王女様からの依頼2
教室に戻った俺達はエリサにガルーガの事を聞く。
「ヤツの名前はガルーガ・ダーク。このファーネリア王国の6大貴族の一角である闇貴族の次期当主でやな奴よ」
エリサの話によれば、6大貴族は闇の他に火、水、雷、風、土、の司る貴族達の事を言う。そのうち、闇貴族は王国内で権力を膨張させてやりたい放題の状態で王家も手を焼いているらしい。
「なるほどね?やはりバカだったか」
「でも、そんな奴に目を付けられたんだよ?大丈夫なの?」
「ああ、絡んで来たら再起不能にしてやるよ。俺1人で奴らと戦争が出来るからな!」
「せ、戦争って?貴女!?」
エリサが驚いていた。
「まあ、お姉ちゃんなら、出来そうだけどさ。出来れば辞めて欲しいな?」
「俺も奴らから手を出さなかったらやらないよ。手を出せば徹底的に叩き潰すよ」
「凄い発言だわね?頼もしいわ」
「本当に王家も闇貴族に迷惑しているのならな?」
「しているわよ!!えらい迷惑だわ!!」
エリサが大声で言う。
「エリサ?静かに」
マリアが注意する。
「あっ!ご、ごめんなさい………私の所にそういった情報が入っていたからつい…………」
そして、昼休みが終わった。午後の授業を受けて、放課後。
「マリア、聖。私、用事があるから、先に帰るわ!」
そう言って、エリサは、走って帰ってしまった。
「凄い勢いで帰ったけど、なにかあるのかな?」
「さあね?私達はどうする?部屋に帰る?」
「そうだね?そうしようか?」
俺達は、部屋に帰る事になるが、校内放送が流れた。
『高等部1年A組の聖 山瀬さんと同じくマリア・マーカーさん、学園長室に来て下さい。繰り返します………』
との放送が流れた。
「呼び出し?」
「何があったのかな?」
「さあ?行ってみよう」
「そうだね?」
俺達は学園長室に行く事になった。が、行く途中。
「そこの女!よくもS組であるオレ達に恥をかかせてくれたなぁ!さっきは油断したが今度はそうはいかないぜ!!」
ガルーガの取り巻き共が行く手を塞ぐ。
「ハァー。実力も無い奴らが!うるさいんだよ!朝までここで止まっていろ!」
今度は殺気ではなく、金縛りをやる。
取り巻き共は全く動かない。
ただギャアーギャアーと騒いでいるだけだった。
「お姉ちゃん、凄いわ」
「まあね。行こうか」
うるさく喋るオブジェになった取り巻き共を無視して、学園長室に行く。
コンコンコン。と、学園長室の扉をノックする。
「聖とマリアなら入るが良い。その他の者は今は立ち入り禁止じゃ!」
学園長がそう言った。
「失礼します」
俺達は学園長室に入ると、学園長、ジェーン先生、担任のステラ先生と居る筈がないママが居た。
「「えっ?」」
俺達は驚いた。俺達は何かやったのかと不安になる。
「クスッ。安心しなさい。今日は仕事で来たのよ」
俺達の事を察したママがそう言ったけど、仕事?学園で?
ますます、混乱する。マリアも同様だった。
「ジェーンよ。後は頼んだ」
「分かりました。ここには誰も入れません」
「ウム、後の者達は、隣りの部屋、応接室に行くぞ」
俺達の混乱をよそに、学園長はそう言った。仕方なく、俺達も応接室に行くとそこには。
仮面を被った女性と執事の格好をした男性が居た。
仮面を被った女性は髪は銀色をしていて、豪華で煌びやかのドレスを着ていた。まるでお姫様だ。
男性の方は髪はオールバックをして、執事の服をビシッと着こなしている。
仮面の女性が。
「ようこそ、皆様、お忙しい所お呼び立てして申し訳ごさいません」
そう言って、頭を下げた。声は初めて聞く声だ。
「いいえ。王女様」
「えっ?王女様なの?」
思わず、声に出してしまった。が、周りは驚かないな?やっぱり、俺以外、皆、王女の事は知っているようだな。
「はい、わたくしは、ファーネリア王国、第2王女、クレア・ファーネリアです。宜しく。彼は、執事長のバーストです」
紹介されたバーストさんは頭を下げた。
「はぁ、宜しく、私は聖 山瀬よ」
簡単に挨拶を言うと、「王女様に対して失礼でしょう」と、ママに怒られた。
『オッス!オレ、ヒジリ、宜しくな』よりは良いでしょうに?




