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学園祭準備 3

「カレーライスだと?(ああ、私が餓死しそうになる前に食べた物だったな。あれは本当に美味かったが、教師としては知らない振りだな)どんな食べ物だ?」


「はい…………」


 私はカレーライスを説明した。


「なるほどな。カレーライスという食べ物は単品でも食べれるが、色んな食べ物をトッピングが出来るのか?だから、カレーライス一品でもそのトッピングで色んなバリエーションの料理が出来ると」


「はい、そうです」


「委員長!そのカレーライスの試食は出来るの?」

「というより、オレはそのカレーライスという物を食べてみたい」

「私も。どんな食べ物か、どんな味がするのか食べてみたいわ」

「委員長が作る食べ物でしょう?外れはないと思うからな」

「うんうん。聴いたことがない食べ物をわざわざ学園祭に出す訳がない。絶対に美味い食べ物に決まっている」


 そう言っていた。


「そうだな。聖。明日以降でもそのカレーライスとかいう物の試食が出来るか?」


「出来ますよ」


「なら頼む」


「分かりました。試食会は明日昼食でやります。食べたい人は教室に残って下さい。試食会はトッピング無しでしますので」


 翌日。


 昼食にクラス全員にカレーライスを配った。やはり、食べた事がないから、興味があるようだ。


「何この色は?」

「茶色だけど、これって、本当に美味しいの?」

「この料理は、固形なのにスプーンのみで食べるのか?変わった料理だな?」

「ライスの上に液体を掛けて食べる料理は初めてだな?」

「ああ。でもな、いい香りがするぞ」

「あっ、本当だわ。見た目は美味しそうには見えないけど、いい香りがするわ」


 と、カレーライスを食べた事が無いクラスメイトが騒いでいた。

 カレーライスを知っているマリア達は、我関せずと既に食べ始めていた。



「おい!お前ら、こういうのは食べてから感想を言え。そして、文句も同じだ」


 と、先生が食べながら、注意する。


「だな」

「というか、既に先生や副委員長達が食べ始めているし」

「イヤ、マリアなんかもうおかわりをしているぞ」

「続けて副委員長達も一斉におかわりをしているぞ」

「そんなに旨いのか?」

「私達も食べましょう」


 マリア達を見て慌てて食べ出すクラスメイトだった。


「うっ、う・ま・いぞーーーーーー!!」

「マジで美味い!昨日、委員長が食べたらやみ付きになると言っていたけど、これはやみ付きになる」

「本当だな。この味はやみ付きになる味だ。事前に食べた事があるマリア達がおかわりするのが分かる」

「ああ、オレも早くおかわりしよう」

「それに、トッピングが付くのでしょう?このカレーライス自体だけでも美味しいのに更にトッピングが付いたらどんな味になるのか、想像が付かないわ」

「確かに。でも、少し辛いかな」

「そう?私は丁度良い美味しさだと思うけどね?」


 などと話していた。


「今回、皆が食べているカレーの辛さは中辛ですよ。学園祭には、更に辛め、今回の中辛、子供でも食べられる甘いカレーを用意するつもりよ。そして、小さい子供にはお子様ランチカレーを用意するつもりよ」


「意外とバリエーションがあるんだな?」

「一品料理とは思えないわ」

「ああ。一品料理と言った時は、それでレストランが成り立つのか?と思っていたけど、カレーライスでこんなにもバリエーションがあるなら十分やっていける」


 クラスメイトも成功を確信している。


 先生が、


「確かに、この料理で学園祭に出せば成功するだろう。しかしな。聖に質問だ。この料理は一体いくらで提供するつもりだ?お前が働いているカフェでこのカレーライスを食べれば、おそらく、最低でも800〜1,000グランかそれ以上の値段はするだろうな?このカレーは学園祭に出すレベルを超えているぞ」


 と、指摘した。


「あっ!?た、確かにな」

「このカレーライスは美味すぎる」

「プロの委員長が作ったから、学園祭のレベルを超えてしまっているのか」

「学園祭で、ガチの飲食店の同等な代金を支払うなんて誰も思っていないと思うな」

「学園祭で気軽に入ったら、ガチのレストランと遜色ない値段だったなんて思っていないよな?」


「それにだ、スイーツの値段とバランスが悪いからな。メインは高く、スイーツは安いなんてな」


 そう、シフォンケーキもワンカット100グランと想定をしている。


「そうですね。最低でも、カレーライス本体は一律650グランにして、トッピングは安くて50グラン。高いのも150グランか200グランにしようと考えていましたよ。これは児童でも払えるギリギリの値段ですね。お子様ランチカレーは、トッピングが付きますので追加トッピング無しの750グランですね」


 私の考えを言ったが、これは完全な大赤字だ。こんな商売をやったら1ヶ月も経たないうちに潰れるのが目に見えている。これを真っ当な商売をするなら、カレーライスは倍の値段設定で、トッピングは最低でも約3倍の値段でやらないと商売にならない。


「やすっ!」

「ああ、このカレーライスを食べたら、そう思う破格値段だ」


「私、その値段なら後2杯はおかわりするわ」


 と、マリアが言った。


「それ食べ過ぎだわ。でも、それだけ、美味しかったわ」


 ユカが言った。


「そうだな。ならば、スイーツの値段も各50グランつづ上げるか。学園祭といえども、安すぎてもいけないしな。飲み物は据え置きだな」


 と、先生が言った。そして、着々と学園祭の準備が進み、学園祭当日を迎えるのだった。

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