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聖を嵌めたヤツは? 2

 ~ファーネリア王国~


 がぶり姉ぇ達を召喚してから1週間が経った。

 陛下は王国民達に勇者召喚が成功したと、発表し、勇者の御披露目を約3ヶ月後とすると宣言した。この3ヶ月間で勇者である更夜を私達や帝達で鍛え上げる。そして、勇者の生活面の面倒を見るのは、火の貴族である私、聖と決まった。表向きの理由は年が近いからだ。


 私達は今寮部屋のリビングでのんびりと過ごしている。


「本当に教師と住んでいるのね?その話を聴いた時はウソでしょう?と思ったわ」


 と、ユカが言うと舞と更夜も頷いていた。ま、前世は先公を恨んでいたしな。それを知っているユカ達には信じられない事だろうね。


「ま、普通は、学園の寮部屋で生徒と教師が一緒には暮らさないのが常識だけどね?私達は特殊だから一緒に暮らしているのよ」


「そういう事だな。ま、私は聖の両親、神聖王様にコイツらの面倒を見てくれと頼まれたからな。言わば保護者代わりだったんだがな。今は、聖達の保護者代わりが沢山居るからな」


「確かに………」


 今はミカ姉ぇ達が居る。


「あっ!そう言えば、神聖王様の秘密ってなんなの?ホラ、初めてお会いした時には、その話を聴けば信者になるのを躊躇うって言っていたでしょう?あれって?」


 と、エリサが聴いて来た。その事情を知っているリク、先生、ミカ姉ぇ、がぶり姉ぇは苦笑をしていた。


「ああ。大昔に父さんが酒の飲み過ぎで、酔っ払ってアトランティスに落ちるわ、公務中に一斗の一気飲みはするわで、ずっと酔っていたようだった。それを見た母さんがカンカンに怒って、酒飲みを封印したら、今度は数百年に渡って酒の後遺症でずっと寝込んでいたようなのよ」


「は?」


「マジで?」


「本当に?」


「神聖神様が?」


「信じられないわ?」


 事情を知らない他の人達はあ然としていた。


「そうですね。あの頃の神聖王様には困りましたよ。寝込んでいる間、私が神聖王様の代理をやりましたからね」


「ええ、私なんて七日七晩、アトランティスで待ち惚けを食らいましたからね。帰りは帰りで、ベロンベロンに酔っ払った神聖王様を抱えて神界に帰りましたよ」


 ミカ姉ぇとがぶり姉ぇが溜め息混じりで当時の事を思い出しながら話す。


「あの頃は、他の神々も天使達もハオマ酒にはまっておりましたからね」


 ミカ姉ぇはそう言って更に深い溜め息を吐いた。


「ハオマ酒?聴いた事がないが?それは一体どういう酒なんだ?」


 先生が質問した。


「それはそうですよ。今現在、神界、天界でもハオマ酒を造る事は禁止されていますよ。人間界も名前だけは残っていますが、レシピは全て燃やしましたよ。後から解った事ですが、このハオマ酒は中毒性が非常に高い酒だと判明しました。神聖王様でさえ、王妃様に封じられるまで、飲んでいましたからね。だからこそ、数百年もの間、他の神様や天使達共に寝込んでいたのですよ。もし、仮に人間が飲めば、麻薬のような症状が出て、最後には死にますね」


 ミカ姉ぇはそう説明をした。


「そう言えば、父さんは、封印されてから禁断症状が出たと言っていたけど………あれって?」


「はい。ハオマ酒の影響ですよ。その症状を抜くために、王妃様、ラファエル、私と数人の医療を携わっている天使達が看病していましたよ」


 がぶり姉ぇがそう言うと、他の皆が更にあ然としていた。


「た、確かに、そんな話を聞くと、信仰をしていくのが揺らぐわね………」


 ユカがそう言った。


「でしょう?だからあの時に陛下達に言ったのよ。これは私達家族の恥で、この話を聞けば、神聖王の信仰を考え直します。と絶対に言うとね?」


「そうね?いくら、私達王家が神聖王様を心から信仰してもこの話を聞けば揺らぐわね………」


 エリサは聴かなければ良かったという後悔の表情をしていた。


「それに、リクのご先祖様の所に行って、その人達と七日七晩もお酒を飲んでいたのでしょう?当時のリクのご先祖様達は凄いわね。パパに付き合えるなんてさ」


「そうですね?それで、父上は私達の信仰神になっていますからね」


 マリアとリクは、そう言いながらも父さんに呆れていた。


「ま、今現在は、神聖王様は、しっかりと封印されていますからお酒はもう飲みませんので大丈夫ですよ」


「そうですね。禁断症状も出ませんので安心して下さい」


 ミカ姉ぇとがぶり姉ぇがフォローした。


「けどね?お姉ぇが言うようにこの話は家族の恥だわね」


「ああ、俺達が生まれる前の大昔の話とはいえ…………そんな話は他人の前では【絶対】に話せれない内容だな」


「当たり前だ。そんな話をすれば、普通全員が引くよ。とんでもない神だとな」


 現にユカとエリサが引いている。


「そうだよな………ま、こんな話はここだけでの話だよな」


「そうね。父さんの真っ黒な歴史だわ」


「ああ、けど良かったぜ。今、まともでさ」


「そうね。もし、こんな酔っ払いの父親だったら、あたしは、即、お兄ぃと一緒に家を出て行くわ」


「俺は?」


「更夜は勝手にすれば良いわよ。男だし」


「イヤ、俺も連れて行けよな」


 舞と更夜がありもしない事で言い争いをしていた。


 そして、話は、中学校の先公の話になった。

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