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勇者としての訓練 6

「王女様。発言を宜しいでしょうか」


 水帝が手を挙げた。


「はい、どうぞ」


「ありがとうございます。私から見て勇者様の実力は未成年者ですが、その実力は成人と遜色ないかなりのモノでした。おそらく、私が勇者様と模擬戦をやったとしても、負けてしまいます。そこで、新人である貴女方3人に訪ねたい。貴女方は一体何者なんだ?どうして、あのような力を得た?」


「毎日修行をしているだけだよ」


「そうですね。私は幼い頃から朝晩と修行をしっぱなしでしたよ」


 私とリクが答えた。


「なっ!?修行で力を得たのか?」


 水帝は信じられないと言う言葉を発した。


「それに私は前に言った筈だよ?鍛えておかないと前の全帝のようになるとね?魔力は年を重ねて行けば行く程落ちて行くものだからね。だからこそ、私達は修行をやって魔力量を強化しているのよ。そして、帝として誰よりも強くね」


「確かにそうじゃな。人である限り年を取れば、魔力はある年を境に落ちて行くと、以前に話した事があるじゃろう?じゃが、年を取ってもしっかりと修行をしていれば、魔力量は緩やかに落ちて行くもんじゃよ。じゃから、創帝達は今のうちから修行をしておるのじゃよ。おぬしも早々と帝を降りたくなかったのならば、修行をする事じゃな」


「そうですね。俺もしっかりとやる事にします」


「体が資本だからね。筋肉も付けておかないと、スタミナ不足になって長時間戦えないわよ」


「長時間…………」


 ごくりと誰の喉が鳴った。


「そうよ。今後はどうなるか分からないよ。この王国に勇者が召喚されたのは他国にも知れ渡っているのだから。そして、この王国と敵対関係にある国はより疑心暗鬼になっているかもね」


「疑心暗鬼。ですか?」


 と、クレアが答えた。


「そうです。この王国の方針は防御と威嚇ですが、」

「敵対関係がある国はそうとは思わないのですね?もしかしたら、勇者様を使って戦争を仕掛けて来るかもと?」


 クレアが口を挟んだ。


「そう考える国もいるかもしれないわ。だから、やられる前にやっちゃえと暴走する国もいるかもね」


「居ないとは言い切れませんね?」


「しかし、戦争となると軍備や食糧の確保に時間がかかりますし、その国の物価が自然と上昇します」


 と、パパが言う。


「そうですね。それらの情報収集は王家の情報部隊が常日頃動いておりますので、その兆しがある国は分かると思います」


 情報部隊は暗部の事だ。各地に散らばり、情報収集をしている部隊だ。


「分かりました」


「まあ、創帝が言うように最悪な事態を想定しないといけませんが、むやみやたらと理由も無く我が王国に戦争をふっかけてくる国は2つの大国以外いないでしょうね。もし仮にも各小国が同盟を結んで我が王国に戦争をふっかけてきたとしても、それは、数年先の話だと思いますよ」


 船頭多くして船山に上るか?

 急拵えの連合軍は、総司令官の命令を聞かずに、自国の司令官の命令を聞いてしまうケースが多い。せっかく連合軍で戦争を仕掛けているのにふたを開けてみれば、各小国で個別で戦争を行っているなんてケースもあるから、連合軍の意味合いを無くす。そんな事を防ぐ為に各小国が集まり何年も合同軍事演習で連携を高めるしかない。


「なるほど?まとめ役が多数居て纏まらない。各小国が一致団結をするのには数年はかかると?王女様はそう読んでいるのですか?」


「そうですね。わたくしはそう読んでいますよ。しかし、想定外の事は今後、いつ起きてもおかしくはありません。帝の皆さんは、しっかりと自身を鍛えて下さい」


『はっ!!』


 私達は頭を下げた。


「他にありますか?」


 光帝が手をあげる。


「王女様と創帝に個人的に聞きたい事があります。この会議が終わった後に付き合っていただきませんでしょうか?」


 そう言ってきた。私はクレアを見る。クレアが良いと言えば、付き合うつもりだ。


「分かりました。この会議が終わった後に聞きましょう。創帝?貴女も宜しいですか?」


「はい。王女様がそうおっしゃるのであらば」


 私はそう答えた。

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