新学期 1
新学期が始まった。地球から召喚された私の双子の姉弟、舞と更夜は、中等部の3年S組に。そして、幼なじみの柏原 ユカは私達のクラスの1年A組に転入した。
で、転入初日に更夜が勇者だと学園中に知れ渡り、更夜と一緒に成りたいという貴族令嬢達がかなり居るという情報も入っているが、更夜のバックには私が居るので、直接の手出しは出来ず夢物語になるでしょうね。
先生が転入生が来ると言うと、またもや、男性生徒達が騒ぎ出す所で先生が睨みを利かせた。毎回、毎回、騒がない事が出来ないのかね?
ユカは自己紹介をして、指定された席着いた。
~ホームルーム~
「ホームルームを始める。あー、今学期から何人かS組にクラス移動をした生徒も居る。コレは、S組で退学者が続出したセイでの処置だからな気にするなよ」
先生が言ったように旧火貴族と闇貴族の派閥に居た貴族達の家が取り潰させれ、派閥だった貴族の子弟達が一斉に退学をしてしまった。それによって、どこの学年のS組の人数が不足した為に、A組に居た下流貴族の子弟達がS組に移動になったのだった。
「えっと?どうして、委員長と副委員長は移動しなかったの?」
クラスの1人が質問した。私とエリサは貴族で成績が優秀だからそういう質問が出た。成績が優秀だと、新学期にはS組に移動になる場合が多い。私達は一学期の総合成績が1位と3位だ。
「それは、お前が言ったようにクラスの委員長と副委員長だからだよ。また、決め直すのが面倒だろうが!それと、今学期から聖は臨時の教師になるからな。教科は剣術の教師だ。受け持つのはこのクラス限定だ」
『は?』
と、先生が言うと、クラスメイトがざわつく。
「静かにしろ!前の担当教師が逃げた」
『は?』
クラスメイトは分からない顔をしていた。
「聴いた話によるとな。聖の剣の腕前を見て、ビビったみたいだ。更に自分が教えるのが惨めになったらしい」
『あー』
と、クラスメイトは納得する。というかさ、相変わらず皆息がぴったりだわ。どこかで、シンクロの訓練しているの?
「と、いう訳だ。解ったな?」
『はい!』
やはり、息ぴったりだわ。
午前中の授業をやり、昼休みに入った。
いつものように、私達は中庭のテーブル席で食べる。
「聖達はいつもここで食べているのね?」
「そうだよ。天気が良い日はここで食べるよ」
「そうなのね?でも、舞さんや更夜君は大丈夫かしら?」
「大丈夫でしょう?S組の食事は、貴族の食事と同じように黙食が基本だからね。それにS組専用の食堂でディナーを全員で食べているわ」
「そうね。ま、私は皆とこうやってワイワイとお喋りして食べた方が良いわ」
「……………私も同意する。聖達と喋りながらの食事は楽しい」
「はい。私も黙って食べていると食べた気になりません」
エリサ、エルフ、リクの3人が答えた。
「現役の王女様と元女王様が言う言葉なの?」
ユカが呆れていた。
「だってね?マリア、貴女だって、そう思うでしょう?元女王様」
「エリサ?私まで巻き込まないでよね?元女王は、私の中に眠っているマリアよ。私はただの一般人よ」
マリアは否定したが、
「何言っているのよ?マリアだって神聖王様の子供でしょうに。ここに居る皆は王族でしょう」
「まあ、そうだけどね」
エリサはどうしてもここに居る全員を王族にしたいらしいが、でも、実際に全員が王族だから仕方ない。
「えっ?私も……………?」
ユカが困惑していた。
「そうだよ。ユカはサトルの恋人でしょう?将来、サトルと結婚すればそうなるし、父さん達はユカを娘として、見ているよ」
「そうなの!?」
「そうよ。私もそうだからね」
と、エリサがフォローした。
「エリサは更夜と一緒に成りたいからね。父さん達が公認したのよ」
「そうなんだ?更夜君の外堀は本当に埋められているのね?」
「そうだよ。内堀も時間の問題かな?とは言え、更夜の奴、ああ見えて女性が苦手だからなぁ」
「そうなの?一緒に住んでいて全く分からないけどね?」
「ま、女性が苦手と言っても、積極的にアピールする女性が特に苦手なんだよ。アイツ、野球をやっていて、身長も中学では規格外の180あるから結構モテたしな」
「ああ、そうよね。サトルよりもあるわね」
「そうなんだよ。同じ食事をしているのにどうして更夜の身長が高く成長したのか分からないんだよなぁ。兄だった私は悔しくてな。牛乳を倍以上に飲んで身長を伸ばそうとしたが、170位だったわ。で、今は、妹の舞にも負けていたのがショックだわ」
今の私の身長は160前後。舞は165位ある。私は兄弟中で一番低くなっていた。
「けど、聖だって女性では身長がある方よ」
「そうだよお姉ちゃん。私なんか145位だよ一番低いのは私よ。私だってせめて150は欲しいわ」
マリアが嘆いた。確かにマリアがメンバーの中で一番低い。
「私ももう少し身長が欲しいです」
リクも嘆いていた。リクの身長は私よりも低いがマリアよりはあるが、リクの場合は育った環境が過酷だったから仕方ない部分もある。
「……………マリア?リク?胸の事は良いのか?」
エルフがなにげもない一言を言った。
「「大きなお世話よ!(です!)この胸お化け!!」」
巨乳をほこるエルフに対して、貧乳の2人が激怒をするのも当たり前の事だった。
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