転生した私。そして、出会い4
マリアの案内で王都の入り口に着いた。そして、俺は身分証を持っていなかったが、マリアの説明で、盗賊を役人に差し出したら、討伐料のお金を貰えた。それに身分証はマリアのギルドで発行して貰えるみたいだ。
ただし、住人登録はちゃんとした所でないといけないようだけど、俺が定住するかどうかは様子見だ。
門をくぐり、王都の街を見ると、広大な街並みの風景が。
建物は煉瓦作りで、電柱が一本も立っていなかった。こうして見るとこの世界は電気が通っていないと判るな。そして、俺は異世界に来たと実感するな。
俺はマリアの案内で街並みを見回ったが、俺をじろじろと見ている人々がいる。
「うーん?」
「どうしたの?」
「お、私を見ている人々がいるの。だから、気になって………」
「ああ、聖さんは美人だからね?」
「びっ!?しかし、わ、私、この格好だ。ダサくない?」
俺の格好はまだジャージ姿だ。この世界でジャージを着ているヤツはいない!あの幼女神め!自分の趣味を優先にしやがって!この世界の服装を合わせろ!完全に浮いているだろう!
「そんな事ないと思う………ょ」
「マリアさん?段々と声が小さくなっていますが?」
「と、とにかく、ホラ、ギルドに着いたわ」
誤魔化されたが、見ると大きな建物が目の前にあった。4階の建物だ。しかし、マリアは隣りの建物に行く。カフェ?
「ま、マリアさん?ここは?」
「ここも、ウチが経営しているのよ。ただいまー」
マリアはカフェに入っていく。
俺も続いて入るが、店の名前が『カフェ・ネコのメ』になっていた。店内には美人3姉妹でも働いているのかな?と思いながら店内に入ると。
「貴様!俺の娘に手を出すとは良い度胸だな!それなりの覚悟が出来ているのだろうなぁ!!」
と、いきなり、俺の目の前にスキンヘッドでサングラスを掛けた筋肉隆々の2メートルに近い大男がいた。
「ヒイィー!!」
思わず悲鳴声を上げ、怯えて壁に這いつくばる。
う、海坊主が居る!この店、美人3姉妹じゃなく海坊主が海坊主が…………。
大男の迫力に俺は完全に怯えてしまった。イヤ、少しちびったかも………。
「パパ!止めて!この人は女性よ!それに私の命の恩人なのよ!」
マリアが海坊主を注意する。
「なに?本当か!?」
海坊主の顔が俺により近付く。
「イッヤーー!来ないで下さい!怖いです!!」
女になりきって言う。命が助かるなら男を捨てる!
「パパ!!」
マリア、強い。俺、尊敬するぜ!姐さん!
そして、
「す、すまない。てっきり男だと勘違いをした。俺は任務中に目を負傷してな目が悪くてな。良く見えないんだ」
誤解が解け。カウンターにマリアと一緒に座るが、目が見えないのにスムーズな動きだ。
「本当に悪かったな。これはサービスだ!」
と、海坊主が出したのはサンドイッチとコーヒーだった。
「このコーヒーは俺の自慢のコーヒーだ!ブラックで飲むのをお勧めする」
ブラックか、俺はまだ苦手だ。いずれは飲めるようにしたいが………。
そのコーヒーを飲むと。
「お、美味しい!正直、ブラックは苦手だったけど、これなら飲めます!」
「そうか……」
「でしょう?私は好きなのよ」
マリアは本当に美味しそうに飲んでいた。俺よりも年下だよね?
このコーヒーはブラックなのにほんのり甘味を感じて美味しい。苦味だけのブラックよりも断然こっちの方が良い。サンドイッチも美味しく頂きました。
「私、隣りのギルドで依頼の報告をしてくるわ。後、ギルドマスターも呼んで来るから待ってて」
「えっ!?私も」
「良いから待ってて!」
「はい!分かりました!」ビシッ
何故かマリアに対して敬礼をしてしまった。
マリアはギルドに行った。で?俺は海坊主と何を話せば良いんだ?
しばらく、沈黙が続いていた。
俺のウチは両親が仕事で海外を飛び回っていないからなぁ。大人の人にどう接したら良いのか分からない。
「オイ!」
「は、はい!何ですか?」
不意に海坊主から声を掛けられて、ビクッとなった。
「改めて、お礼を言いたい。娘のマリアを救ってくれてありがとう。貴女がいなかったら、今頃、娘はどうなっていたか………」
海坊主は俺に頭を下げた。
「いいえ。それはお互い様ですよ。お、わ、私もマリアさんに出逢わなかったら、どうなっていた事か……。それに寝る場所を確保出来ただけでも御の字ですよ」
「ウチのギルドに入るのか?」
「はい。その予定ですよ。わ、私には(この世界に)肉親がいませんから、働かないと生きていけません」
「そうか……それは変なことを聞いてしまったな…」
「いいえ……」
また沈黙が続いたが、マリアが女性と一緒に戻って来た。その女性がギルドマスターかな?それにしてもマリアに似ている。マリアのお母さんなのか?
「ただいまー。あれ?2人とも結構静かだね?」
「マリア?初めてのお客様でしょう?緊張をしているのよ。ごめんなさいね。私はリリカ・マーカー。マリアの母親で、ここのギルドマスターを勤めているわ。娘のマリアから聞いたわ。私達の娘を助けて頂きありがとうね」
マリアも頭を下げた。
「いいえ。私は、聖 山瀬です。ここのギルドに入りたいのですが?」
「良いわよ。マリアの命の恩人ですもの。貴女の希望には応えるわ」
「ありがとうございます」
「早速なんだけど、書類に書いてくれる」
「はい」
リリカさんに書類を渡されて書いた。
氏 名:聖 山瀬
年 齢:15歳
出身地:無し。(良く解らない)
魔力量:不明。計った事が無い。
使える魔法の種類:おそらく全ての魔法が使える。
などと記入した。
「こんな感じですが?」
リリカさんに書類を渡すと。
「えっ!?貴女、15歳なの?」
「ウソ!?私と同じ年なの?」
「えっ!?マリアさんは私と同じ年?」
「「絶対に年上(年下)と思っていた」」
2人の声がハモった瞬間だった。
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