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グランパニの勇者達 15

「ま、戦場に出ても戦わなくても、身体を普段鍛えないと、生き残れないわよ?」


 はっきり言うと、この世界の上位の人間は自分は死なないと思い込んでいる節がある。

 死なないという保証はどこもないというのに。


 そして、話し合いで決定した事は、脱獄したグランパニ公国の勇者達の捕縛。入国審査と各関所検査の徹底。一番重要なグランパニ公国の早期の宣戦布告での戦争だ。私達が戦場に選んだのは、グランパニ公国国内、それも首都だ。グランパニ公国国内に一気に攻め込む作戦を採った。そして、グランパニ公国の王族と貴族達には、死んでもらう事を決まった。グランパニ公国の貴族達を生かしておいても、王国の下位の貴族達より質が悪いらしい。


 ●○●


 シン達が脱獄した日より、1日後。


 〜某国、とあるアジト〜


「けっ!のんきにまだ寝ているぜ」


「お頭?こんな奴らが本当に役に立つのですかい?」


「ああ。多分な」


「多分って?」


「お頭ぁ〜?」


 この場にいた部下達がお頭と呼ばれた人物をジト目で見ていた。


「あーっ?ああ。テメェーらは魔力を感知する能力が無かったな?コイツらの魔力量は人間の基準を遥かに超えているぜ。多分、俺の戦力になるぜ」


「だから、リスクを犯してまでコイツらを奪い去ったのですかい?」


「そうだ」


 お頭の言葉に部下達は納得した。

 リュウガが目を覚ました。


「うっ………(キョロキョロ)…………ここはどこだ?」


「よう?漸くお目覚か?」


「ッ!?だ、誰だ!貴様達は?」


 お頭の言葉にびくっとして、リュウガが警戒声を発した。


「クックックッ。誰だとはごあいさつだなぁ?俺達はテメェーらを助けてやったんだぜ?」


 お頭にそう言われたリュウガは、


「これはすまない。そして、ありがとう、マジで助すかった」


 礼を言った。


「クックックッ、良いって事よ。だが、テメェーらはなんであんな所に入れられていたんだ?あんな所に入っていたという事は、テメェーら、あの国の住人共を大量虐殺でもしたのか?それとも、女共を無差別にレイプでもったのか?ま、どちらにせよあんな所に入られているヤツは相当の悪党というワケだ」


 お頭がそう言うと手下達が笑った。


「くっ!?違う!お、オレたちは…………」


 と、リュウガはこれまでの経緯を話した。


「ほう?テメェーらは、グランパニ公国の勇者さまで、グランパニ公国の王からファーネリア王国の国王とその一家、更に神聖王の討伐を依頼されて、ノコノコと来たが、相方がドジを踏んで捕まったと。こりゃー笑い話にもならねぇーな」


「確かに、俺達でも、国王とその一家位ならば、なんとか暗殺ができるが、神聖王は物理的に無理だなぁ」


「そだねぇ~。神聖王ってぇ、神様でしょう〜?だいいちぃ〜どこに居るか分からないじゃん!いくらなんでもぉ、居場所が分からないヤツの依頼はアタイ達は請けないなぁ~。それにぃ〜アタイ達人間が神様にぃ〜勝てると思うのぉ〜?貴方たちぃの頭の中身わぁ~お花畑がぁ満開にぃ咲き誇っているのかなぁ〜?」


 女がそうリュウガをバカにした言い方で言うと、周りが大爆笑の渦となった。


 大爆笑されてもリュウガはなにも言えなかった。


「だな。この俺でも、神に勝てる自信がねぇーな。というかよ、勇者さまとはいえテメェーらは、良くそんな依頼を引き受けたなぁ?一生掛かってもこんな依頼は達成が出来ねぇーよ。コイツらが言った様に、王族共はなんとかなるとしてもな、俺ら人間が神殺しなんて到底不可能な話だ」


「……………」


 リュウガは黙ってしまった。

 そして、漸くシンが目覚めた。


「目覚めたか?神」


「ここは……………どこだい?」


「神、この人達が俺達を助けてくれたんだ。まずは礼を言え」


「そうかい。助けてくれどうもありがとう」


「クックックッ、悪党の巣窟にようこそ勇者さま」


 お頭が答えた。


「えっ!?悪党の巣窟!?」


 シンが驚く。


「ああ、俺達は、世界中を股に掛けている盗賊団だぜ」


『なっ!?』


 2人が驚くのも無理がない。国、地域を区別無く、基本の盗みやあらゆるの犯罪に手を染めているのがこのガギグゲ盗賊団だ。2人はその話はグランパニ公国の役人に聴いていた。


「クックックッ。今はガギグゲ盗賊団という名じゃあないがな」


「今のお頭になって盗賊団の改名している途中だ」


「ガギグゲ盗賊団は有名になり過ぎたからな。名を改名をすりゃ、ちったぁ誤魔化せるだろうぜ」


 ヘラヘラと手下が嗤う。


「まあ、今はどうでも良い!ようは、テメェーらが、俺の手下に成るか。成らないか。だ。断れば、当然死ぬだけだがな。テメェーら、良ーく考えて返事をしろよ」

「断る!僕たちはグランパニ公国の勇者だ!勇者である僕たちが悪党の仲間などならない!!」


 シンは考える間もなく、そう言った。

 そして、リュウガは違っていた。


「分かった。俺はあんたの仲間に手下になっても良い」


 リュウガはそう答えた。この台詞に驚いたのはシンだった。

作者のこの盗賊団のお頭の口調イメージは映画ドラゴンボールZシリーズに敵役として出て来たターレスの口調イメージです。


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