就任式 5
「何故、貴女は帝をやっているの?」
と、光帝が聞いてきた。(光帝の名前を知らない)
「質問を質問で返すのは悪いけど、貴女はずっと貴族をやっているわ。何故、貴族である貴女が帝をやっているの?」
「確かに、この質問は私から答えなければなりませんわね?私が帝をやっているのは民達を助ける為ですわ。私は光系の魔法に才能があったので光帝をやっていますのよ」
光帝はそう答えた。次は私が答える。
「私は、陛下と王女様が、帝の要請されたから成っただけよ」
「えっ?ただそれだけで?」
私のその答えにあ然としていた。
「そうよ。私はギルドに入ったばかりだからね。帝という存在すら知らなかったのよ」
「確かに貴女の年はギルドに入れる適性ぎりぎりだわ。そのど新人がいきなり帝に抜擢されたの?信じられないわ」
「だろうね?」
「じゃあ、この間入った火帝と拳帝は?確か、貴女の妹だと?貴女の年って確か今年16だったわよね?あの2人が貴女の妹なら、ギルドにも入れない年齢だわよ?」
この就任式に参加している貴族達は私の名前と年だけのプロフィール資料が配布されていた。
「ああ、妹と言っても私と同じ年よ。けどね。あの2人から姉と呼ばれているのよ。だから妹分なのよ」
「同じ年………あの2人も新人で帝に抜擢されたのね?どれだけ、人材不足なのよ!」
光帝が憤っている。
「ああ、それは違うって。あの2人は元々炎帝と聖拳帝の後任者。だが、風帝はともかく、後のバカ2人がバカをやらかしたからな。人材不足ではなく、魔法陣の事があったから仕方なくだよ。じゃなければ、今もじっくりと人選している筈だわ」
「そうでした。魔法陣の事がありましたわね。空間の休憩所が出来て以来かなりスムーズに行っていますので、忘れておりました」
「あのね?」
「しかし、クレア王女様は将来どうするおつもりでしょうか?」
「将来とは?」
「ああ、貴女は今日から貴族に成ったばかりだったので知りませんでしたわね?クレア王女様は私達貴族の前で、神様と結婚すると宣言しましたのよ。これは私達貴族では、クレア王女様は一生結婚をしないと解釈しましたのよ」
「はあ?なんでそうなるの?あれは、旧闇の貴族のバカ息子に向けた婚約破棄の言葉よ?それがなぜ一生結婚が出来ないと解釈されるわけなの?」
私には全くその意味が分からない。
「ああ、知っていましたか?では、法律で結婚が出来ない王族は王位継承が出来ないという法律も知っておりますわよね?しかも、クレア王女様は神様と結婚すると、私達貴族の前で堂々と宣言しました。だから、クレア王女様は神様と結婚をしなければならないのですよ?」
「だから?神様と結婚すれば良い事でしょう?」
「は?普通無理ですわ。確かに神聖王様の御降臨がありましたが、いくら、王族と言えども、神様と出会って、なおかつ、結婚なんて出来っこ無いわ」
と、光帝は否定をする。けど、貴女の目の前に神が居るけどね。
「何を言っているの?あなた達は、召喚される異世界の人間は神そのものだと言っていたでしょうが」
そう、ここにいる光帝をはじめ、雷帝、水帝も異世界の人間は神様並みに強いと信じていたが、それを私が否定した。
「貴女?あの時に私達が言った事を否定したでしょう。異世界の人間は私達と変わらないと?」
「そうよ。変わらないわ。しかし、その異世界の人間が人間ではなかったら?」
「えっ?どういう事?」
「異世界がどういう所かは私達は分からない。それは解るわよね?」
「ええ、そうね。全ては私達の想像になるかしら?」
「そうよ。全て、私達の想像よ。だから、私も異世界の人間は私達と変わらないと想像をして言ったのよ。だけどさ、召喚はどんな人物が召喚されるかは、実際にやってみないと分からないでしょう?もしかしたら、生まれたての赤子が現れるかもしれないし、死にかけの老人が現れるかもしれないわ。あの魔法陣で召喚されるのは、老若男女、誰が現れるか分からない。もしかしたら、神様も現れるかもしれないわ」
ま、私の家族が魔法陣から来る思う。そして、本物の勇者は早々に元にいた地球にお帰り頂いて、私の弟更夜にその勇者の役目をやってもらう。これは陛下達にも了承してもらっている。なんて言っても、更夜は神だから。本来の勇者よりも強いでしょうね。
「た、確かにどういう結果がなるか分からないわね?…………まさか?貴女?クレア王女様の為に不正をやる気なの」
「不正ね?このまま王家が亡くなるよりは良いでしょう?」
「まだ、イスレイ王子様がいますわ」
「イスレイくんに国王には成らさせないよ。国王に女王に成るのはクレアよ!あの子はその為に頑張って来ているのよ。イスレイくんはクレアを助ける重臣の役目をしてもらうわ」
「な!?貴女?そんな事を貴女に決められる権限はない筈だわ。それにイスレイ王子様に続いて、それもクレア王女様の御名前を呼び捨てをするなんて……」
信じられないという表情で私を見ていた。
「別にクレアは友人だからね。そして、この案はクレアが決めた事よ。自分自身が女王に成って、この王国を豊かにすると、だから、私に貴族に成ってそれを手伝って欲しいとね」
「友人………?クレア王女様と貴女が?」
「そうよ。だから、私達は協力しているのよ」
「では、貴女の提案もクレア王女様は知っているの?」
「もちろんですよ。わたくしは神様と結婚しますよ」
別な場所からクレアの声が聞こえた。
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