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聖を嵌めたヤツは? 10

 ~別室~


「フレイム卿が連れている従者はなんという無礼な!!」


「王よ!いくら同盟ぞっ国とはいえ、ファーネリア王国のファーネリア国王陛下にクレームを入れましょう」


「ウム、そうだな。そのくらいはクレームを入れないとなるまいな」


 家臣達が提案し、王もそれに賛同したが、それを止める者がいた。アルクェイドだ。


「王よお待ちよ!そのクレームはイザイヤの立場を悪くします」


「何を言うか!アルクェイド殿!!フレイム卿ならば、まだ我慢出来るが、その従者までに王を含め我々に無礼な事を言われたのだぞ!そのクレームを入れて何が悪いのだ!!」


 と、重臣の1人が言うと周りの家臣達まで同調し、アルクェイドを責め立てる。


「その従者は、フレイム卿の義理の姉達ですよ!しかも、その正体は我が国にも祀りたてている神聖王様に仕える天使なのです」


「はぁ?天使?天使とは一体なんなんだ?」


「そもそも神聖王様に仕えているのはファーネリア王国で教皇になった歴代の人たちではないのか?聖書にもそう書かれていたが?」


 また、家臣達はざわめく。それもそのはず、この国イザイヤだけではなくこの世界の住人達は天使の存在を知らない。何故なら、この世界には(マトモの状態の)神聖王が1人でこの世界に降り立ったからだ。


「全く違いますよ。そもそも、神聖王様に仕えているのはその天使達なのですよ。歴代の教皇達は神聖王様に全く仕えて居ないのです。コレは天使達に確認が取れています。で、フレイム卿はその天使達と義理の姉妹の契りを結んでいます。王に従者と言ったのは王を含め貴方達に要らない混乱を回避する為だったのです。そして、フレイム卿が貴方達になんて言ったのか覚えていますか?」


 アルクェイドはそう言った。アルクェイドも聖達にそう聴かされていたからだ。


「た、確か、その気になれば我々3人でこの国を滅ぼせると………」


 言った重臣の顔が真っ青になる。


「そうです。天使は我々よりも戦闘力が高い。そして、フレイム卿も超越者なので当然天使達に劣らない戦闘力は持っている筈ですよ。その3人が本気になれば、それこそ、この国はあっという間に滅ぼせるでしょうね。そんな天使達を従えている親元のファーネリア王国にクレームを入れたらどうなるかとお思いですか?先に言っておきますが、私は、そんな彼女達とは敵対はしたくはないので、王達が敵対した場合は無条件で私は彼女達側に付きますよ」


 アルクェイドは本心で話す。元々、自分にとっては関係無い国だ。そんな国と運命を共にするのはまっぴらごめんだった。


「そうか解った。アルカードの意見を取り入れる」


 王がそう宣言した。王も元々ファーネリア王国と構えたくはない。ファーネリア王国の保護を失えば、周辺国の大国や小国がこの国に攻め押し寄せて来るのが解っているからだ。家臣達は王の言葉に一斉に頭を下げた。

 アルクェイドはハァーと大きく息を吐いた。


 そして、ノックをする音が聞こえる。


 控えていた兵士が、


「何者だ?」


 と、ドアを叩いた人物に訊ねた。すると、


「フレイムだ!異世界人の処理が終わったので呼びに来た」


 との声が聞こえたので、兵士は王を見ると、王は頷いた。

 それを見た兵士はドアを開ける。


 4人の人物が入って来た。そう、1人見知らぬ男が増えていた。聖も王達の視線に気づき。


「ああ、コイツは私の弟だ!訳があって連れてきた。そして、異世界人は私の方で処理をした。居ても害になる奴だったのでな」


「そ、そうでしたか………我々も異世界人の扱いには困り果てておりましたので、フレイム卿が処理していただきありがとうございました。後日、ファーネリア国王にもお礼を致します。ささやかですが、食事でも」


 王がそう言うが、


「すまないが、それは断る。私達はあの異世界人のセイでそんな気分ではないのでな。コレで私達は失礼する。ああ、私達に対しての報酬は要らない。貴方達にかなり無礼な事をしたしな。では」


 聖は王の誘いを断り転移魔法でファーネリア王国に帰っていった。


「……………」


 残った王達はあ然としていた。あっという間の出来事だったからだ。


「無詠唱で転移魔法を!?」


「あ、有り得ない………我が国の魔道士達でさえも【転移】と言わなければ、絶対に発動しないと話していたのに………」


 家臣達は全員身体全体を震えていた。転移魔法を無詠唱で発動するという事はどれだけ凄い事かをこのイザイヤの家臣達や王は知っていた。そして、聖・フレイム・山瀬という人物を絶対に怒らせてはならないとのこの場にいた全員の共通認識が生まれた瞬間だった。


 ○●○


 私達は寮部屋に転移した。


「ただいま~」


「お帰りなさい。早かったわね?」


「まあね」


 マリアが出迎えてくれた。そして、リビングに行くと、リク達も居た。この場にいないのは、エリサとステラ先生だ。


「あっ!お兄ぃ」

「兄貴」

「聖」


 舞達はサトルの姿をみてそう言った。


「よっ!俺は姉貴に呼ばれてな」


「えっ?」


 マリア達に今回の事を話した。


「……………そうだったのね?私達以外にも知り合いが来ていたのね?」


「ヤな知り合いだがな」


「父さんがその教師を地獄に落としたのでしょう?」


「ああ、そうだよ」


「しかしさ、その神々グループという会社の総帥っていうのは、どうして、兄貴だけを狙ったんだ?」


「そうよね?あたし達もお兄ぃと一緒に狙ってもおかしくはないのにね?」


 舞達の言い分も尤もだ。舞達も狙われてもおかしくはないが?


「それはですね。おそらく舞さん達は剣道や野球でのスポーツで活躍をしていた為じゃあないでしょうか?舞さんと更夜さんは全国レベルでした。対して聖さんは、舞さん達のサポート役に徹していましたからね。神々グループは跡継ぎは聖さんだと決めつけたのでしょうね?」


 がぶり姉ぇはそう説明した。確かに舞と更夜は剣道と野球で全国レベルで活躍をしていて、その関係者達は舞達を高校のスカウトに動いていた。実際に有力な高校のスカウトが家に挨拶をしにやって来た事もあったくらいだ。

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