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グランパニの勇者達 8

 翌日、私は、ミカ姉ぇ、がぶり姉ぇを連れて風の領に行き、ウィンド卿の邸宅へ。ヒルドさんやルエルさんも行きたがっていたが、今回は自重してもらった。そんなにぞろぞろと行っても迷惑だろうし。


 私達はメイドに応接室に通された。お互いに挨拶を交わした後に。


「フレイム卿?この2人は?」


 やはり、気になるか。


「ああ、この2人は、主神・神聖王に仕えている天使達よ。今は、私に仕えているけどね。そして、昨日会うことが可能性か?と言った真の本当の理由は、この2人が、愚か者共の面を見たいらしい」


「なっ!?」


 私の話を聞いてウィンド卿が絶句していた。


「ま、貴方が驚くのも無理はないがね。ああ、このコトは出来れば内緒にして欲しい。口外すると、他の弱小貴族達がなにかと煩いからね」


「い、イヤ、しかし…………神聖王様に仕えているのは、歴代の教皇だと…………?」


「そんなのは、全くのデタラメだよ。人間如きが神聖王という偉大なる神に仕えられる訳がない。相手は神様そのものだよ?生きている時間が違うし、知識も違う。何もかも全く違う世界だよ。だから、人間如きに務まる筈がないんだよ」


「その通り!」

「長年、主神・神聖王様に仕えているのは我ら天使のみ」

「人間如きが主神・神聖王様の前に立つ事は赦されません!」


 ミカ姉ぇ、がぶり姉ぇは、背中に24枚の翼を出し、頭上に輪を出した。


「なっ!?」


 またもや絶句していた。


「この姿が本来の2人の姿です。普段は人間と同じ姿をして私と暮らしていますがね」


「い、一緒に暮らしている?天使………様達と?」


「ええ、彼女達は私の使い魔と秘書をやっておりますのでね」


「……………」


 今度は声を失う位、衝撃を受けているようだ。

 普通に考えればありえない事だろうな。

 まさか、神聖王に仕えているという天使達が人間わたしの使い魔と秘書だなんて、常識的にありえないだろう。


「イヤ、しかし………何故?」


 ウィンド卿はかろうじて声を絞り出すように喋るが、納得が出来ていないようだ。


「我らは納得の上で自ら進んで契約を結んだ」


「このことは貴方には理解不能と思うが、私が2人の天使達と契約を結んだ事実には変わらない。私達は、これから、グランパニ公国の自称勇者達に会って来る。終わったら、また報告しに寄るよ」


 そう言って、私達はウィンド卿の邸宅を後にし、兵士に自称勇者達の監獄がある場所まで案内をしてもらった。


「ここに収監しております」


「分かったわ。どうもありがとう。ああ、私達が呼ぶまで貴方達は来ないように」


「えっ?フレイム様達だけで大丈夫なのですか?我々もお供をした方が?」


「心配してくれてありがとう。でも、貴方達よりも私達の方が強い。それにわらわらと大勢で行ってもただ相手を刺激をするだけだよ。でも、なにかあれば貴方達を呼ぶわ」


「分かりました。では、お気をつけて」


 私達は兵士達に見送られて自称勇者達の牢屋の前に立つ。2人はそれぞれの牢屋で座り込んでいる。


「よう?気分はどうだい?自称勇者共ハッピーかい?」


 そう言ってやると。


「…………」


 1人は黙っていた。もう1人は。


「自称勇者ではない!僕達はグランパニ公国の勇者だ!」


 と、はっきりと言った。バカなヤツだな。私達に対して自白を完全にした。


「ほう?その自称グランパニ公国の勇者共がこの王国になんの用だ?まさか、たった2人で、この王国に戦争をしに来たのか?ま、そうだよな?お前らは、自称と言えども勇者と名乗っているからな。ここに居るという事はこの王国に戦争を売りに来たのだろう?そんなお前達に朗報だ!この王国はお前らの戦争を買う事にした。標的はお前らを送り込んだグランパニ公国だ。そこで、お前らを戦争の開戦の証しとして、公開処刑をする事になったぞ!どうだい?その陰謀が叶ってハッピーだろう!!笑えよ!喜べよ!自称勇者共よ!」


「「なっ!?」」


「何を驚くんだ?その為にお前らは送られて来たのだろう。良かったじゃないか?お前らの目的はちゃんと果たしたのだからな」


「違う!!僕達は」

「違わないよ。お前らの目的は、理由はともあれ王殺しだろう?それがどういう事か分かっているのか?成功しても失敗しても、お前らは死ぬ運命にあるのさ。お前らはグランパニ公国で勇者と持て囃されて、公国の暗殺者となった。なった時点で、お前らはいずれ捕まって、この王国で公開処刑にされる運命なのさ。当然だろう。この王国の王殺し計画の実行犯なのだからな。最終的には公開処刑されて、その首を晒されて当然だ!!それを分かってて引き受けたのだろう?」


「なっ!?」


「くっ!?」


 1人は青ざめた顔をし、もう1人は驚きの顔をしていた。


「要するにだ!お前らは自称勇者の名を語った捨て石の暗殺者って事だよ」


「違う!僕達は、この王国を救いに来たんだ!この王国は邪神に支配されているんだ!そして、キミ達は、その邪神に洗脳されているんだ!だから、僕達は、その邪神と王と王族を殺して、キミ達の洗脳を解きにグランパニ公国から救いに来たんだ」


 と、私がこうして話をしてやっても未だにバカな事を言う。そのバカの話を聴いた、ミカ姉ぇ、がぶり姉ぇが身体全体から魔力を放出して激高していた。私の後ろでそんな攻撃的な魔力を放出しないで欲しい。私がちびっちゃうでしょう?


「ほう?邪神に支配されて洗脳されている。ねぇ?それは大いに結構な事だ!キミの言う通りだよ。この王国は洗脳されているんだよ」


「「なっ!?聖さん?なんということを?」」


 ミカ姉ぇ達が驚き非難した。私は構わず。


「この王国は神聖王という神を崇拝していてね。この王国の大半はの王国民達は神聖王に酔いしれているんだよ。それはある意味は洗脳されていると言っても良い」


 私がそう言うと。


「やっぱり!だからこそ、僕達がその邪神を殺して、洗脳を解かないと!さあここから今すぐに出してくれ!!僕はこの国の英雄になる男なんだ」


「バカかお前は?」


「はぁ?」


 シンはマヌケな声を出した。


「一体いつ誰が邪神だと言ったんだ!私は崇拝している神と言ったんだ!勝手に邪神と言い替えるな!だから、お前らは公開処刑されるんだよ。この王国民達がいかに国王陛下やその御一家を尊敬しているか。それに王国民達がいかに崇拝神の神聖王を熱心に崇拝しているのかを全く理解しようとしない愚か者が!!特にお前は、全く話が分かろうとしないヤツだな?自分都合で都合良い妄想ストーリーを頭の中で勝手に描いて実行をしようとしているんだ?今、お前が置かれているこの状況を見ろよ。現実を見ろよ。救いようがない妄想ヤローが!!」


 私は神々神という男の主張に呆れ返ってしまった。

【悲報】主人公、聖をもってしても神の妄想暴走は止まらず!!

誰か助けて下さい!!

私(作者)もこの妄想暴走を止める事が出来ません(ノД`)


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