去った後の話4~ガブリエル、正体をバラす~
「更夜!いつまで寝ているんだ起きろー!!」
鼻血を拭いた舞さんが一喝する。
「更夜!前屈みになるな!シャキッとしろ!」
「無茶言うな姉貴!がぶり姉ぇ、もうあの写真は見せないで!俺には刺激が強すぎるから!」
「そうですかね?ホラ」
聖さんのスクール水着の写真を見せるが、更夜さんは素早く目を閉じる。
本当、ウブですねぇ~?
更夜さんの行動があまりにもウブなのでクスクスと笑ってしまった。
「がぶり姉ぇ!笑わないでくれー!」
「更夜って、本当、あたし達以外の女が弱いわね?あたし、心配になって来たわ」
「い、いずれ、克服すると思う………」
いずれでは、駄目そうですね?私も心配になりますね?
「が、がぶり姉ぇ?この写真はどこで撮影したの?見たところ、どこかの部屋のようだけど?」
「そうよね?それに私達って、がぶり姉ぇは言っていたけど、何人その場に居たの?」
更夜さんがさらりと話題を変えましたね?まあ、いいでしょう。
「場所はお母様の部屋で今日撮影したモノですよ。その場に居たのは私達の他にミカエルが居ましたよ」
「「はぁ?」」
「母さんが?何故?」
「い、イヤ、その前にミカエルって言ったよね?ミカエルって言えば天使の中では有名な名前だよな?」
うーん?ミカエルの名前で天使と気付きましたが、私の名前は地球では有名ではないのでしょうかね?マイナーなんでしょうか?
「がぶり姉ぇ?よく分からないから、ちゃんと説明してくれる?」
「分かりました。ちゃんと説明をしましょう。まずは、私達は人間ではありません」
「「人間ではない!?」」
「はい。舞さん、更夜さんの正体は神様ですよ。で、私は…………」
私は天使に戻る。
「あっえっ!?つ、翼?ま、まさか?」
「天使!?がぶり姉ぇが天使?」
2人が驚いている。まあ、驚いて貰わないと私が困りますね。
「はい、私は第壱階位一級熾天使、ガブリエルですよ。私はあなた達のご両親のご命令であなた達の守護を任させました。そして…………」
今までの事情を2人に話した。
「…………と、言う訳です」
「じゃあ?あたし達は、主神の子供だったと?」
「本当は父さん達も一緒に住む筈だったと?」
「はい、そうですよ。タイミングというか、運が悪かったとしか言えませんでした。あなた達は神様から人間になっていたので、神界にも置けずに、ここに来たのです」
「本当、バットタイミングだったわね?」
「それにしても、山瀬グループが父さんが経営者も驚いたな?」
「本当だわ。あたし達って、質素な暮らし振りでしょう?この家も普通の一軒家だし、高級な物もこの家にはないしね?」
「確かにな?たまに社長宅訪問のテレビ番組があるけどさ?それに比べると、ウチはかなり質素だよな?まさに雲泥の差だな?」
言いたい放題ですね?それなら、
「でも、ご実家は黄金の神殿ですよ。純金の建物で家具類は凄いですよ?」
そう言うと、
「それ、目がチカチカしそうで、住みにくそう」
「言えているな?」
苦情を言う2人。
「ハァー。では、どうしたいのですか?社長のご子息やご令嬢みたく豪華絢爛な暮らしがしたいのですか?」
2人がそう望むなら明日から可能ですがね?
「あたし、それを考えたのだけどさ?別に豪華絢爛な暮らしをしても意味がないわ」
「俺もそう思った。だって、お手伝いさんのがぶり姉ぇは実は天使で、その天使が作る料理は超一流で絶品の味だし、こんな贅沢な事はないと」
「そうだね?どんな社長でも絶対にできない事をあたし達はずっとしてきているモノね?」
「そう言う事だな?」
「そう言ってくれて、私は嬉しいですよ」
2人の言葉に不覚にも嬉し涙が出そうになりましたよ。




