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王女様からの依頼1~昼休みに出会った臭い奴~

 昼休みになり、俺達3人は中庭のテーブル席で食事をしていた。食事の提供は勿論俺だ。


 中庭には何人かの生徒達が居て、やはり、テーブル席で友達同士と食事をしていた。


 今日はサンドイッチとちょっとしたオカズだ。


「んー。このサンドイッチも美味しいわね?山奥で暮らして良くこんな味が出来るわ」


「別に山奥=味音痴はないよ?私だって、美味しい物は食べたいから結構料理の練習はしたんだ」


 ブーブー文句を言う。


「ごめんなさい。今まで食べたことがなかった味だったモノでね?」


「ああ、この国にはマヨネーズがなかったな?この調味料は万能だよ?なにでも合うからさ」


 俺が神界に行った時に色々と地球の主に日本で使っている調味料を貰って来た。更に定期的に送ってくれるそうだから、更に料理のレパートリーが増える。フッフッフッ、コレでパパを超えてやる。密かな野望を持つ俺。


「そうね?確かにないモノだわ。それにピリッと少し辛いわ」


「それはカラシだよ。マヨネーズに少し入れて刺激を足したんだよ」


「そうなのね?でも、美味しいわ」

「うん、本当に美味しいわ。私、何個でも食べられちゃうわ」


 俺の分まで手を伸ばしている。


「マリア?食べ過ぎは良くないわよ?夕飯は少なくするよ?」


「ああ!ご、ごめんなさい。もう食べないわ」


 マリアは手を引っ込めたので、一つあげた。


「ありがとう、お姉ちゃん♪」


 マリアはそのサンドイッチを美味しそうに食べる。


「優しいのね?」


「まあね。食べたそうだったしな」


 食事が終わり、のんびりとお茶を飲んでいると。


「ガルーガ様居ましたよ。あの女です」


 俺達は声がする方を向くと、俺達とは明らかに違う白い制服を着た男共がこちらに来る。


 先頭に居る男は他の男共と違うな?誰だコイツは?


「ガルーガ!!どうして、ここに!?」


 ガルーガ?知らんな?しかし、エリサは知っているようだな?後で奴の事を聞くか。それにしてもガルーガは体全体が臭いな?物凄い悪臭だ!!吐き気がするぞ。良く周りの取り巻き共は平気で居られるな?


「ガルーガ様だろ?エリサ!テメェの家は貧乏貴族だろうが!オレ様の家とは格が違うんだよぉ!!」


「そうだ!そうだ!」

「ガルーガ様に土下座して謝れ」

「この貧乏貴族が!」

「落ちこぼれ貴族だから、オレ達、S組に入られねぇーんだよ!」

「オイオイ、こんな落ちこぼれ貧乏貴族が、オレ達のS組に入ったらS組の質が落ちるだろう?この落ちこぼれのせいでなぁ?」


 取り巻き共は一斉に嗤う。


「くっ!?」


 エリサは悔しそうだった。


 マリアは俺の後ろに隠れている。まあ、仕方ないな。


「ギャーハハハハ!!」


 と、下品な笑い声をするガルーガ。


 見て直ぐに判るコイツは最低な人間だな。関わらない方が賢明だな。


「フン。オレ様が来たのは、貴様だ。貴様に用がある。オイ、愚民の癖に綺麗なツラしているなぁ?気に入ったぞぉ!喜べ愚民!今日からこのオレ様、6大貴族の闇貴族である次期当主、ガルーガ・ダーク様の性奴隷として貴様を飼ってやるぞ!どうだ!嬉しいか!嬉しいだろう!すぐに土下座をして感謝して、その証しとしてオレ様の靴を舐めろ!」


 馬鹿な事を言うバカ。取り巻き共はニヤニヤとしている。


 こんなバカ共に構ってはいられないな。臭いし。


「さてと、行きましょうか?」


「そうね」


「うん」


 バカを無視して、俺達は教室に戻ろうとするが。


「オイ!愚民!このオレ様を無視するたぁいい度胸だなぁオイ!」


 怒ったガルーガが威嚇の為に魔力を放出するが、たったの6000万程度の魔力でこの俺にケンカを売るのか?


「ハァー、ショボい魔力量だな?その程度の魔力で威張っているのか?くだらないな」


「な、なんだとう?」


()にケンカを売るならなぁ!せめて、この程度の魔力量でケンカを売って来いや!!」


 約9000万程度に抑えた魔力量を放出し、強力な殺気を飛ばすと、取り巻き共は全員、気絶と失禁をした。ガルーガも体全体を震わせている。俺の殺気で体が動かない。


「て、てめぇー!!オレ様にこんな事をしてただですませねぇぞぉ!愚民が!」


「はぁ?俺がお前達に何かやったのか?その証拠は?何かやったのかの証拠を見せろよ?えーこの貴族さまよ!俺はお前と同様な事をやっただけだ!そして、勝手にお前とお前の取り巻き共が気絶しただけだろう?どぶ川以上に臭い匂いをしているのに粋がっているな!!」


「き、貴様ぁぁぁぁ!!」


「ここで反省していろ!」


 そして、ガルーガ達の周辺に『立ち入り禁止、貴族様達による訓練中。オレ様達に触るな!!殺すぞ!!』と書いて立て札を立てロープを張った。


 俺達は教室に戻った。


 別の場所で。


『そ、そんなバカな!?このボクの魔力量を遥かに超えているだとう?あり得ない!!なにかの間違いだ!!』


 聖達のやり取りを物陰で一部始終を見ていた人物がいた。

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