グランパニの勇者達 18
どうやって短時間で移動が出来、グランパニ公国に強襲が出来たかの裏話です。
〜ファーネリア王国〜
戦争開戦前日。私は陛下に呼ばれ、宮殿に来ていた。
「フレイムよ。急な呼び出しをしてしまい謝罪をする」
「いいえ。今は戦争中ですので。で、私に用事とは?」
「ウム、国王軍を今回の総大将のサンダーの所に送ってはくれまいか?そして、全軍をグランパニ公国の近くまで送ってはくれまいか?」
と、陛下がオーダーして来た。今回はかなり怒っているようだ。当初の作戦とは違っている。
「陛下?いくらフレイム卿でも不可能ではないのでしょうか?そんな、大人数を何往復も転移魔法をするなんて、魔力が持たないでしょう」
冢宰が苦言を呈した。
「不可能ではないわ。国王軍を一度に運べばね」
「えっ!?い、イヤ、どうやって?」
「方法は2つ、1つ目は私と国王軍が一緒に転移する。2つ目、転移の魔法を描き、国王軍だけ転移させるの2つよ。ま、私共に転移をした方が良いわね。着いたら、直ぐにグランパニに攻め込む軍団を全て転移させないといけないからね」
「それを一人で出来るのですか?」
「まあ、国王軍は私一人で出来るわ。しかし、集まった全ての軍団はさすがにムリだから、助っ人を呼ぶわ。ミカ姉ぇ、がぶり姉ぇ!!」
『はい、お呼びですか?聖さん』
2人が出て来た。
「うん」
私は2人に事情を話す。
『分かりました。お任せ下さい』
2人が了承してくれた。
「うん、頼んだわ」
「ふ、フレイム卿?この2人は?」
「ああ。私の姉兼使い魔と秘書をやってくれている。天使・ミカエルと同じく、天使・ガブリエルよ。この2人は主神・神聖王に仕えているのよ。地位は陛下よりも上よ」
「なっ!?」
冢宰が絶句する。そして、なにか、言いたそうに口をパクパクしていた。
「どうして、そんな2人が私に仕えているのか?でしょう?」
思考を読みそう言うと、冢宰は頭を縦にコクコクと振った。
「この2人と契約を結んだからだよ。だからこそ、この2人は私に従っているのよ」
「………へ、陛下は、このコトを知っておられたのですか?」
「当然だ。この間話した通りだ。フレイムは余には全てを話してくれたと、言ったであろう」
「そうでした。失礼致しました。しかしながら、フレイム卿は一体何者なのですか?神聖王様にお仕えしておられる天使様達と契約が出来る人間なんてそうそうおりません。それに、フレイム卿は、貴族に成る前から陛下とその御一家とお知り合いになっておられますし、更に神聖王様の事を主神と言って様を言ってはいないですが?」
「ああ、神聖王はただの役職だからね。ま、皆の前では、主神を付けて言っているのよ。そして、陛下とご家族は、両親が昵懇で、その関係で知り合ったのよ」
「えっ!?神聖王様が役職?では、国王陛下と意味が同じなのですか?」
「そうですよ。国王は国の王としての役職名です。神聖王様も同じく神様の王としての役職名ですよ」
「ですが、我ら天使も他の神々も全ての主神でおられるので、その敬意を込めて、役職名である神聖王様の事を神聖王様とお呼びしているのですよ」
「しかし、聖さんが言っている、主神を頭に付けて言っているのも様とお呼びになっていると同じ意味合いを持ちますよ。主神と様と付けてお呼びになると、神聖王様様という意味合いになってしまいますよ」
ミカ姉ぇとがぶり姉ぇがそう説明した。
「そうだったのですか?それは知りませんでした」
そこに、
「失礼致します。陛下!全軍、全て軍備が整いました!いつでも、出陣が可能です!」
「ウム、では、フレイム、後は任せたぞ!!」
「はい!お任せ下さい。では、これから、皆さんをサンダー卿の所までお送りします。そして、合流したのち、敵国、グランパニ公国の首都近くまでお送りします」
「えっ!?は、はっ!!了解しました!!」
報告をしに来た兵士が一瞬驚くのも、陛下の命令には逆らえられないので、気を取り直して、私達を兵士達が居る場所まで案内をした。
「国王陛下の命より、私達が皆さんを戦場までお送りを致します。兵士の皆さんには、存分な働きを期待しております。では、総大将のサンダー卿の所に皆さんをお送りします。行きます!!」
私は転移魔法を発動し、この場に居る軍団を全て転移した。
総大将のサンダーは、大将のウォータとウインドと共に、出陣式をしていた。
こそに、高官がやって来て、
「申し上げます!フレイム様が、王国軍を率いて到着致しました」
『なっ!?』
3人が驚く。
「まこ………い、イヤ、分かった。直ぐに向かう案内せよ」
「はっ!」
今は戦争時だ。くだらないジョークを言う人間はこの場には居ない。と思い直して、報告をして来た高官に案内を任せた。
「こちらで、お待ちしております」
「ああ。ご苦労」
「はっ!失礼致します」
サンダー達が部屋に入ると聖達が居た。
「フレイム卿?何故、貴殿が?」
「国王陛下の命より、今から貴方がたを敵国、グランパニ公国の首都近くまでお送りします!」
『なっ!?』
「そうか。分かった、お願いしよう」
2人は驚き、サンダーは冷静に受け止めた。
「では、軍団を集合させて下さい。転移魔法でお送りします」
「了解した!」
「ああ!」
「直ぐに!」
3人はそれぞれ返事をした。そして、全軍団が集まった。
「では、これから、皆さんを敵国、グランパニ公国の首都近くの安全に陣を張れる場所に転移させます!!皆さま、ご武運をお祈り致します!!」
「ご好意、感謝する!!」
「いって参る!!」
「必ず、敵国の大将の首を獲って、陛下に献上するぞ!!」
『おおっーーーーーー!!!!!!』
3人の大将がそう言うと兵士達が片手を挙げ叫び声を上げた。これによって、兵士達の士気がMAXに最高潮になった。
「では!!」
私達3人で軍団全員を転移させた。
この強襲が功を奏して、思っていた以上の短期間で、戦争が終わったが、神々神や天川龍雅の行方の手掛かりが未だに掴めていない状態で、私達は日常生活に戻って行くのだった。
これでこの章は終わります。この章は思っていた以上に長かった。
次話は次の章に行きます。
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