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1年A組フレイム先生

この話は閑話です。

 新学期になって、私の初めての授業の時間がやって来た。


 クラスメイトは運動着に着替えて体育館に集まっていた。


「はい。これから剣術の授業を始めますが、私の使い魔と秘書がサポーターとしてしばらく付きます」


「ミカエルです」

「ガブリエルです」


 2人が挨拶をする。


「この2人は私よりも強いですからね?特に男子生徒は、この2人に対してふざけた事をすると容赦なく鉄槌が降るので注意するように!!」


『イエッサー』


 と、男子生徒全員が同時に返事をした。


「ねぇ?あなた達って本当にシンクロが凄いわね?いつも息がぴったりだわ。いつ、練習をしているの?」


『していません!!』


「ほらー」


『それはたまたまです!』


 否定をするが、いつもぴったりなんだよね?そんなやりとりをしつつ。


「では、授業に入ります。身体全体をほぐす為に体操をします。そして、素振りを20回をやってもらいます。後は、剣術の試合をしてもらいますが、素振りの動きが悪い生徒は私達が指導します。では、体操からです」


 体操をやってから素振りをやる。


 余談だが、50年前に召喚された勇者が遺した剣術体操というモノがあったそうだ。その内容が『あっ、突いて突いて払って払って押して押してあっ最後は斬る(リピート×5)』というモノだったそうだ。いくら前の勇者が遺したモノであってもあまりにも剣術に適さなかったので、勇者が死んだ後はやらなくなった。

 それは当たり前だ。これはザ・ドリフターズのコントネタだからね。どうやら、その前の勇者は日本人でザ・ドリフターズが好きだった人物のようだ。


 私やミカ姉ぇ、がぶり姉ぇは、素振りをしている生徒達を見て良くない生徒に太刀筋の修正をして回った。


「はい、委員長質問です!」


「今の私は委員長ではありません。この授業中はフレイム先生と呼びなさい」


「分かりました。フレイム先生、質問です」


「何ですか?」


「私、剣術は得意ではないです。どうして、そういう人にもやらせるのてすか?」


 質問というよりも抗議が来た。そう言う事は、前の担当教師に言え!と言いたくなる。学園の教師よりも私の方が立場が上なんだよね。

 この生徒はそれを理解していないが、まあ、私の持論を言いましょうか。


「不得意なのは貴女だけではないよ。おそらく、大半の人が剣術を苦手としていると思うよ。しかしね、いくら苦手や不得意と言っても、この授業は必須科目なのよ。それに、剣術が出来なくても、剣やナイフを持った敵に出会いどう対峙する?魔法攻撃をする?でも、敵がカオスワードを完成するまで待っててくれる?そうではないでしょう?自分の命を守る為には敵の刃物の軌道を見てから、避けたり、何かしらで反撃をしたりと、いろんな行動をするでしょう?だから、苦手、不得意という人でも剣術を実際に体験して、刃物がどう攻撃をするか?どう太刀筋で攻撃が出来るかを自身で実践した方が良いのよ。だから、別に剣術を無理に好きになれとは言わないよ。この授業は自分自身の命を守る為に学ぶ機会だと思った方が良いわよ」


『なるほど』


 クラスメイトが納得している。そう、私の目的は、苦手や不得意な人でも多少でも剣術が出来れば良いとの考えを持っている。実際、剣よりも魔法攻撃の方が威力は上だ。しかし、私と違い、一般の人はカオスワードを言わないと魔法が発動しない。これが、戦争だと、魔法攻撃よりも剣の方が活躍する。人を殺すには剣や槍の方が早いからだ。


「それに、今は無駄だと思っても、今後の人生において何かしらの役に立つ状況があるかもしれないよ。だから、苦手でも不得意でも学んだ事は身に付くのだからね。はい、授業を再開しますよ」


 各生徒達による対戦をしている。ちなみにマリア達全員、剣術は不得意だ。ユカに関しては剣を握った事が無いので、簡単に負けてしまった。もし、ユカが勇者ならば『おおっ!勇者よ。一般女子生徒に負けるとは実に情けない!』となっていた。

 そして、マリア達も試合で負けていた。こればかりは仕方ないなと思っている。


 授業終了のチャイムが鳴る。


「以上で授業を終わります」


 こうして私の初めての授業が終わった。ミカ姉ぇとがぶり姉ぇの授業のサポートは3回目で解除となった。実に助かったけど、やはり、私一人で授業をやらないとね。

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