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S組のテンサイ 2

 トーナメント戦が開催しているが、私達は見学中だ。


「で、リク?上位でもこの程度のレベルだけど、こんなのに参加をしたかったの?」


 私達から見て上位でも大したことがない。その気になれば、指1本で勝敗が着いてしまう。完全に弱いものイジメになるな。


「うっ!?い、いいえ………無理ですね」


 リクも上位の闘いを見て思い直したようだ。


「でしょう?私達から見たらお遊戯をしているようでしょう?」


「はい」


「私が見ても闘っている人達が全てスローモーションに見えるわ」


「………私もそう。遅過ぎる」


「それはそうでしょうね。私達が朝練している時の模擬戦での速さレベルが違っているから、貴女達の目に映るスピードは、全てスローモーションに見えてしまうのよ。それだけ、私達の実力が付いているという証拠だよ」


「そうなんだ?私達は、私が想っていた以上にかなり強くなっているんだ?」


「そうだよ。マリアが覚醒した時よりも魔力量がさらに増えて、すごいスピードで成長しているわよ」


「………………マリアは強い…………私もそれは認めているし、私はマリアの魔力量に早く追い付きたい」


 エルフの魔力量はまだ10億に達していないが、この世界の強者の1人には変わりはない。


「ありがとう」


 素直にお礼を言った。


「しかし、あの魔道鉱石から造った日から数ヶ月は経っていますが、どうして、私達以外の生徒達のレベルが低いのですか?これはあの時と殆どレベルが変わっていませんが?」


「当たり前でしょう。私達は朝練でハードな事をやっているのよ。その時点でレベルの差が違っているわよ」


「………マリアの言う通り、朝練はかなりハード」


「そうですか?私には普通ですよ」


「………それはリクが異常なだけ」


「うんうん。私もそう思うわ」


「そんな事はありませんよ。ね?お姉さま」


 2人に異常だと言われて、私に助けを求めた。


「んー。それは人それぞれと言っておくよ。練習内容がハードと感じているのだったら、それはまだ体が追い付いていない証拠。そして、普通と感じているのなら、もうそのメニューに体が馴れてしまった証拠だよ」


 そう説明した。


「そうだったのですか?では、私のメニューにもっとハードなトレーニングを加えたら」


「文字通り、ハードトレーニングになるね。しかし、オーバーワークはいけないわよ。体を壊したら元も子もないから。適度な練習内容が一番良いのよ」


「分かりました」


 3人が答えた。


「後は、ギルドで私達のように討伐クエストはやらないでしょうね。殆どは、採集か探し物のクエストが多いと思うわ」


「あっ!そうですよね。私達はギルド登録したばかりで、普通は討伐クエストはやりませんよね」


「そうだね。ギルドランクだって、最低のEランクが大半でしょうね。もしかするとDランクになっているかどうかだわ」


「そうだね。討伐クエストは、単独でCランクかCランククラスのパーティーに入らないと出来ないけど、まだ16歳では、討伐をするパーティーには入れない。討伐クエストは死ぬ事があるからね。本来私達は戦闘は経験不足だから、そのままの状態で連れて行けば、100%足手まといになるわ。それに仮にパーティーに入れたとしても戦闘の経験不足を補う為にパーティーの連中から戦闘の技術を学ぶが、その間はパーティーとして討伐クエストには行かれない。そうなるとパーティーの収入が減るわ」


「そうだね。私達はヒルドさんやルエルさんが居たから、ランクを無視して討伐クエストが出来たけど、Eランクでは一番最弱なスライムすらやられてしまうからね。スライムは下手に倒すと斬った体から酸が飛び出て来て、その酸に掛かると自分の体が溶けちゃうから厄介なのよね。それに斬った武器も溶けちゃうからね」


 そう、この世界のスライムは雑食性で、その体には強力な酸の毒素が含まれている。スライムは核を持っているので、その核を壊せれば良いが、その核自体が小さく、武器を使ってピンポイントで壊すのは意外と至難の技になる。失敗すると、酸が飛び散るという厄介な魔物だった。だから、スライムを見つけたら、逃げた方が一番良い。もし討伐するなら、遠くから弓矢か魔法を使ってやった方が良いが、はっきり言って、この世界のスライムはギルドとしてはなんの価値が無いので矢と魔法を使うのも矢と魔力の無駄遣いになる。

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