表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
554/739

動けない私 6

 あたし達はお姉ぇの見舞いを終わりにして、リビングに行く。

 ミカ姉ぇは、このままお姉ぇの看病を続けるみたい。


 夕食の時間になり、あたしは昔の学園祭の事をステラ先生に訊ねた。


「先生?どうして、S組は学園祭の出し物をやらないのですか?というより、学園として良いのですか?」


 と。先生の答えは。


「S組は昔からそうだな。まあ、今はマシだな。私が生徒の時代は非道かったぞ。学園祭当日はS組の連中が一般クラスの出し物をめちゃくちゃにするというのが盛んにあったからな」


「本当に非道いわ」


「当時の先生達は注意はしなかったの?」


「当時はな、身分がうるさくてな。一般クラスの生徒達が止めようとしても、逆に咎めて、兵士達にしょっ引かれる事態が当たり前だったんだよ。更にリンチにあって殺されてしまった事もあったからな。S組の生徒達は何もお咎め無しで罰せれなかったんだ」


「どうしてですか?」


「言っただろう?身分がうるさいと。当時は貴族階級の者が一般人を殺しても罪に問われないという法律があったんだよ。要するにやりたい放題だ。一般人は殺されても文句は言えなかったんだ」


「非道いわ」


 その言葉しか言えないくらい非道な振舞いだわ。


「だろう?だから、今の国王陛下が、その法律を破棄したんだ。こんなにも理不尽な法律はただ内乱を起こるきっかけの作るものでしか無いから要らない法律だとな」


「そうだったの?では、今でもやらないのは?」


「それは、な?」


 ステラ先生はエリサ姉ぇを見た。


「ええ、舞達のクラス委員長が言った通りよ。私達、王侯貴族は使用人達が全てやってくれるから、何も出来ないのが当たり前なのよ。でね、私が何々をやりたいと言ったとしてもその担当の使用人は怒るのよ。やらなくても良いのです。とね。それはそうだわね。使用人達は、お父様からお仕事をもらいその労力の見返りとしてお給与をもらっているものね。そのお仕事を私が勝手にやってしまったら、その使用人は上の人に怒られて、そのお仕事のお給与が貰えなくなってしまうからね。だから、やらなくても良いのですと言われて、私達王侯貴族はああ私がやらなくても良いのか。全て、やってくれるんだと、自然に学んでしまうのよ」


「なるほど」


 ステラ先生から引き継いたエリサ姉ぇの言葉に納得をした。


「そういう事だな。私とリリカで、クラスでも出し物をやろうと提案を出したが、結局は、無勢に多勢で却下になったよ」


「あたしもやりたいと言おうとしたけど止めたわ。クラス全員、やらないのが当たり前だと思っている空気間だったから。それに、強制的にやっても詰まらない出し物になってしまうのが目に見えているもの」


「俺もそう思ったな。仮に俺が一言やろうと言えば、俺目当ての女達は絶対に動くと思う。が、絶対にクラス全員とは協力はしない、個人個人で、俺に良い所を見せようとするし、この機に他の女共を引き摺り落とそうと考える女もいるだろうしな」


「確かにね。あの女共はやりそうだわね」


 あたしは更夜の言い分に納得する。

 あの女共は、ただ更夜が勇者というだけで、何かとキャーキャーと騒ぎ立てるただ鬱陶しいだけの存在だ。

 それに、更夜と一緒になれば貴族としての泊が付くと思っているのかしら?


「だから、わたくしと付き合っていると公表をすれば良いのですよ。そうすれば、全員が諦めますよ。と、再三言っているのに。今からでも遅くはありませんから、更夜さん、明日、クラス全員の前で公表して下さい!」


 と、エリサ姉ぇは更夜に言うが、


「うっ」


 と、言葉を詰まらせる。


「い、イヤ、し、しかし……………」


 更にあたふたと落ち着きが無くなっていた。


「更夜さん?言う勇気がないのですか?」


 エリサ姉ぇはずいっと更夜に近づく。


「というか………は、恥ずかしくて…………」


「恥ずかしいって?」


 エリサ姉ぇは目を白黒して驚いていた。


「ああ、地球に日本に居た時は、小中学校で恋人が居る事がバレれば、クラス全員に囃し立てられるのよ。そして、イジメの原因にも繋がってしまうケースもあるくらいなのよ。そのトラウマが実は全員にあってね。この世界に来ても更夜くんは言いづらく恥ずかしいと言ってしまうのよ」


 と、ユカ姉ぇが更夜の変わりに説明をした。まあ、その通りなんだけどね。一度、そんな光景を見てしまったら、後の人達はひっそりとしているか、中学を卒業をするまで作らないかのどちらかだわ。そして、囃し立てられた当事者達は別れてしまうのが多いのよね。でも、別れた後でも面白がって囃し立てられてイジメに繋がるのよね。完全に悪質だわ。


「そうだったのですか……それは仕方ありませんね」


 エリサ姉ぇが納得していた。


「ま、S組が学園祭の出し物が出来ないという理由はそういう理由だ。もし、S組で何かしらの出し物をやりたいという事があるのなら、それは、クラスが一つに結束している証拠だな。しかしな、個が強過ぎるのが貴族階級の特徴だ。S組が学園祭で結束する事はずっと無いと私は思っているよ」


 ステラ先生はそう言った。

作品が気に入ってくれたならブックマークや下にある★★★★★の評価やいいねの応援をお願いします。

作者の創作のモチベーションに繋がります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ