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S組のテンサイ 3

 などと、話していると。


「オイ!タンカーだ!生徒が急に倒れた」


 審判役の教師が救護班に呼びかける。


 私達は気になって見ると、倒れて審判役の教師に介抱されている生徒とただ立っている女子生徒が居た。

 あの対戦相手の女子生徒がやったらしいな。他の生徒や教師達もざわざわとなっている。


「何かあったみたい」


「試合中の事故でしょうか?」


 私達の方もざわつく。


「その通りだ。試合が開始した直後にいきなり倒れたんだ。今は気を失っているようだな」


 そう言いながらステラ先生がやってきた。


「倒れたって?対戦相手が何かをしたのでは無いのですか?」


「いいや、何もやっていないが、相手は倒れ込んだんだ。お前達は試合を観てはいなかったのか?」


「ええ、さっきまで他の話をしていましたので」


「………聖の話を聞いていた為になった」


「あのな…………」


 先生は呆れていた。


「しかし、何もしないで相手を倒すなら、魔力での威圧や気による威圧で簡単に倒れますよ?」


 私がそう言う。私はどちらでも出来き、どちらとも感知が出来るからだ。


「しかしな、魔力ならば、私達でも感じ取ることが出来るが、しかしな、魔力を強烈に発した訳でもないんだ。気の方は判らないがな。だが、聖とリクはその気とやらを感じ取ることが出来るだろう?」


「そうですね」


「はい。私は闘気を使いますから相手の気も判りますが、私もお姉さま達と話していましたので、先ほどの事は分かりません」


「私も改めて観ないと分からないですね」


 私達にも感知が出来ない程の瞬時に魔力か気を発した可能性がありそうだ。


「そうですね」


「分かった」


 私達は先生を伴ってリングの近くに行く、途中、エリサも合流した。そのエリサが。


「私、その試合を間近で観ていたけど、どうやって倒したのか全く分からないのよね」


 と、不思議がっていた。


「それを今から確認するんだよ。丁度良いな」


 例の女子生徒がこれから試合をするようだ。


 クンクンとエルフが匂いを嗅いでいる。そして、こう言った。


「…………この女、人間ではない………人間とは違う匂いがする」


 と、


「えっ?人間ではないって?」


 エリサが聞き返す。


「………うん、人間は人間の匂いがある。けど、この女から人間の匂いがしない…………かと言って、私や聖とは違う。他の種の匂い。人外」


 エルフはそう言った。エルフは初めて会った時に、匂いで、私が人間ではないと言い当てた。そのエルフが人間ではないと言うならそうなのだろう。


「先生?あの生徒の名前は解りますか?」


 もしかすると、名前で何かのヒントがあるかもしれないが、それで正体が解る確率が低いと思う。


「ああ、分かるぞ。あいつの名前はアルクェイド・アルカードと言ったな」


「は?マジで………?」


 私はこの名前を聴いてビックリした。だってね?ヒントどころではなく、名前からしてそのものだ。


「お姉ちゃん?その名前で何か思い当たる節があるの?」


 マリアを含めて、皆が女子生徒の正体を聞きたがっていた。


「ええ。でも、試合を観てから説明をするわ」


 私はリングに視線を送る。


「始め!」


 審判役の教師が号令を掛けるが、その女子生徒は動かない。攻撃をする意思が感じられない。


 対戦相手が困惑している。どう仕掛けて良いのか分からない感じだが、相手に勝たないと次に進めない。魔法で攻撃を仕掛けようとしたときに。


「がっ!?」


 ドサッ。


 仕掛けようとした生徒が倒れて気絶した。


「タンカー!!」


 審判役の教師が、救護班の教師を呼んだ。


 女子生徒は何事もなかったようにそのままリングから降りた。


「お、オイ?お前達、今ので何か分かったか?私は何も分からなかったぞ?」


「わ、私もです」


「私もそう。攻撃をしたとき?魔力を感知出来なかったわ」


「気や闘気もですよ…………」


「一体、何をして倒したんだ?って?聖にエルフ?お前達どうした?」


 先生が私達の方を見てその光景に驚いていた。


「み、耳が…………」


「………痛い………声が聞こえない」


 私とエルフは両耳を押さえて座り込んでいた。


「えっ?耳?皆、とりあえずこの場から離れましょう。聖とエルフが休める所まで」


 エリサが私達を心配してそう言っているようだ。


「そうだな。お前達、歩けるか?無理ならサポートを」


 私達は支えられて、ベンチまで歩いた。


 しばらくして、聴覚が戻った。


「2人共どうして耳が?」


「おそらく、あの女子生徒の攻撃が原因だよ」


「………そう、あの女、人間では聞こえない超音波を出していた…………私はエルフ族から、その音波が聞こえて、耳がおかしくなった」


「私もそうよ。耳が他の人達よりも良いからね。その影響で聞こえたのよ」


「えっ?それじゃあ?あの生徒の正体って?」


「あの女の正体はヴァンパイアだよ」


「ヴァンパイア!?」


 案の定、皆が驚いていた。


「ヴァンパイアって、想像上の生き物ばかり思っていたわ」


「ああ、今までこの世界にヴァンパイアという魔物もしくはモンスターは確認されていない。ヴァンパイアは物語に出てくる空想上の生き物だったが、まさか、ヴァンパイアが?」


「しかし、何故、聖は彼女をヴァンパイアと決めつけたの?確かにあの攻撃は異常だったけど、特殊な魔法攻撃と誤魔化せるわ」


「それは、彼女の名前だよ」


「名前?」


「そう、アルクェイドは女ヴァンパイアの隠し名の名称で、アルカードもそう、スペルにするとALUCARDアルカードでそれを反対から書くとDRACULAドラキュラになる。すなわち、吸血鬼、ヴァンパイアになるんだ。コレは、地球むこうと同じだよ」


 私は地面に文字を書きながら説明をした。

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