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動けない私 4

 あたし達が教室に入ると。

 一瞬だけ『シーン』となって、しばらく経ってから、喋り出すという事が毎朝続いていた。まあ、これは、未だにあたしに対し、意味なく敵対心を剥き出しにしているクラスの女達、全員のセイだ。


 あたしは更夜の【姉】なのに、なにを思ったのかクラスの女達全員は、更夜の【女】だと勘違いを未だにしている。でも、あたしが力でねじ伏せたので、今の所は、あたしや更夜に手出しが出来なんでいるけど、これで諦める連中ではないことくらい分かっているが、仮に更夜が、連中の中から選んだ場合ってどうなるのだろうね?選ばれなかった女達は絶対に納得が出来ないと思うから、きっと女同士のドロドロとした醜い争いが勃発しそうだわね。


 そして、ホームルームをやるが、担任教師から学園祭の話が出て来なかったので、更夜が質問をしたが、その質問を答えたのは、クラス委員長だった。


「【貴族階級】である僕らに出し物が出来るとお思いか?」


 と、言った。


「えっ!?まさか出来ないの……か?」


「当然ですよ。僕達は貴族階級のクラスですからね。普段の生活は執事達やメイド達が全ての世話をしてくれていますから、仮に僕達が出し物をやりたくても出来ないのですよ」


「それに、出し物をやるなんてだるいしな?」


「そうそう、そういう出し物は()()()()()に任せておけば良い」


 と言い出すしまつだ。更夜もこれ以上言わなかった。言っても無駄な徒労にしかないわ。それに、あたし達が強制的にやろうとしても、それはそれは、とても詰まらない出し物ができるわね。

 それと、どうして、S組は出し物をやらなくなったのをステラ先生に聞いてみよう。確か、先生は元貴族だと言っていたから先生が学園の生徒だった時にどうしていたか聞いてみたいわ。


 授業が終わり、部屋に帰って来る。


「ただいまーお姉ぇは寝ているの?」


 あたし達はリビングに行く。


「おかえりなさい。舞さん、更夜さん。聖さんは寝ていますよ。今はミカエルが見ています」


「あたし達が行っても良い?」


「はい、大丈夫ですよ」


「ありがとう」


「ただいま〜」


 マリア姉ぇ達が帰って来た。


「おかえりなさい。お姉ぇ達」


 あたしが言った。


「舞達も帰って来たのね?」


「うん。さっき帰って来たわ。これから、あたし達はお姉ぇの所に行くの」


「私達も行くわ」


「まあ、私達の部屋でもありますしね。制服を着替えないと」


 と、言いながら、あたし達はお姉ぇの部屋に行く。


 お姉ぇは、キングベッドではなく、ダブルベッドで寝ていた。


「お姉ぇ、ただいま」


 と、あたしが言うと、


「ああ、おかえり。水平線に更夜」


 と、お姉ぇが言った瞬間。


 あたしは「ぶっ!!」と思わず吹き出し、


 更夜は「それ、懐かしいな」と言った。


 この言葉は、お姉ぇがお兄ぃの頃からあたしを冷やかす時に言っていた言葉だ。あたしの胸が………こんちくしょうめ!!お姉ぇが元気だったら、お兄ぃの時のように鞄で頭を思い切りひっ叩いてやったものを!!


「聖さん!なんていう事を言うのですか!!」


 ミカ姉ぇがお姉ぇを注意する。


「そうだよ聖。いくら、舞さんの胸が無いからと言ってもそれは酷いわよ!!」


 ユカ姉ぇも怒ってくれているが、あたし、全てにおいてものすごくダメージを受けているからね。


「ユカ?貴女の方が酷い言い草だわよ」


 エリサ姉ぇがユカ姉ぇに注意をすると。


「あっ!?ま、舞さん、ごめんなさい!そんなつもりで言ったワケではないの………」


 ユカ姉ぇは自分の失言に気が付いたようだ。あたしに謝罪をしていた。


「良いわよ。皆、あたしの胸の事は知っているから………」


 そう、皆で毎日お風呂に入っているから、あたしの胸が無いのを知っている。


 ううっ、自分で言ってて、凄く悲しくなっちゃうわ………。


「聖!何故、そんな事を言ったのですか!!」


 ミカ姉ぇが怒っている。


「だってね。このメンテナンスで、前世の事を忘れてしまうかもしれないと思ってね?今のうちに言っておこうと思ったわけなのよ」


「えっ!?」


「そうなのお姉ぇ?」


 あたし達はお姉ぇの発言に驚く。


「だって、仕掛けたのはあのレイナだよ?あの幼女神は男が嫌いなんでしょう?そして、私が死んだら、部下にすると言っていたからね。だから、このメンテナンスで、男だった記憶をだんだんと無くしていくかもしれないと思ったのよ。だから、今のうちに良い事も悪い事も言っておいた方が忘れないと思ったのよ」


 お姉ぇがそう言った。


「お姉ちゃんは、不安なんだ?前世の記憶が無くなってしまうかもしれないと?」


「そうよ。不安だよ。こんな状態になるんだったら、サトルに私の男部分をあげるのではなかったと後悔しているわ」


 と、お姉ぇがそう言った。


「でも、そうなるとは限りませんよ?」


 と、ミカ姉ぇがフォローを言うが、


「あのレイナだよ。ミカ姉ぇのデカイオッパイが大好きなあのレイナが何も仕掛けない訳がない!しかも父さんでさえ、このメンテナンスを解除が出来なかったのよ?絶対に何かを仕掛けているわ」


 そう言ったけど、えっ?父さんでも解除が出来なかったって?


 あたしはおっぱいの事よりもその事に驚いた。

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