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勇者としての訓練 8

 私達が控え室に入ると、いつものメンバーが居た。


「して、光帝はおぬし達に何用じゃったんじゃ?」


 学園長が皆を代表として訊いてきた。


 私達は皆に説明をした。


「なるほどな。光帝は貴族だったのか」


 パパがそう言った。


「そうなのよ。私の火の貴族の就任式で発覚してね」


「なるほどな」


 更夜を除く皆が納得した。


「聖が更夜に負けたのが驚いたが?あのままでも続行は出来ただろう?なのに何故負けを認めたんだ?」


「そうだね私達も驚いたわ。絶対にお姉ちゃんの圧勝と思っていたもの」


 ステラ先生とマリアがそう言うと皆が頷いた。


「まあね。まともにやれば、更夜が抜刀術を出す前に私の圧勝だよ。しかしね。それじゃあリクが言ったように模擬戦の意味がないよ。それに、更夜と私達は赤の他人だと思っていないといけない。それに更夜が見せた抜刀術はこの世界には無い剣術だからさ、他人の振りをしている私はその技を知らない振りして、あのまま更夜に攻撃をするしかなかったのよ。まあ、更夜は途中で気付いたようだけど」


「ああ、気付いたよ。だって、あの抜刀術は俺達の共通の技なのに何も知らないなんておかしいだろう?それに言動や行動も変だったしな?でも、抜刀術は完全に決まったと思ったのにな」


 と、更夜は悔しがっていた。


「ま、お前の抜刀術の技が決まる前に転移魔法を使わなければ、私でも大怪我をしてしまうからね。だから逃げたんだよ」


『えっ!?』


「に、逃げた?躱したではなく?」


 皆は私の言葉に驚いていた。


「そう。()()()のよ。抜刀術はかなり危険な技なのよ。たとえ、木刀でもまともに受けたら死んでしまう可能性があるわ」


「ああ。だから、躱したのではなく逃げたと言ったのね」


 私の説明にママが納得していた。


「そうだよ。まともに受けても戦闘不能だから逃げた時点で負けを認めたのよ」


「そうだったわね。本来受けたら戦闘不能になっていたわね」


 と、ママが言った。


「そう言うことよ」


「それじゃあ知っていた場合はどうしていたの?」


 ママが聞いてきた。


「それはお互いに抜刀術の打ち合いかな。抜刀術に対抗出来るのは抜刀術しかないからね。そして、その勝敗は優れた抜刀術が勝つからね」


「なるほどね」


「そうなったら、確実に俺が負けるけど、抜刀術に賭けるしかなかった。もうそれしか手だてがなかった」


「更夜は一か八かの賭けに出たのね?その結果、賭けに勝ったのね」


「ああ。まさか、お姉ぇが、知らない振りをするとは思いも寄らなかったが、結果はどうあれお姉ぇに勝てて良かったよ。本来は模擬戦は一勝も出来なかったから………」


「そうね。今の更夜では3人に対してまともな試合を10回やって10回負けるのが普通ね。それだけ、魔力量や実力が違うわ」


 ママがはっきりと言った。


「イヤ、そうはっきり言われると、先ほどついていた自信が無くなってしまうのだけど…………」


 更夜が落ち込んでいた。


「そのための修行だろう?勝ち負けは二の次だろう。お前だって神なのだからな。お前の体にも莫大な魔力が眠っているんだ。そいつを早めに起こすんだよ。そうしたら、私達と互角に戦えるし、まぐれ勝ちではなく実力で勝てるかもしれないぞ?もっとも私達もお前には負けたくはないからな」


 私がそう言うと、マリアとリクが頷く。2人も易々と更夜に負けたくはないだろう。


「ああ、そうだな。実力で勝ちたいな」


「だろう」


「そうですね。一緒に修行をして、強くなって下さい。わたくしも修行を頑張りますので」


 クレアが更夜の手を握って応援した。


「あ、ありがとう////」


 手を握られて応援された更夜が照れていた。そして、周りの皆が、温かい目で2人を見守っていたのだった。

ついにクレアは更夜の手を握れました!!一歩前進です。(ワー!パチパチ!!)(ヒューヒュー!!)

『えっ?だからなに?』

『それがどうしたの?』

と思った人は、最初が未遂に終わった事を忘れていますよ。


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