依頼をしたのです」
「ようするに中央ギルドも闇貴族に牛耳られているのか?」
「そうですね。言ってしまえばそうなりますね」
中央ギルドの出資者は王家の筈だ。その王家よりも巨大な権力を闇貴族は持ってしまったのか?
「質問良い?」
「どうぞ」
「どうして、王族の王女様が私達のママを知っているの?そして、私達も呼んだのは何故なの?」
マリアからの質問だった。確かに、王女様がママを知っているのは不思議だ。それに俺達を呼ぶのもだ。依頼なら、ママから通して聞けばいいが、まるで、王女様は初めっから俺達の事も知っているかのようだった…………。
「まさか?貴女はエリサか?」
俺が言うと、
「やっぱり、お姉ちゃんもそう思うよね?」
確信があるかのようにマリアがそう答えた。




